評価:★★★★【4点】
地方自治体によって差はあれど、ニューカッスルの福祉は酷い。
◇
イギリス北東部ニューカッスル。
59歳のダニエル・ブレイクは、長年大工として働き、
妻に先立たれた後も、一人できちんとした生活を送り、
真っ当な人生を歩んでいた。
ところがある日、心臓病を患い、医者から仕事を止められる。
仕方なく国の援助を受けるべく手続きをしようとすると、
頑迷なお役所仕事に次々と阻まれ、ひたすら右往左往するハメに。
すっかり途方に暮れてしまうダニエルだったが、
そんな時、
助けを求める若い女性に対する職員の心ない対応を目の当たりにして、
ついに彼の堪忍袋の緒が切れる。
彼女は、幼い2人の子どもを抱えたシングルマザーのケイティ。
これをきっかけに、
ケイティ親子との思いがけない交流が始まるダニエルだったが…。
<allcinema>
◇
わが日本でもダニエルと似たような経験している方は多いはず。
なんでもそうだが、初めて行う手続きほど分かりにくいものはない。
専門用語のオンパレードで役所に行く前に事前情報として
ある程度専門用語の知識を把握していないと、すべてがスムーズにいかない。
主人公は初老の男性(といってもまだ59歳で現役)でパソコンすら
触ったことがないうえに、紙の書類プラス専用サイトで登録しろと言われる。
が、それはいいとしてもマニュアル通りの会話に優しさはない。
そんな中、もうひとり助けを求めるシングルマザーに対し、
職員の冷酷な態度にダニエルが怒りの声を発するわけだ。
ここから、これが縁でシングルマザーとダニエルとの関わりが始まっていく。
さすがは世界の名匠ケン・ローチ監督である。
無駄を一切省いた演出のお陰でとても見やすくなっており
ダニエルとケイティらの絆がまるで家族同然に思えて傍からも応援したくなる。
(ってケン・ローチ作品は初めてだろ)^^;
この映画は決して他人ごとではない。
これを観た英国のお役所さんに少しでも改革の灯がともるよう願いたい。
【今週のツッコミ】
・この役所の最大の弱点は福祉系の横のつながりがまったくないところ。
就労できない理由が医者からの判断であるなら医療系とのリンクは
絶対行うべきであろう。
ダニエルが医者からの診断書を持って行ったら事態は変わっていたのかな。
・役所内で意見を主張しようとすると犯罪者扱いになる。
しかも書類審査に不利になるって、これは脅しだし酷すぎるわ。
・壁画アートの取り締まりに来たブロンド婦警さんが結構カッコよかった。
・一人親の会の役員がチョイと派手っぽいので心配したがやっぱり!か。
コンビニの警備員いい奴じゃんだったのに惜しいぞ。
・この映画観て、災害時は食料以外にもとても重要な、あるモノが
必要であることが判明した(男は関係ないけどね)
・ラスト、ケイティが読み上げるダニエル直筆の履歴書が痛快である。
例の職員も、あの時これを見て唖然としてたんだね(笑)
---------------------------------------------------------------------
監督:ケン・ローチ
脚本:ポール・ラヴァーティ
音楽:ジョージ・フェントン
出演:デイヴ・ジョーンズ/ヘイリー・スクワイアーズ/ディラン・フィリップ・マキアナン
『わたしはダニエル・ブレイク』
地方自治体によって差はあれど、ニューカッスルの福祉は酷い。
◇
イギリス北東部ニューカッスル。
59歳のダニエル・ブレイクは、長年大工として働き、
妻に先立たれた後も、一人できちんとした生活を送り、
真っ当な人生を歩んでいた。
ところがある日、心臓病を患い、医者から仕事を止められる。
仕方なく国の援助を受けるべく手続きをしようとすると、
頑迷なお役所仕事に次々と阻まれ、ひたすら右往左往するハメに。
すっかり途方に暮れてしまうダニエルだったが、
そんな時、
助けを求める若い女性に対する職員の心ない対応を目の当たりにして、
