沖縄・台湾友の会

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 ワグネル傭兵部隊の暗躍は終わったのか。プリゴジンはベラルーシへ辿り着けたか    ロシア版ディープステートに大きな亀裂が入ったのだ

2023-06-26 14:59:39 | 日記
 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023) 6月26日(月曜日)弐
        通巻第7811号  
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■(休刊予告)小誌は明日(6月27日)から30日まで休刊です。 
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 ワグネル傭兵部隊の暗躍は終わったのか。プリゴジンはベラルーシへ辿り着けたか
   ロシア版ディープステートに大きな亀裂が入ったのだ
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 ロシア政変でわかったこと。ロシアのディープステートの本丸の組織的な結束力が脆弱であり<<クレムリン ー 軍 ─ 軍需産業 ─ 国有企業とオルガルヒ>>という既得権益の環に群がる裏の権力が一枚岩ではなかったことが露呈した。
 ロシアのディープステートはぼろぼろだったのだ。

クーデタ未遂騒ぎの二日前、6月21日からホワイトハウスはロシアの異変を掴んでいた。22日には政権幹部ならびに議会の上層部にロシアに何かが起きていると伝え箝口令を敷いたとニューヨークタイムズが情報源を秘匿して報じた。
 CIAがロシアの軍などの会話を傍聴しているからだが、その精度ならびに情報把握のレベルを相手に知られたくない。だから事態が収まってから、新聞にリークしたのだろう。

 実際にワグネル傭兵部隊が行動をおこしたのは6月23日深夜からだった。嘗て「プーチンの忠実な番犬」といわれたプリゴジンは「ロシア軍はわれわれにミサイル攻撃を加えた」とし「悪を排除し正義を回復するのだ」とSNSで発信した。
 ロシア正規軍との対決姿勢を鮮明にしたことから内戦にいたる懸念があったのだ。

 24日未明、プリゴジンはセルゲイ・ショイグ国防相やワレリー・ゲラシモフ軍参謀総長を念頭に「軍指導部という悪を排除しなければならない」などと国民に決起を呼びかけた。明らかに軍事的叛乱だった。シェイグは正規軍のトップでありゲラシモフはハイブリッド作戦をとなえてクリミア半島を傘下にいれた「ゲラシモフ・ドクトリン」の発案者である。

ワグネル軍団のボス、プリゴジンは「ロシア軍は弾丸を供給してくれない。これでは戦えない。軍首脳陣は腐っている」などと息巻いた。批判はエスカレートする一方だった。モスクワでは戦車、装甲車が移動し始めた。主要な政府ビルの防衛に当たった。
 モスクワへ進行すると宣言して、ワグネル軍団は北上しはじめ、これを「正義の行進」と自ら命名した。

 6月24日、プーチンはテレビ演説し、「1917年革命前夜だ」と喩え、「叛乱した者を処罰する。これは国家への裏切りである」と言明した。すかさずメドベージェフは「核兵器がワグネルの手に渡ると世界の終わりだ」と発言した。

一方。ウクライナならびに西側の論調は、叛乱による混沌とプーチン退場に期待して、「プーチンの終わりの始まり」と報道した。実際にワグネル傭兵部隊はロストフ州の州都のロストフナドヌーにある軍管区司令部を占拠したのだから、ロシア軍としては叛乱軍に本拠を明け渡したことになる。大失態だ。飛行場、武器庫などで戦闘があり、13名の空軍兵士が死んだとする米国の報道がある。


 ▼二・二六事件や五・一五事件と比較すると。。。

 さてワグネル傭兵部隊の残存兵力は6月23日時点で2万強だったが、負傷兵を含む。このうち5000がモスクワの手前200キロまで迫った。出動したチェチェン軍と道路を挟んだ対峙した。だが過激派同士の戦闘はおきなかった。
 ロシア側はモスクワ市内の要所に警戒態勢を敷き、進軍予定の道路にトランクを横倒しにして即席の防御壁をつくり、また道路をブルドーザやショベルで破壊し、戦車、装甲車が通過できない措置を講じた。モスクワの政府庁舎前には土嚢を積み上げ、市長は外出を控えるよう警告した。

