![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/b9/f607adffc60e57b38351224792b37671.jpg)
評価:★★★★★[5/5]
『羊たちの沈黙』に匹敵する緊張感を味わえる。
緻密に練られた脚本と、途切れさせない緊張感は
黄金期の黒澤映画と堂々渡り合えるほどの作品だと思う。
これは、世界の巨匠、黒澤監督も絶賛するような気がする。
連続猟奇殺人という実在事件をベースにした
緊迫感全開のクライム・サスペンスがお隣、韓国から発信された。
◇
元刑事ジュンホ(キム・ユンソク)の経営する
デリヘルの女たちが相次いで失踪する。
そんななか、子持ちのミジン(ソ・ヨンヒ)までも
派遣先で連絡を絶つ。
状況から、ジュンホは彼女が事件に巻き込まれたことを
察知し、ミジンを呼び出した客の電話番号と
消えた女たちが最後に通話した番号が一致することに気づく。
そしてミジンを探すうち、ヨンミン(ハ・ジュンウ)という
怪しい男に遭遇、彼を捕まえ警察の手に渡すのだが・・
男は「女たちは俺が殺した」と淡々と告白する。
だが、自供のみで何一つ物的証拠はない。
そして、右往左往する刑事たちに、ヨンミンは
ミジンがまだ生きていることを仄めかす。
ヨンミンの拘束期間は、わずか12時間。
刑事たちが物証=死体を探すことに躍起になるなか
ひとりジュンホだけは、まだ生きているはずのミジンを
必死に探しまわる。
そして、証拠があがらぬまま、連続殺人鬼が世に放たれた。
ヨンミンの行く場所に必ずミジンがいる。
ヨンミンVSジュンホの決死の追撃戦がはじまった。
<公式サイト>
◇
上映時間125分間の中に於いて
数秒たりとも無駄なシーンが存在しないのが凄い。
風俗店経営(デリヘル斡旋)で生計を立てている男は
元刑事という肩書だが、やってることはヤクザと変わらない。
しかし、デリヘル嬢の相次ぐ失踪で店の経営自体も
危なくなってきている。そこで必要に迫られての
デリヘル嬢探しであった。
この辺りは、元刑事という捜査のプロという頼りがいのある
キャラに設定されているところから、ジュンホの行動は
まさしく刑事がするであろう手段と同じであった。
また、今でも、ひとりの先輩刑事とは連絡を取り合っており
いざとなった場合、直通で先輩刑事に電話で話せるところが
ジュンホにとっても強い後ろ盾であった。
◇
脚本が実に良く出来ている。序盤で3人目のデリヘル嬢が
失踪していくところから、私たちはこの事件の目撃者となり
そこで繰り広げられる、犯人の鬼畜ともいえる異常性を、
否が応でも見せつけられるのだ。
カビ臭が漂う浴槽の排水溝に残された前人のものと思われる
頭部の皮と髪の毛、シャワーの金具に細工された
錆びたSの字フックや、ノミやハンマーやノコギリ・・・。
この辺りは、ハリウッド映画でよく見る映像ではあるが
何故か本作では、不思議なほどに異様な雰囲気を醸し出している。
これは臭いが伝わってくるという表現でいいのかもしれない。
柳の葉っぱのように切っても切っても切れないという
ひとを食ったような犯人の態度に対し、物証がまったく掴めない
警察組織の焦りが、拘束期間、12時間というプレッシャーに
よって徐々に追い詰められていく。
前半で意外にも犯人は、あっけなく警察に連行されるのに
何時まで経っても物証を見つけられない警察。
そしてそれらを差し置き、ジュンホは独自に女を探し回るが
次第に、犯人の釈放の時間は迫って来るのだった。
署内に飛び込んできたジュンホは、怒りの制御が利かず
犯人をボコボコに殴りつけるが、署員に逮捕される。
そして、遂に犯人は釈放されてしまう・・・。
とにかく、この映画のパワーを感じるのは
時間との戦いという、圧倒的な緊張感と
3人目の女の残した、幼い娘を連れての捜索は
どことなく『レオン』をイメージするのである。
母の安否に動揺しながらも、気丈に振る舞う健気な娘と
ジュンホの掛け合いはレオンとマチルダそのものだと思う。
アウトローな主人公が、少女を抱えたことで
是が非でも、この子の母を探し出すという心境の変化。
それが画面を通してヒシヒシと伝わってくる。
みんな一生懸命に頑張った!
