評価★★★★【4点】(10)
作曲家として今後200年以上語り継がれていく。
◆
「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督が、
2020年7月に91歳でこの世を去った
映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネを偲びつつ、
その偉大な足跡を辿る音楽ドキュメンタリー。
長年親交のあったトルナトーレ監督が晩年のモリコーネに
5年以上にわたる密着取材を敢行し、
本人の口から明かされる葛藤と栄光の音楽人生を振り返っていくとともに、
クリント・イーストウッド、クエンティン・タランティーノ、
ベルナルド・ベルトルッチはじめ総勢70人を超える著名人の
インタビューを通してその功績と創作の秘密を明らかにしていく。
<allcinema>
◆
おそらく、それまでの功績から考えてベートーベンやモーツァルト
バッハやシューベルトらと同等に数世紀後にかけ名作曲家として
その名を世界に轟かせているのではないかというのが
関係者たちの大方の見解だが、これにはワタシも激しく同感である。
音楽関連の教材として使われる日が来るのかもしれない。
彼の類まれな才能は音楽学校の同級生で幼馴染みの
セルジオ・レオーネとの偶然の再会が切っ掛けとなっている。
当初、「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」の曲よりも
「続・夕陽のガンマン」で作った劇中曲がご本人も好きだったよう。
うんうん分かりますとも!「黄金のエクスタシー」~!!!
冒頭から1時間ほどエンニオの幼少期から青年期を貴重なフィルムと
インタビューで語られ、その中には父親の影響で管楽器奏者として
音楽の道を歩んでいくはずであったが、途中で差別や貧困といった
生活に我慢できなくなり、ローマ音楽院のゴッフレド・ペトラッシを
師と仰ぎ彼から作曲技法を学びそこから天才が育まれていく。
後に、エンニオの音楽に対し新古典主義から逸脱している理由で
師であったペトラッシとの関係に確執が生じてしまうが、結局は
ペトラッシ自身の音楽がエンニオの楽曲に寄っていくという
このなんとも皮肉めいた展開に師弟関係はもちろん修復。
ハリウッドに於いても頑なに賞レースから無視していたにもかかわらず
エンニオに対する過去への懺悔を込めアカデミー名誉賞という
破格な賞を贈呈するオチとなる。
この時のプレゼンターがクリント・イーストウッドであった。
◆
【今週のツッコミ】
・『ヘイトフル・エイト』でタランティーノは本音が言えなかったらしい。
「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」のようなスコアを期待したが
出来上がってきたのは、ソフトな交響曲…。彼が偉大過ぎてソコ言えない!
でも、これエンニオ初の作曲家としてオスカー像頂きました。
・ちなみにワタシも1966年当時のマカロニ全盛期の曲を切望していた。
他のインタビュアーも同じこと言ってました。
・インタビューの中には過去の楽曲の『シシリアン』『死刑台のメロディ』
これらの曲作りの裏話が名シーンとともに語られるのが興味深かった。
アラン・ドロン、ジャン・マリア・ボロンテの若かりし頃カッコいいぞ!
・『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のジェニファー・コネリー
14歳の可憐な姿が微笑ましい。
・当時の女性ソリストのレコーディング風景は貴重。
・現代の映画音楽作曲家ハンス・ジマーも多大な影響を受けている。
・年間最大で20本の映画を作曲していて流石にこれには根を上げたらしい。
・『殺人捜査』では監督が複数の作曲家に音楽を依頼しシーンを再現。
同じシーンが曲によってまったくの別物に変化してしまうのが驚き。
エンニオの音楽が採用されました。
・『死刑台のメロディ』の劇中曲「勝利への讃歌」は
アーティストのジョーン・バエズに作詞を依頼していた。
彼女の生歌後にオーケストラの演奏を入れ込む手法を取ったらしい。
・エンニオ・モリコーネの名曲として『続・夕陽のガンマン』劇中曲
「黄金のエクスタシー」や『夕陽のギャングたち』『復讐のガンマン』
『アンタッチャブル』etc…。数え上げたらきりがないわ。
---------------------------------------------------------------------------------
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
音楽:ーー
出演:エンニオ・モリコーネ 、クリント・イーストウッド、クエンティン・タランティーノ
『モリコーネ 映画が恋した音楽家』
作曲家として今後200年以上語り継がれていく。
◆
「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督が、
2020年7月に91歳でこの世を去った
映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネを偲びつつ、
その偉大な足跡を辿る音楽ドキュメンタリー。
長年親交のあったトルナトーレ監督が晩年のモリコーネに
5年以上にわたる密着取材を敢行し、
本人の口から明かされる葛藤と栄光の音楽人生を振り返っていくとともに、
クリント・イーストウッド、クエンティン・タランティーノ、
ベルナルド・ベルトルッチはじめ総勢70人を超える著名人の
インタビューを通してその功績と創作の秘密を明らかにしていく。
<allcinema>
◆
おそらく、それまでの功績から考えてベートーベンやモーツァルト
バッハやシューベルトらと同等に数世紀後にかけ名作曲家として
その名を世界に轟かせているのではないかというのが
関係者たちの大方の見解だが、これにはワタシも激しく同感である。
音楽関連の教材として使われる日が来るのかもしれない。
彼の類まれな才能は音楽学校の同級生で幼馴染みの
セルジオ・レオーネとの偶然の再会が切っ掛けとなっている。
当初、「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」の曲よりも
「続・夕陽のガンマン」で作った劇中曲がご本人も好きだったよう。
うんうん分かりますとも!「黄金のエクスタシー」~!!!