 二・二六事件も五・一五事件も鮮明なる大義があった。参加した兵士にも国家改造、政権首脳部の排除など目的ははっきりしていたが、ワグネルの叛乱はどことなく大義が不明で胡散臭く、動機が不純、まして土壇場で叛乱指導者の海外逃亡を黙認するなど、どちらにも美意識がない。
 一般的に反乱軍の定石は目標を掲げ、国民の理解と同情の獲得を意図し、部隊の配置を効率よくする。嘘放送を流す必要から広報を重視しテレビ局を制圧する。
 そのうえで呼応する部隊(つまりロシア正規軍の一部が裏切る)、支援する機関や団体、町には支持者が繰り出すなど、叛乱を支持する運動が自然発生的に起こるはずだ。

プーチン批判を展開してきたいわゆる「民主活動家」はまったく呼応した行動に出なかった。
 ロストフナドヌー以外、どこにもワグネルへの支援はなくモスクワは落ち着いていた。新聞はワグネル批判一色であり、日頃のプーチン批判デモも起こった気配がない。
当てが外れたプレゴジンはベラルーシのルカシェンコ大統領からの長時間の電話説得に応じて進軍を止め、ワグネル部隊へもとの陣地へ引き返せと命じた。占拠していた軍司令部ビルからも撤退した。

プリゴジンがルカシェンコとの取引に応じたのは自らを含むワグネル幹部は免罪されること、ベラルーシへの亡命が黙認されることだった。
 軍事クーデタ未遂で明らかになったことはプーチン執行部が軍を完全に掌握できていなかったこと、ほかに30近くある民間の戦争請負業に関しても軍との整合性がないこと、プーチンへの批判が意外とウクライナに近い地区で高いことなどだった。

 戦局はヘルソン州のカホフカ水力発電所ダムの決壊から激動した。冠水地区は水が引かず、上流貯水池が急速に干上がった。琵琶湖の約6割の水量があった貯水池である。この貯水がなくなれば農業大国の農地は荒廃し、砂漠化する恐れがある。戦争の展開で言えば、戦車戦の戦場とはなりにくい。この貯水池は東京都に匹敵する広さがあり、ドニプロ川が蛇行しながら流れる。1950年代に建設され、下流地域の農業の水源だった。
 しかも上流のダムもかなりが破壊された。
 これで戦局がかわり膠着状態となった。

 英BBC放送はロシアの独立報道機関との共同調査で、6月17日までにウクライナ戦争で死亡したロシア将校が2100人を超え、中佐以上では少なくとも242人、戦闘機パイロットは少なくとも159人が死亡したと報じた。しかも高齢者、訓練未熟者が目立ち、20歳前後の職業軍人が多かったが、最近3カ月では動員兵や民間軍事会社ワグネルの戦闘員が増加していると分析した。 

 かくして日本のメディアが言うような「プーチン政権に亀裂がはいった」のではない。
亀裂はもともとロシアのディープステートになかで演じられてきた。ユダヤ人オルガルヒの大半は富を失い、海外へ逃亡した。ウクライナ戦争を仕掛けて西側の制裁を受けたため表面的には何食わぬ顔をしてきたが戦争に訴えると国民が熱狂的に支持したかといえば予備役の蒐集にも手間取り、若者の多くは海外へ逃亡し(4万5000人のロシア人はメキシコ国境から米国へ密入国した)、結局、囚人をワグネル傭兵部隊へ急遽算入して前線に投入せざるを得なかったのだ。

米国の対中宥和策は有害無益だ        櫻井よしこ

2023-06-26 14:54:38 | 日記
 わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
                 頂門の一針 6544号 

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 米国の対中宥和策は有害無益だ
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           櫻井よしこ

6月2~4日、シンガポールのシャングリラホテルで「アジア安全保障会議」が開催された。オースティン米国防長官は3日に演説したが、事件はその直前に起きた。米海軍のミサイル駆逐艦「チャン・フーン」とカナダ海軍のフリゲート艦「モントリオール」が台湾海峡の国際水域を北上中、中国艦船がチャン・フーンを追い抜き、船首前方を二度横切った。一時、中国艦はチャン・フーンの前方140メートルまで接近、チャン・フーンが減速して辛うじて衝突を免れた。

