「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和四年(2022)9月28日(水曜日)
通巻第7477号 <前日発行>
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一兆ドルを「一帯一路」に投下して、成果がこのざま
中国「大調整」(大長征)に舵取りを変更へ
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アジア・アフリカ、そして中南米諸国から東欧、中央アジアの旧ソ連圏へと、旋風のように巻き込んで、習近平の目玉プロジェクト「一帯一路」。これまでに中国が投下したカネは1兆ドルに達した。
成果が芳しくないのが大看板の「CPEC」(中国パキスタン経済回廊)、スリランカはハンバントタの99年租借には成功したが、反中暴動が起こって擱座した。
ほかもうまくいっていないプロジェクトを羅列すると際限がないが、ニカラグア運河は中断。インドネシアとマレーシアの新幹線は縮小するか、中断。モンテネルロの高速道路は汚職まみれとなってEUから非難を浴びた。
工事が完成したという意味で『成功』はエチオピア~ジブチ鉄道、そして雲南からラオスのビエンチャンまでの新幹線。しかし経営は赤字であり、維持すればするほどの赤字は累積されてゆく。長期的には成功だといえるか、どうか。
1兆ドルは中国の対外債権としてバランスシートには計上されるが、じったいは不良債権である。この金額は中国の米国債保有額と同じである。中国は外貨準備が3兆ドルと豪語しているが、それならなぜ外国銀行からドルを借りまくっているかの説明がつかない。不思議なのである。
中国は一帯一路を「大調整」(大長征?)に舵取りを変更すると『ウォールストリート・ジャーナル』(9月26日)が報じている。
令和四年(2022)9月28日(水曜日)
通巻第7477号 <前日発行>
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一兆ドルを「一帯一路」に投下して、成果がこのざま
中国「大調整」(大長征)に舵取りを変更へ
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アジア・アフリカ、そして中南米諸国から東欧、中央アジアの旧ソ連圏へと、旋風のように巻き込んで、習近平の目玉プロジェクト「一帯一路」。これまでに中国が投下したカネは1兆ドルに達した。
成果が芳しくないのが大看板の「CPEC」(中国パキスタン経済回廊)、スリランカはハンバントタの99年租借には成功したが、反中暴動が起こって擱座した。
ほかもうまくいっていないプロジェクトを羅列すると際限がないが、ニカラグア運河は中断。インドネシアとマレーシアの新幹線は縮小するか、中断。モンテネルロの高速道路は汚職まみれとなってEUから非難を浴びた。
工事が完成したという意味で『成功』はエチオピア~ジブチ鉄道、そして雲南からラオスのビエンチャンまでの新幹線。しかし経営は赤字であり、維持すればするほどの赤字は累積されてゆく。長期的には成功だといえるか、どうか。
1兆ドルは中国の対外債権としてバランスシートには計上されるが、じったいは不良債権である。この金額は中国の米国債保有額と同じである。中国は外貨準備が3兆ドルと豪語しているが、それならなぜ外国銀行からドルを借りまくっているかの説明がつかない。不思議なのである。
中国は一帯一路を「大調整」(大長征?)に舵取りを変更すると『ウォールストリート・ジャーナル』(9月26日)が報じている。