主人公は走って走って走りまくった。
◇
こんなに緻密にして大胆な脚本を、たったひとりで書き上げ
監督も兼任したナ・ホンジンには、今後、要注目していきたい。
これは、是非とも映画館で観ることをお薦めします。
『レオン』に感動した方。あるいは『羊たちの沈黙』の
恐怖感をもういちど味わいたい方に。
この映画はカンヌ国際映画祭から世界へと伝わっていき
イギリスの大衆紙「THE SUN」は今年観るべき映画10本に選出。
そして、激しい争奪戦の末、レオナルド・ディカプリオ&
ワーナー・ブラザーズがリメイク権を獲得したそうです。
------------------------------------------------------
監督:ナ・ホンジン
脚本:ナ・ホンジン
撮影:イ・スンジェ
音楽:キム・ジュンソク/チェ・ヨンラク
出演:キム・ユンソク/ハ・ジョンウ/ソ・ヨンヒ/
『チェイサー』
『羊たちの沈黙』に匹敵する緊張感を味わえる。
緻密に練られた脚本と、途切れさせない緊張感は
黄金期の黒澤映画と堂々渡り合えるほどの作品だと思う。
これは、世界の巨匠、黒澤監督も絶賛するような気がする。
連続猟奇殺人という実在事件をベースにした
緊迫感全開のクライム・サスペンスがお隣、韓国から発信された。
◇
元刑事ジュンホ(キム・ユンソク)の経営する
デリヘルの女たちが相次いで失踪する。
そんななか、子持ちのミジン(ソ・ヨンヒ)までも
派遣先で連絡を絶つ。
状況から、ジュンホは彼女が事件に巻き込まれたことを
察知し、ミジンを呼び出した客の電話番号と
消えた女たちが最後に通話した番号が一致することに気づく。
そしてミジンを探すうち、ヨンミン(ハ・ジュンウ)という
怪しい男に遭遇、彼を捕まえ警察の手に渡すのだが・・
男は「女たちは俺が殺した」と淡々と告白する。
だが、自供のみで何一つ物的証拠はない。
そして、右往左往する刑事たちに、ヨンミンは
ミジンがまだ生きていることを仄めかす。
ヨンミンの拘束期間は、わずか12時間。
刑事たちが物証=死体を探すことに躍起になるなか
ひとりジュンホだけは、まだ生きているはずのミジンを
必死に探しまわる。
そして、証拠があがらぬまま、連続殺人鬼が世に放たれた。
ヨンミンの行く場所に必ずミジンがいる。
ヨンミンVSジュンホの決死の追撃戦がはじまった。
<公式サイト>
◇
上映時間125分間の中に於いて
数秒たりとも無駄なシーンが存在しないのが凄い。
風俗店経営(デリヘル斡旋)で生計を立てている男は
元刑事という肩書だが、やってることはヤクザと変わらない。
しかし、デリヘル嬢の相次ぐ失踪で店の経営自体も
危なくなってきている。そこで必要に迫られての
デリヘル嬢探しであった。
この辺りは、元刑事という捜査のプロという頼りがいのある
キャラに設定されているところから、ジュンホの行動は
まさしく刑事がするであろう手段と同じであった。
また、今でも、ひとりの先輩刑事とは連絡を取り合っており
いざとなった場合、直通で先輩刑事に電話で話せるところが
ジュンホにとっても強い後ろ盾であった。
◇
脚本が実に良く出来ている。序盤で3人目のデリヘル嬢が
失踪していくところから、私たちはこの事件の目撃者となり
そこで繰り広げられる、犯人の鬼畜ともいえる異常性を、
否が応でも見せつけられるのだ。
カビ臭が漂う浴槽の排水溝に残された前人のものと思われる
頭部の皮と髪の毛、シャワーの金具に細工された
錆びたSの字フックや、ノミやハンマーやノコギリ・・・。
この辺りは、ハリウッド映画でよく見る映像ではあるが
何故か本作では、不思議なほどに異様な雰囲気を醸し出している。
これは臭いが伝わってくるという表現でいいのかもしれない。
柳の葉っぱのように切っても切っても切れないという
ひとを食ったような犯人の態度に対し、物証がまったく掴めない
警察組織の焦りが、拘束期間、12時間というプレッシャーに
よって徐々に追い詰められていく。
前半で意外にも犯人は、あっけなく警察に連行されるのに
何時まで経っても物証を見つけられない警察。
そしてそれらを差し置き、ジュンホは独自に女を探し回るが
次第に、犯人の釈放の時間は迫って来るのだった。
署内に飛び込んできたジュンホは、怒りの制御が利かず
犯人をボコボコに殴りつけるが、署員に逮捕される。
そして、遂に犯人は釈放されてしまう・・・。
とにかく、この映画のパワーを感じるのは
時間との戦いという、圧倒的な緊張感と
3人目の女の残した、幼い娘を連れての捜索は
どことなく『レオン』をイメージするのである。
母の安否に動揺しながらも、気丈に振る舞う健気な娘と
ジュンホの掛け合いはレオンとマチルダそのものだと思う。
アウトローな主人公が、少女を抱えたことで
是が非でも、この子の母を探し出すという心境の変化。
それが画面を通してヒシヒシと伝わってくる。
みんな一生懸命に頑張った!