中国人民解放軍(PLA)の無謀な行動はこれが初めてではない。5月26日にも南シナ海上空で中国の戦闘機が米偵察機の前方400フィート(約120メートル)に接近、あわや大惨事になるところだった。米軍は「不必要な攻撃的作戦だ」として抗議した。

このような状況下でオースティン氏が演説し、翌日、中国の李尚福国務委員兼国防相が演説した。メディアは両氏が非難合戦を繰り広げたと報道したが、公平に言えば、オースティン氏と李氏の演説は各々、理性と感情の演説とも言うべき性格を帯びていた。感情的非難を展開したのは李氏だった。

オースティン氏は多くの時間を世界情勢の分析に割き、最後の部分で台湾に触れた。米国は「ひとつの中国政策」を軸に、「現状維持」を重視し台湾海峡の平和と安全を守ると強調した。紛争は悲惨な結果をもたらすだけで米国は紛争も冷戦も望んでいない、そのために米国は中国との、とりわけ軍と軍の意思の疎通が大事だとして次のように語った。

「中国が米中両軍の危機管理機構に真剣に関わろうとしないことを深く懸念する。大国は透明性と責任において世界の灯(ともしび)であるべきだ」

演説でも質疑応答でも氏は中国を必要以上に非難することなく自制的だった。世界中が憂慮する中国の急速な核増産及び台湾侵攻に関しても、中国との紛争は差し迫っておらず不可避でもないと繰り返し、インド太平洋にアジア版NATOを創る気はないと強調した。

李国防相の挑発

他方、翌4日の李国防相の演説は烈しかった。米ニューヨーク・タイムズ紙が李氏の態度を「北京はますます自信を深めた様子」と報じたように、李氏は冒頭から挑発的だった。「世界を見渡すと冷戦思考がよみがえっている」、「習近平主席は地球安全保障構想を呼びかけた」が「アジア太平洋はかつてない安全保障上の挑戦を受けている」、「誰が地域の平和を乱しているのか。混乱と不安定の原因は何か。某国はカラー革命を起こさせ、世界各地で代理戦争をやっている」と、明らかに米国を念頭に置いて批判を展開した。

さらに中国は多くの国々と、国連の精神と国際法に基づいたウィンウィンの関係を築いてきたと空虚な自慢をした後、台湾に言及した。

「台湾は中国の国内問題だ。台湾は中国の台湾だ。台湾についての決定は中国人が下す。180か国以上が『ひとつの中国の原則』に同意している」と語り、悪いのは「民進党(DPP)の指導者で、彼らは(中国と台湾はひとつの国だとする)92年合意を否定し、台湾独立勢力の拡張を推し進めた」と非難した。

台湾独立の動きには、「中国軍は一秒たりとも躊躇しない」との強硬発言を二度、繰り返した。

李氏は「中国は米国と新型大国関係の構築を目指す」と語って演説を締めくくったが、これは2008年に中国が米国に「太平洋分割統治」を持ちかけて以来の彼らの夢である。太平洋をハワイを基点に東西に二分し、中国が西を、米国が東をとるという考えだ。後に習近平主席が二度オバマ大統領に提案し、オバマ氏は危うく同案に乗りかけたことがある。

この後の質疑応答では、前日に発生した中国艦によるチャン・フーンへの挑発的な接近問題について問われた。質問はシャングリラ会議の主催者によってこう提起された。

「中国艦と中国機が国際水域、国際空域で他国の艦船や機体に近づきすぎたと思われている件について、指摘したいことはありますか」

極めて中立的かつ公平な問い方だったが、李氏はいきり立った。

「ご指摘の事案はなぜ他の国々の近くではなく、中国の近くで発生したのか。中国機も中国艦も他国の近海で主導権を取ろうとして展開することなどない。この種の事故を防ぐには、軍艦や戦闘機を所有する国々が他国近くの空や海で(他国を)取り囲むような行動をしないことだ。なぜそこに行くのか。我々に言わせれば、自分のことをやれ、自分の戦艦、戦闘機を大事にしろ、自分の領空領海の面倒を見ろということだ。そうすれば何の問題も起きないはずだ」