ついに彼の堪忍袋の緒が切れる。
彼女は、幼い2人の子どもを抱えたシングルマザーのケイティ。
これをきっかけに、
ケイティ親子との思いがけない交流が始まるダニエルだったが…。
<allcinema>
◇
わが日本でもダニエルと似たような経験している方は多いはず。
なんでもそうだが、初めて行う手続きほど分かりにくいものはない。
専門用語のオンパレードで役所に行く前に事前情報として
ある程度専門用語の知識を把握していないと、すべてがスムーズにいかない。
主人公は初老の男性(といってもまだ59歳で現役)でパソコンすら
触ったことがないうえに、紙の書類プラス専用サイトで登録しろと言われる。
が、それはいいとしてもマニュアル通りの会話に優しさはない。
そんな中、もうひとり助けを求めるシングルマザーに対し、
職員の冷酷な態度にダニエルが怒りの声を発するわけだ。
ここから、これが縁でシングルマザーとダニエルとの関わりが始まっていく。
さすがは世界の名匠ケン・ローチ監督である。
無駄を一切省いた演出のお陰でとても見やすくなっており
ダニエルとケイティらの絆がまるで家族同然に思えて傍からも応援したくなる。
(ってケン・ローチ作品は初めてだろ)^^;
この映画は決して他人ごとではない。
これを観た英国のお役所さんに少しでも改革の灯がともるよう願いたい。
【今週のツッコミ】
・この役所の最大の弱点は福祉系の横のつながりがまったくないところ。
就労できない理由が医者からの判断であるなら医療系とのリンクは
絶対行うべきであろう。
ダニエルが医者からの診断書を持って行ったら事態は変わっていたのかな。
・役所内で意見を主張しようとすると犯罪者扱いになる。
しかも書類審査に不利になるって、これは脅しだし酷すぎるわ。
・壁画アートの取り締まりに来たブロンド婦警さんが結構カッコよかった。
・一人親の会の役員がチョイと派手っぽいので心配したがやっぱり!か。
コンビニの警備員いい奴じゃんだったのに惜しいぞ。
・この映画観て、災害時は食料以外にもとても重要な、あるモノが
必要であることが判明した(男は関係ないけどね)
・ラスト、ケイティが読み上げるダニエル直筆の履歴書が痛快である。
例の職員も、あの時これを見て唖然としてたんだね(笑)
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監督:ケン・ローチ
脚本:ポール・ラヴァーティ
音楽:ジョージ・フェントン
出演:デイヴ・ジョーンズ/ヘイリー・スクワイアーズ/ディラン・フィリップ・マキアナン
『わたしはダニエル・ブレイク』
itukaさんの【今週のツッコミ】...
映画の記憶が飛んでしまって、突っ込めないのが実に残念です。
ラスト、教会でケイティが読んだのはダニエル直筆の履歴書...ちょっと思い出しましたが、あのシーンは感動的でナイスでした。
壁画アートのシーンは最高でしたね!
>福祉系の横のつながりがまったくない...あれは本当にヒドかったです。
評判がいいのではと思っていました。
margotさんがご覧になってから2か月ですもんね。
そこのところ、ワタシも同じで、よ~く分かりますとも(笑)
英国の貧困層の理不尽な扱いは、ホント弱者いじめでした。
ラスト、教会でのシーンで親族のいないダニエルの最期を看取ったのが
ケイティと言うのも、もはやひとつの家族でしたね^^
ケン・ローチ監督が「社会派」と言われる所以の作品でしたね。
役所はWEB登録など最新アイテムを使っているのに、対応する人間と対応方法が旧体然としている所が全くもってダメダメなのだと思います。
ワタシ、今回が監督映画のはじめての体験だったので
それまでの作品が気になってます。
地元の市役所も最近リニューアルして、まるでホテルのようですが
すべてデジタル化されて便利なのはいいけど一人暮らしの高齢者にとっては
まさにダニエル状態になるのではと思いました。