最近の4冊目は、
辻村深月さんの『ツナグ』です
人は必ず死ぬ。
誰かから生まれて、そして、いつかいなくなる。
もし『ツナグ』が、私の目の前にいて、
たった一度、亡くなった誰かと会わせてくれるのなら、
私はどうするのだろう。

会いに行くひと、来るひと。
それぞれが、誰かを思い、思われている。
そう、感じる本でした。




急死したアイドルに会いたいと願うOL。
「平ちゃんさぁ、謝るのって癖?」
「・・・・あんまりよくないよ。
謝っても解決しないこと世の中にはたくさんあるし、
甘ったれんな。・・・」
アイドルはかわらずに、言いました。
私は、あるタレントさんを思い出しました。
亡き母親に会うことを希望する横柄な中年男性。
本当は、聞きたかった。
生きているうちに。
俺は、正しかったのか。
会ってよかった・・・と言った男性の、
不器用な表情が、
その限られた時間の中で変わったことが、
あったかかった。
自転車事故で死んでしまった親友に会いたいと願う女子高生。
痛み、を、感じました。
突然に失踪してしまった恋人の安否を確かめたいサラリーマン。
自分の前から消えたものの重さ・・・
何にも残せなくてごめんね。
会ってしまうことで、
受け止めなくてはならないこと、
この章を読んで、
現実にも、そういうことがあるなぁと思いました。
目を瞑ったままに、していることで、
目を開かなくてはいけないこと。




「私はね、死んだ人間を呼び出して、
生きた人間に会わせることができるんだ」
「・・・・・この世に残ってるその人の欠片や記憶をいろんな場所からかき集めて・・・」
人間という動物が、こうして感情を持って、
こうして生きていることも、不思議。
だから、本当にこういうことがあっても不思議じゃないと、思えた。
失われた誰かの生は、何のためにあるのか。
どうしようもなく、そこにある、逃れられない喪失を、
自分たちはどうすればいいのか。
生きている誰もが、死んだことがない。
だから、わからないし、怖い。
だけど、本当に死んでしまっても、
心が、こんなふうに生きてるなら、
何か、大丈夫かなぁと思えました。




会いたいひとに会ったことで、
生きているひとも死んだ人も、思い残すことなくすすめるか?
この本は違います。
とくに、女子高生の章を読んで、
心の水たまりにチャポンと大きな波紋が広がりました。
痛かった同じ著者の、
『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』を思い出しました。
そして、だからこそ・・・
簡単ではない今を、私たちは生きている。と思いました。
使者が男子高校生・・・で、
そして、その理由があって・・・
じっくり味わって読めました。
素敵な1冊でした




辻村深月さんの『ツナグ』です

人は必ず死ぬ。
誰かから生まれて、そして、いつかいなくなる。
もし『ツナグ』が、私の目の前にいて、
たった一度、亡くなった誰かと会わせてくれるのなら、
私はどうするのだろう。

会いに行くひと、来るひと。
それぞれが、誰かを思い、思われている。
そう、感じる本でした。





「平ちゃんさぁ、謝るのって癖?」
「・・・・あんまりよくないよ。
謝っても解決しないこと世の中にはたくさんあるし、
甘ったれんな。・・・」
アイドルはかわらずに、言いました。
私は、あるタレントさんを思い出しました。

本当は、聞きたかった。
生きているうちに。
俺は、正しかったのか。
会ってよかった・・・と言った男性の、
不器用な表情が、
その限られた時間の中で変わったことが、
あったかかった。

痛み、を、感じました。

自分の前から消えたものの重さ・・・
何にも残せなくてごめんね。
会ってしまうことで、
受け止めなくてはならないこと、
この章を読んで、
現実にも、そういうことがあるなぁと思いました。
目を瞑ったままに、していることで、
目を開かなくてはいけないこと。




「私はね、死んだ人間を呼び出して、
生きた人間に会わせることができるんだ」
「・・・・・この世に残ってるその人の欠片や記憶をいろんな場所からかき集めて・・・」
人間という動物が、こうして感情を持って、
こうして生きていることも、不思議。
だから、本当にこういうことがあっても不思議じゃないと、思えた。
失われた誰かの生は、何のためにあるのか。
どうしようもなく、そこにある、逃れられない喪失を、
自分たちはどうすればいいのか。
生きている誰もが、死んだことがない。
だから、わからないし、怖い。
だけど、本当に死んでしまっても、
心が、こんなふうに生きてるなら、
何か、大丈夫かなぁと思えました。




会いたいひとに会ったことで、
生きているひとも死んだ人も、思い残すことなくすすめるか?
この本は違います。
とくに、女子高生の章を読んで、
心の水たまりにチャポンと大きな波紋が広がりました。
痛かった同じ著者の、
『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』を思い出しました。
そして、だからこそ・・・
簡単ではない今を、私たちは生きている。と思いました。
使者が男子高校生・・・で、
そして、その理由があって・・・

じっくり味わって読めました。
素敵な1冊でした