冒頭から1時間ほどエンニオの幼少期から青年期を貴重なフィルムと
インタビューで語られ、その中には父親の影響で管楽器奏者として
音楽の道を歩んでいくはずであったが、途中で差別や貧困といった
生活に我慢できなくなり、ローマ音楽院のゴッフレド・ペトラッシを
師と仰ぎ彼から作曲技法を学びそこから天才が育まれていく。
後に、エンニオの音楽に対し新古典主義から逸脱している理由で
師であったペトラッシとの関係に確執が生じてしまうが、結局は
ペトラッシ自身の音楽がエンニオの楽曲に寄っていくという
このなんとも皮肉めいた展開に師弟関係はもちろん修復。
ハリウッドに於いても頑なに賞レースから無視していたにもかかわらず
エンニオに対する過去への懺悔を込めアカデミー名誉賞という
破格な賞を贈呈するオチとなる。
この時のプレゼンターがクリント・イーストウッドであった。
◆
【今週のツッコミ】
・『ヘイトフル・エイト』でタランティーノは本音が言えなかったらしい。
「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」のようなスコアを期待したが
出来上がってきたのは、ソフトな交響曲…。彼が偉大過ぎてソコ言えない!
でも、これエンニオ初の作曲家としてオスカー像頂きました。
・ちなみにワタシも1966年当時のマカロニ全盛期の曲を切望していた。
他のインタビュアーも同じこと言ってました。
・インタビューの中には過去の楽曲の『シシリアン』『死刑台のメロディ』
これらの曲作りの裏話が名シーンとともに語られるのが興味深かった。
アラン・ドロン、ジャン・マリア・ボロンテの若かりし頃カッコいいぞ!
・『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のジェニファー・コネリー
14歳の可憐な姿が微笑ましい。
・当時の女性ソリストのレコーディング風景は貴重。
・現代の映画音楽作曲家ハンス・ジマーも多大な影響を受けている。
・年間最大で20本の映画を作曲していて流石にこれには根を上げたらしい。
・『殺人捜査』では監督が複数の作曲家に音楽を依頼しシーンを再現。
同じシーンが曲によってまったくの別物に変化してしまうのが驚き。
エンニオの音楽が採用されました。
・『死刑台のメロディ』の劇中曲「勝利への讃歌」は
アーティストのジョーン・バエズに作詞を依頼していた。
彼女の生歌後にオーケストラの演奏を入れ込む手法を取ったらしい。
・エンニオ・モリコーネの名曲として『続・夕陽のガンマン』劇中曲
「黄金のエクスタシー」や『夕陽のギャングたち』『復讐のガンマン』
『アンタッチャブル』etc…。数え上げたらきりがないわ。
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監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
音楽:ーー
出演:エンニオ・モリコーネ 、クリント・イーストウッド、クエンティン・タランティーノ
『モリコーネ 映画が恋した音楽家』
itukaさんのツッコミでの「ヘイトフルエイト」の逸話とか、面白い!ありがとうございます。
これ、ジュゼッペ・トルナトーレが監督だったのが私には良かったです。
実際の所、古い西部劇の作品をリアルで鑑賞していないので、「ニューシネマパラダイス」でぽろぽろ泣くクチなんで。
その頃は東宝の怪獣映画にハマりまくっていた記憶があります。
マカロニにシフトしたのはアウトロー的なテーマ音楽にツボってからなんです。ドラマ観てないのにサントラばかり聴きまくってました。
結局、まともに映画観たのは社会人になってからでした(←遅)
>「ニューシネマパラダイス」でぽろぽろ泣くクチなんで。
なるほど、「バビロン」も似たようなスタイルなのでハンカチのご用意を~。