一気にこう語った李氏は明らかに怒り心頭に発していたのだ。我を忘れて罵ってしまった。国際会議でこんな発言をするのは国際政治において言葉がどれ程の重要性を持つかを理解していない証拠だ。理性に徹することのできない人物が中国人民解放軍の幹部であることに怖ろしさを感じる。

烈しい米国非難

このような中国に対して米国はこれまでに高官級で十数回、実務レベルで十回近く会談を呼びかけた。だが中国側はそれらすべてを断ってきた。

シャングリラ会議開催の最中、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が5月に訪中していたことが明らかになった。氏はバイデン氏が最も信頼する側近だという。昨年、バイデン氏はナンシー・ペロシ下院議長の台湾訪問を止めさせるために、バーンズ氏を使って説得しようとした。ペロシ氏は断ったが、大統領がそうした重要な仕事を頼むほど信頼されているのだ。

バーンズ訪中と同月、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)はウィーンで中国外交のトップを務める政治局委員、王毅氏と会談した。サリバン氏は6月2日、「米国は、ロシアや中国を抑止するために核戦力を増強する必要はない」、中露両国との核軍縮協議について「無条件で臨む用意がある」と語っている。

米国務省のクリテンブリンク次官補は現在(4~10日)、中国とニュージーランドを訪問中だ。

米中関係の雪解けは多層的に進んでいるのだ。李国防相の烈しい米国非難が米国の足下を見透かしての発言である可能性もある。台湾海峡や南シナ海での人民解放軍の無謀な挑発も同様かもしれない。米中会談を切望するバイデン氏が中国に宥和的すぎる姿勢を取っているからだ。宥和的に懇願すればするほど、中国は多くを要求する。米国は後退を迫られる。力しか信じない中国に宥和的姿勢は禁物である。米国が譲りすぎることは日本をはじめ西側世界にとって大問題だと、ここでバイデン氏に忠告すべきではないか。それができるのは中国と
2000年以上の交流があり、それ故に中国の怖ろしさを知っている日本である。日本の国益のために、岸田文雄首相はバイデン政権の対中宥和策に警鐘を鳴らすべきだ。

台湾を「武器売却引き渡し優先リストに入れる」 米上院軍事委員会は台湾と軍事協力条項を含む国防予算を可決。

2023-06-26 14:53:25 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023) 6月26日(月曜日)
        通巻第7810号  <前日発行>
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(休刊予告)小誌は6月27日から30日まで休刊です。 
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台湾を「武器売却引き渡し優先リストに入れる」
米上院軍事委員会は台湾と軍事協力条項を含む国防予算を可決。
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 6月23日、米上院が可決した国防法は米国が台湾軍を支援し、軍事サイバーセキュリティに取り組むプログラムを開始すべきとする条項も盛り込む内容となっている。
 米上院軍事委員会は台湾と軍事協力 条項を含む来年度の国防政策・予算案を可決した。
 8863億ドルという空前の国防予算が委員会で24対1で承認された。

この要旨は「米国は中国およびロシアとの長期的な戦略的競争を考慮し、インド太平洋地域における姿勢の強化を目指す」とし、その一環として、米国が「台湾軍に対する包括的な訓練、助言、組織的能力構築プログラム」を確立することが含まれる。

「軍事サイバーセキュリティ活動における協力を拡大する目的で、台湾の適切な当局者との関与」も求めた。米国は台湾防衛で相互運用性を向上させる目的の共同訓練、台湾との防衛協力をさらに拡大する必要があると明確なシグナルを米国が発信したことになる。

 ダン・サリバン米上院議員は台湾を「武器売却引き渡し優先リストに入れる」という法案まで提案した。共和党のリック・スコット上院議員と共同提案で「目的は「台湾を優先順位の先頭に置くこと」(つまりウクライナ優先はもはや不要と言外に示唆している)。

