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キラー・インサイド・ミー

2011年05月22日 09時04分34秒 | 映画 か行
評価:★★★☆【3,5点】


悪くはないんだけど、最後の詰めの甘さが命取り。

50年代のテキサス州の田舎町で起こった、とある連続(?)殺人事件。
映画の題材としては、いまさら感は否めないが
S・キング氏やS・キューブリック氏のお墨付きという原作小説なので
監督の演出がどれだけのモノなのか気になって観に行って来ました。



1950年代の西テキサス。
田舎町で保安官助手をするルー・フォードは
誰からも好感を持たれる純朴青年。
幼なじみの女性教師エイミー・スタントンと気ままな逢瀬を重ね、
町の治安同様、穏やかな日々を送っていた。

ある日、住民からの苦情を受け、売春婦ジョイスのもとを訪ねたルー。
そんな彼を客と勘違いしたジョイスは優しくもてなすが、
保安官と分かるや態度を一変、口汚くののしり平手打ちを喰らわす。
その瞬間、抑えがたい怒りに駆られたルー。
最初はジョイスをベッドに押さえつけ激しい殴打を繰り返し、
やがて落ち着きを取り戻すと今度は互いに激しく求め合う。
以来、ジョイスとの情事が日課となったルー。
そして、これまで心の奥底に眠っていた闇も解き放たれてしまい…。
<allcinema>



でましたね~。
この映画のオープニング・クレジットも『グラインドハウス』っぽく
どことなく、あの頃の懐かしさと、輝く映画時代を思い出します。
本編もセピア調の画作りで、舞台となる50年代のテキサスの土地柄を
見事に再現していたと思います。

演じる俳優たちも、割と旬な人選でよかったと思いますが
ただ、ケイシー・アフレックの地味さ加減と
見るからに影のある表情などで、初めから雰囲気的にネタバレですね^^;

物語の方は、今の映画ブームの中に至っては
少々古臭い題材というか、本作で語られる善良に見える市民が
時として凶悪な犯罪を犯す2面性を持っているといわれても
ほんとに今さらこれかよ!っていう思いは拭いきれませんでした。

しかし、話が進行していくと、いつの間にかその世界観が
割合に丁寧に描かれているので、さも、これが現実だったら
とても怖い話だな~と感じさせるところは監督の巧さだと思います。

主人公のルー保安官助手の突如として豹変する行動は
まったく予想できません。
愛する女性に対し、愛を満喫した時点でそれを破壊してしまう。
しかもその手口があまりにも残忍極まりないのです。
観るものは、その凶悪性に精神的に病んでいることを悟ります。

原作では、ルーが幼少期に父親から受けた虐待が原因で
それがトラウマとなっているそうですが、本編ではそういう場面はない。
監督はそういった心理的な部分は一切排除して
ただ単にルーの異常性を見せつけていきます。
この辺りは、賛否が別れる思いますが、本作の流れからいえば
ルーの異常性心理にスポットを当てることよりも
彼が犯した犯罪に対し、ハワード・ヘンドリックス郡検事の
独自の捜査で、ルーが徐々に追い詰められていく過程を描いたのは
唯一の見どころだったと思いますね。

ただ、アレだけの殺人を犯したにもかかわらず
まるで、完全犯罪のように見せてしまうのは、ちょっと???。

最後のみんなが部屋に集まってくるシーンに対して
あそこで発砲する時点で、部屋の匂いに何らかの反応があってもよさそうだが
ヤツらには嗅覚ってものがないのか!!!(爆)


おまけ)
・エイミーが瀕死の状態で床で喘いでるのを見て、昆虫標本のようだと
 うすら笑いを浮かべてたルーは、完全にこいつは逝ってると思った。

・後から知ったあの手紙、書かれてる内容にもう一工夫ほしいかな。

・興行収入がまったく回収されてないということは
 この映画はコケたってことでしょうか。

・「幼少期に於ける父親からの虐待」って大人になってから可也の影響が。
 猟奇的犯罪を犯すものは、ほとんどこういった境遇なんですね。
 でもな~、多かれ少なかれ幼少期って誰でもそういうのあるんじゃ?
 ルーのような場合はそれが虐待ととられ、人生を成功させれば
 それは虐待ではなく、愛の鞭とでもいわれるのでしょうか^^;
 ということで、これは是非とも『ツリー・オブ・ライフ』で学びたい^^
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監督:マイケル・ウィンターボトム
脚本:ジョン・カラン
撮影:マルセル・ザイスキンド
音楽:メリッサ・パーメンター/ジョエル・キャドバリー/


出演:ケイシー・アフレック/ケイト・ハドソン/ジェシカ・アルバ/


『キラー・インサイド・ミー』

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4 コメント

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そうそう、絶対に臭うはず! (オリーブリー)
2011-06-03 18:56:53
ホント、そうですよね。
主人公の感情なんて、サッパリ分からないんですが、こんな人は絶対にいると思う怖さがありました。
お尻ぺんぺんもベルト打ちもゴメンです。
ノーマルが一番(爆)

時代や狭い町社会であっても、常識人たちがどこか中途半端。
皆がそれでもルーを憎めないのか、なんか人間関係が曖昧でしっくりこなかったなぁ~。
返信する
DV男って最低 (ituka)
2011-06-03 20:20:00
オリーブリーさん、こんばんは。

田舎町の保安官でルーより怖い男がひとりいます。
そいつの名はホイト・ヒューイットといって
『テキサス・チェーンソー』の影の主役です(爆)
片足落とした親族に向かって「見栄えが悪いから」と言ってもう片方の足も切り刻んだアイツです。

この映画って、ルーがジョイスに出会う以前の日常をもっと見せておく必要があったんでしょうね。
それがないから、「あんな良い人が!…」って方向にいかないのが痛かった(笑)

エンドロールの曲って悪ふざけもいいとこ(爆)

明日はクロエちゃん行って来ます^^
返信する
ケイト・ハドソンが・・・ (mariyon)
2011-07-02 06:46:01
原作も予備知識もなかったもんで
最初出てきたとき、年上の人妻と不倫しちゃってるのかと思うほど老けて見えたのにびっくり。その分、ジェシカが綺麗に見えたんですが、これは意図したものだったんでしょうか?

ケイシーのいっちゃったぶりは、上手いと言うより、他の役がらもできるの??って、ちょっと思っちゃいます。


>興行収入がまったく回収されてない
別の意味からとても残念。。。
最近、ほとんど売れてない脇キャラのファンなもんで。
返信する
ジェシカさんの意見が通ってしまって (ituka)
2011-07-02 14:29:01
mariyonさん、こんにちは。

ジェシカってこの映画の娼婦役を買って出たらしいですよ。
娼婦役に決まっていたケイトが自ら引いたと、どこかで読んだ記憶が有りますが定かではないです^^;
すべてに尽くしてくれる恋人にもかかわらず、あんなことを平然としてしまうケイシーの狂気が
相手がふくよかなケイトだったから、余計にそう感じさせたのかもしれませんね。
非の打ちどころのない年上の恋人の唯一の欠点が年上だからって、そりゃ~あんまりですよね。

ケイシーの俳優人生はこれで決まりでしょう。
いずれ、固定キャラに対し、苦悩が待っているのかな^^;

>最近、ほとんど売れてない脇キャラのファンなもんで。

実は、ワタシも密かに復活を期待してる女優さんがいるんですが
アシュレイ・ジャッドに愛の手を~ってところです^^

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