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妻への家路

2015年08月09日 16時36分45秒 | 映画 た行
評価:★★★☆【3,5点】




中国版『きみに読む物語』として元気なうちに記憶しておこう(え?)



反党的な知識人を右派分子として弾圧する反右派闘争によって
強制労働送りとなった夫ルー・イエンシー。
そんな夫を待ち続ける妻フォン・ワンイー。
一方、バレエに情熱を燃やす中学生の娘タンタンは、
幼いときに生き別れた父に対してそれほどの思い入れは持っていない。
そんな中、ワンイーとの再会を切望し脱走したイエンシーだったが、
その願いもむなしく彼はワンイーの目の前で、
待ち伏せしていた警官隊に再び拘束されてしまう。
3年後の1977年、文化大革命は終結し、
名誉回復されたイエンシーが20年ぶりに帰宅する。
ところがワンイーは、イエンシーを夫と認識できなかった。
長きにわたる心労のあまり、夫の顔だけが記憶から抜け落ちてしまっていたのだ。
それでも夫への深い愛情は変わらず、彼の手紙と帰宅をひたすら待ちわびるワンイー。
そんな記憶障害の妻に、親切な隣人として寄り添い、
自分を思い出してもらおうと懸命に奮闘するイエンシーだったが…。
<allcinema>



正統派の良作だと思いますが、終盤にかけては
夫が懸命になればなるほど彼を拒否する妻の態度が一辺倒なため
若干、中だるみ状態になってしまったワタシ^^;

意図的にボカしてしまった妻の記憶障害の理由付け。
夫を待ち続ける心労と歩道橋でのアクシデントによる脳への衝撃が
ダブルパンチとなり後にとても残酷な病例として彼女にのしかかる。
しかし、本当に辛かったのは夫のイエンシーの方であり
その一部始終を見ていた娘のタンタンなのである。

最後までハッピーエンドな展開はないのだが
それでも、こういう生き方を敢えて選んだ夫の決断には
心底憧れるし、そういう優しい人間にならなければと考えてしまった。


【今週のツッコミ】
・手を変え品を変え、いろいろ試す夫の行動に
 もしもシリーズの爆笑ネタに通じるものがあった^^;

・また、ある意味、10数年かけてオーディションに滑り続けた
 ひとりの男の執念を描く根性ドラマと言っていい(おい)

・実は記憶障害を装っていたというネタだったら
 イッキにミステリー・ホラーになっていたことだろう(笑)
 ワタシ的にはそういうのが好みかも。

・娘のタンタンが物語が進むにつれ素晴らしい演技を披露する。

・劇中に流れる挿入音楽の素晴らしさに息を呑んだ。
 サウンドトラックとして手元に置いておきたい衝動に^^
 
・そもそも、舞台設定の文化大革命って何?ってことで
 中国内で起こった中国共産党の権力闘争による社会的騒乱のこと。
 1965~1977まで。(wiki調べ)
 知識人が弾圧され強制労働に追いやられるなどして
 本作の夫のイエンシーも右派分子と認識され連行されていた。
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監督:チャン・イーモウ
脚本:ヅォウ・ジンジー
音楽:チェン・キーガン

出演:チェン・ダオミン/コン・リー/チャン・ホエウェン


『妻への家路』

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2 コメント

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またもやニアミス? (ami)
2015-08-12 13:11:50
ひょっとして9日の10時の回でした?
その時間、私は隣でフェリーニ。
で、その後こちら、でした(笑)

私はこの作品、かなりぐっときてしまいました。
文化大革命ものとしては派手な描写もなく淡々としていますが、
それがかえって権力の恐ろしさを感じさせてくれました。
返信する
amiさんへ (ituka)
2015-08-12 14:19:52
なんと!9日の10時の回でこの作品を観てたんですよ(笑)
その後、即行で実家の婆やのところにGO!でした(笑)
ちなみに15分前に日劇について開映5分前までロビーにいたんですけど
amiさんはいったい何処にいたんですか?(爆)

フェリーニ作品は本日の16時の回に行くつもり^^

文化大革命があったこと自体知らなくて、こういう知識が得られるから
映画って楽しんですよね。
返信する

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