 サリバン法案は国防長官に対し「実質的に同様の物品やサービスを他の外国軍需品販売顧客に提供する前に、台湾に防衛物品やサービスを確実に提供すること」を義務付けるものだ。

2022年末時点で、海外軍事販売プログラムに基づく台湾への米国防衛品の納入残高は、ハープーン対艦ミサイルやF-16戦闘機など約190億ドル相当にのっている。ま、ウクライナへの330億ドルの武器供与は将来返済されることはないだろうから、きちんと支払いをつづける台湾とは比較にならないのだが。


ワグネル軍団、モスクワへの進軍を中断    なぜか、ルカシェンコが仲介、密約の中味は?

2023-06-26 14:52:08 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023) 6月25日(日曜日)
        通巻第7809号 
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 ワグネル軍団、モスクワへの進軍を中断
   なぜか、ルカシェンコが仲介、密約の中味は?
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 明らかに軍事的叛乱だった。
 ワグネル軍団のボス、プレコジンは「ロシア軍は弾丸を供給してくれない。これでは戦えない。軍首脳陣は腐っている。ロシア軍はわれわれをミサイル攻撃した」などと息巻いた。
 6月24日、プーチンはテレビ演説し、「1917年革命前夜だ」と喩え、叛乱を処罰する。これは国家への裏切りである」と言明した。

メドベージェフは「核兵器がワグネルの手に渡ると世界の終わりだ」と発言した。
一方。ウクライナならびに西側の論調は、叛乱による混沌とプーチン退場に期待し「プーチンの終わりの始まり」と報道した。

 ワグネルの残存兵力は2万強だが、負傷兵を含む。このうち5000がモスクワの手前200キロまで迫った。出動したチェチェン軍と道路を挟んだ対峙した。
 ロシア側はモスクワ市内の要所に警戒態勢を敷き、進軍予定の道路にトランクを横倒しにして防御壁、また道路を破壊し戦車、装甲車が通過できない措置を講じた。モスクワ市長は外出を控えるよう警告した。

 一般的に反乱軍ははっきりと目標を謳い、計画的な部隊の配置をする。嘘放送を流す必要から広報を重視しテレビ局を制圧する。SNSだけでは偽情報の判定が難しい。
 そのうえで呼応する部隊(つまりロシア正規軍の一部が裏切る。)、支援する機関や団体、待ちに支持者が繰り出すなど、叛乱を支持する運動が起こるはずだ。
 ナバルヌイ支持派は沈黙し、モスクワは至って静かだった。

 どこにもワグネルへの支援はなくモスクワは落ち着いていた。新聞はワグネル批判一色であり、日頃のプーチン批判デモも起こった気配がない。

 こうした冷たい反応にワグネル軍団が如何に判断したかは不明だが、プレコジンはルカシェンコからの長時間の電話説得に応じ、ともかく進軍を止め、ワグネル陣地へ引き返せと命じた。
 なぜここでベラルーシの大統領が仲介したのか。かれはプーチンの意を受けて何らかの取引条件を提示したはずである。クーデタ未遂は茶番に終わるか、いかなる密約があったかはこれから明らかになるだろう。


<速報>  プリコジン(ワガネル傭兵部隊)叛乱に失敗か   モスクワでクーデタ未遂。プリコジンを拘束した模様

2023-06-26 14:49:34 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023) 6月24日(土曜日)弐
        通巻第7808号 
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<速報>
 プリコジン(ワガネル傭兵部隊)叛乱に失敗か
  モスクワでクーデタ未遂。プリコジンを拘束した模様
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 6月23日深夜。モスクワで戦車、装甲車が移動し始めた。主要な政府ビルの防衛に当たった。
 ワグネル傭兵部隊が軍事行動を起こそうとして居たらしい。24日未明、プリコジンが拘束されたとする報道がニューヨークタイムズ、モスクワタイムズなどが伝えた。プリゴジンはセルゲイ・ショイグ国防相やワレリー・ゲラシモフ軍参謀総長を念頭に「軍指導部という悪を止めなければならない」などと国民に決起を呼びかけていた。また露正規軍がワグネルの施設を攻撃したとも主張した。