主人公は走って走って走りまくった。
◇
こんなに緻密にして大胆な脚本を、たったひとりで書き上げ
監督も兼任したナ・ホンジンには、今後、要注目していきたい。
これは、是非とも映画館で観ることをお薦めします。
『レオン』に感動した方。あるいは『羊たちの沈黙』の
恐怖感をもういちど味わいたい方に。
この映画はカンヌ国際映画祭から世界へと伝わっていき
イギリスの大衆紙「THE SUN」は今年観るべき映画10本に選出。
そして、激しい争奪戦の末、レオナルド・ディカプリオ&
ワーナー・ブラザーズがリメイク権を獲得したそうです。
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監督:ナ・ホンジン
脚本:ナ・ホンジン
撮影:イ・スンジェ
音楽:キム・ジュンソク/チェ・ヨンラク
出演:キム・ユンソク/ハ・ジョンウ/ソ・ヨンヒ/
『チェイサー』
あ、でも、緊迫感溢れてそうで、イイですね☆
※たはには「ボリウッドリメイク」って響きをききたい(=^_^=)
欲しい玩具を見つけて、駄々を捏ねてる子供が
レオナルドで親がワーナーというイメージが面白いです。
監督はスコセッシでも良いかと思います^^
レオナルドが犯人役というのは決定してるようです(笑)
リメイクによってオリジナルよりも良くなった映画って
殆んどないですからね。
だから皆さん「またかよ!」って感じになってしまうんでしょう。
犯人のひと、ボコボコに殴られ、腫らしたお顔は
試合に負けた桜庭選手にそっくりでした^^;
私もとっても凄いと圧倒された作品だったのでTBはとても嬉しかったです。
ところがこちらかは2度トライしましたが未送信になってしまいとても残念です。
いやぁ~ほんと迫力というか緊迫感というか、上映時間の間ずっとスクリーンに釘付けでしたよね!
しかも新人監督でありながらも、このセンスの良さ!
脱帽です。
久しぶりに韓国映画の底ヂカラを見せ付けられました。
TBの件、なんででしょうね~
普段は韓国映画なんて観ないんですが
巷の評価がやたら高かったので観て来ました。
いや~!ほんとに良かったです。
裏路地で高級車同士が出合い頭にぶつかったところからの展開が
まったくもって理に適ってて素晴らしかった^^
この作品から粗を探すことはできませんでした。
それくらい完成された作品だったということでしょうね^^
犯人の恐ろしさを殺害した人数を9人から12人に、しれっと訂正するシーンで表現するのも本当に見事でした。
できればこういう映画はヘタにリメイクしないでほしいですよ。
あの犯人ですが、手錠をされてるのに
女刑事と部屋に二人っきりになったところなんてハラハラしっぱなしでした^^
また、精神科医とのシーンで表情が一変したところは息が止まりそうでした^^;
そうそう、無表情で人数が12人とか訂正してましたよね^^
久しぶりに見ましたよ。こんなに怖い男は^^
この男、ハンニバル・レクターと互角の勝負ができるような気がします^^
韓国映画には、トンと疎いワタシですがこの映画には衝撃を受けましたよ^^
こういう映画を見せつけられると
、今後は韓国映画に注目して行かなければいけないなと思いましたよ。
今回の追う男、追われる男ともにリアルで素晴らしいのひと言でした^^
ハリウッドでリメイクされるようですが
オリジナルを超えるとは到底思えません^^;
ワタシは、全く違う場所の扉が、同じキーで容易く開くトコロに、劇中で一番ビックリしました(=^_^=)
ヨンミンさん、初期の頃のジャッキーもちと入ってましたね!?
(ポスターではカッコいい眼(?)なのに、顔全体ではあんまりカッコ良くなかったですわ)
>デ※ヘルって楽しそうですね・・っておいおい!(嘘ですよ)
チョットだけ本気ですよね・・(笑)うそです^^
>ワタシは、全く違う場所の扉が、同じキーで容易く開くトコロに、劇中で一番ビックリしました(=^_^=)
あの助手の苦労も計り知れませんよね。
見た目と違って、結構、真面目クンでしたね。
でも、あのキーの説明はなかったですね。
>ヨンミンさん、初期の頃のジャッキーもちと入ってましたね!?
『酔拳』辺りでしょうか^^
>(ポスターではカッコいい眼(?)なのに、顔全体ではあんまりカッコ良くなかったですわ)
あのポスターはどう見ても別人みたいですよね。
痩せた桜庭選手がいちばんシックリきます。