『シネセゾン渋谷』が、2011年2月27日(日曜日)閉館しました。
ごくろうさまでした。
スクリーンがみやすくて、座り心地のいいシート。
好きな場所でした。
ありがとうございました
最後の上映は『スラムドッグ$ミリオネア』でした。
この作品は、
私の中で、好きと苦しいを感じる、不思議な映画です。
好きな部分は、
ひとりの女の子を想い続ける主人公の純愛な部分。
苦しい部分は、
インド社会の現実が描かれているところ。
ずいぶん昔に、インドに仕事に行った父から聞いたことがあったけど、
それを「映像」という形でみると、凄まじくて、
父が話していた「ことば」とリンクして、
とても、苦しかった。
貧困、暴力、詐欺、宗教的な対立や、裏社会。
その脚色がどこまでのものかわからないけれど、
かなり、滅入る部分があります。
インドの人気番組「クイズ$ミリオネア」
スラム出身のジャマール(デヴ・パテル)は、難問を次々と解いていく。
知識などないはずの彼に、問題の答えが、どうしてわかるのか…
ジャマールは、とてもとても貧しいスラムの生活で、
普通ではあじわうはずのない経験と苦労を重ねて、育っていきます。
そして、その中で、難問の答えを知る機会を得ていく。
彼が答える『答え』のひとつひとつが、
言いしれぬ苦しい思い出の中にあって、
増えていく賞金は、
彼のその「苦しみの涙や血」からできているものでした。
何度みても、キツイ
弟を支えたり、裏切ったり応援したり、
終盤の、兄サリームのシーンは、大切で複雑な切ない気持ちになりました。
最後の最後、求め続けてきた女性ラティカが電話に出るシーン、好きです。
彼女にみてもらう、見つけてもらうために、
彼女のために、
答え続けていく彼の、
ジャマールの一途さが、
今、こころに大きく、残っています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます