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映画でシミュレーションしておけば何処かで役立つはず

ミスト

2008年05月12日 19時37分15秒 | 映画 ま行
評価★★★★



ラスト15分!衝撃的な映像にしばらく席を立てなかった。


これは
『シックスセンス』『アザーズ』に匹敵するショックを受けた。

だが、それらとは違う未曾有のラストが待っていた。
微かに途切れた霧の向こうに見えたものは・・・。

ショックだった!

主人公が半狂乱に泣き叫ぶ光景は誰もがそうなるであろう。

劇中の閉鎖感はスティーブン・キングの出身である
メイン州が舞台であるためにそう感じさせるのか
小さな町で起こった不思議な現象に
町の唯一の繁華街である小さなスーパーマーケットでの密室劇が
それぞれの人間模様を浮き彫りにさせる。

こういう異常な状況下に於いて、ひとは何かに縋ろうとする。
その中のひとりに旧約聖書の教えを
まるで狂言回しのように喋り出す女の存在が恐怖を増幅させる。
骨董屋の女店主マーシャ・ゲイ・ハーデンの鬼気迫る演技が秀逸だ。

深い霧の中、ひとびとはココで待つのか救援を求めて
外に出て行くのかで対立を始める。

本作は、脚本は良いのだが映像の見せ方が余りにもショボく
これで低予算B級サスペンス映画となってしまうところが惜しい。
スーパーマーケットのシャッターの隙間から見えた“それ”は
十数年前のCGレベルじゃないの?と思うほど安っぽい。
『アナコンダ』のレベルと同等でしたね。

撮影期間も僅か6週間という驚きの短さだったようです。

主人公のトーマス・ジェーンの演技は
どうにも、アクション俳優独特の大根演技で感情移入ができない。
等身大のイチ庶民を演じるにはミスキャストではなかったのか。
映画『パニッシャー』での超人的活躍をするわけでもなく
地味な主人公を淡々と演じていました。

テレビ的といえば、本作の映像の見せ方もモロテレビ的だった。
15分に1回は画面が途切れてCMでも放映するのかというくらい
各ショットの切り替わりがテレビドラマ的。

だが、しかしこの映画の雰囲気は好きですね。
どこか『サイレントヒル』っぽくてこの世界観は好みです。


ココから微妙にネタバレ注意!!!


対立する人々から逃げるように
満を持してスーパーマーケットから飛び出した主人公たち
8人乗りのSUVワゴンのガソリンが続く限り遠くへ逃げようと決めた。
この霧がいつか途切れることを願いながら・・・。

途中で見た、巨大生物に絶望感が支配する。

彼らの取った行動は賛否両論あるでしょう。
結果よければ全てよしという考えからいけば
彼らの行動はタイミングが早すぎたことによる大失敗となるのか。

ラストの映像は恐ろしいまでの不条理さで押しつぶされそうになる。
この込み上げてくる怒りとも取れる感情はどこへぶつければいいのか。


おまけ)
主人公の職業は映画のポスターを手描きするアートデザイナーらしい
未だに手描きのポスターだなんて、彼らの住む町が片田舎なんだと思わせる。
因みに、冒頭に出てくるあのポスターはいったい?
『暁の用心棒』(1967)のトニー・アンソニーっぽいが・・・。

ヒッチコックの『鳥』には遠く及ばないにしろ
もういちど、予算と期間をしっかり取って撮影し直して欲しいのが本音。
ラスト15分が余りにも衝撃的であったため全体のバランスから見て
非常に勿体ないというのが正直なところ。

主人公たちのグループと最後まで付いて行く事になったアマンダ。
『サイレントヒル』でタフな女性白バイ警官を演じていましたが
今回は学校の教諭ということで知的美人な印象はなかなかグッド!(笑)

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監督:フランク・ダラボン
脚本:フランク・ダラボン
撮影:ロン・シュミット
音楽:マーク・アイシャム


出演:トーマス・ジェーン/マーシャ・ゲイ・ハーデン/ローリー・ホールデン/アンドレ・ブラウアー



『ミスト』


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4 コメント

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☆うごっ!☆ (TiM3)
2008-05-13 22:56:14
本日、頑張って(⌒~⌒ι)観て参りました。

げに恐ろしきは人間なり、、

と言うのがワタシのかいつまんだ感想であります。
返信する
Unknown (翡翠)
2008-05-14 15:46:11
極限状態の中の集団心理が見事に描けていましたね。
私はあの状況を沖縄集団自決と重ねて見てしまいました。少し違いはあるものの、絶望と恐怖に陥った人間は自ら死を選んでしまうかもしれない、という気がしました。命令があっても従わず死なない人は死なないし、命令がなくても死ぬ人は死ぬだろうと思うのです。まあ、それにしてもかなり後味の悪い映画でした。さすがステイーブン・キングだなあ、もっとも
このラストは原作とは違うと言う事ですが。
返信する
TiMさん (ituka)
2008-05-14 17:32:00
こんにちは

鑑賞してきたのですね。
人って文化の違いはあれど何処の国も本質的には
まったく同じだなと思いました。

極限状態になったときのシミュレーションとして
本作は、なかなかのヒントを与えてくれた映画だと思ったところです^^
返信する
翡翠さん (ituka)
2008-05-14 17:57:23
はじめまして、どうもです。

沖縄集団自決ですか。
個人的にはそこまでの脳内リンクはなかったですよ^^

極限状況下のなかの集団心理を冷静な人間から見れば
有り得ないような滑稽な考え、行動を非難するでしょうし、本作ではそれを見事に描きこんでいましたね。

見えてこない情報のなかで不安と恐怖を少しでも
取り除いてくれるのが、強い先導者の存在。

カーモディ夫人の謳っている内容に縋ることで自分を正当化させるという
集団心理のキモがそこにありました。
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