写真・撮影・・・・平山 達氏 (photo: Susumu Hirayama)
フィンランド政府は、国連の教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会に「パイミオのサナトリウム」を文化遺産に登録申請すると、フィンランドの新聞、ヘルシンギン・サノマット(Helsingin Sanomat, 2006年2月26日)フィンランド語版が伝えている。
以下、ヘルシンギン・サノマットからの翻訳抜粋
* 新聞記事ではパイミオ・サナトリウムのことをPaimion sairaala=パイミオの病院と書いているので、そのとおりの訳で書くことにする。
また、フィンランド文化庁などではPaimion sairaala (ent. Paimion parantola),パイミオの病院(旧パイミオのサナトリウム) と記述している。
ちなみに、パイミオのサナトリウムはフィンランド語ではPaimion parantolaという。
1978年に発行されたパイミオ・サナトリウムの記念切手。
今回の世界遺産申請対象は、パイミオの病院の地域全体で、建物内部と病院の周辺である。
1930-33年にアルヴァ・アールトにより、サナトリウムとして計画されたこのパイミオの病院は、歴史的にも素晴らしい作品で、アールトにとっても記念碑的な作品である。
また、多くの国際的な注目を集め当時の建築界に大きな影響を与えた。
パイミオの病院は現在トゥルク大学・中央病院の付属施設として、肺病のほか全ての病気の治療を行っている。
病院は1970年代に改修工事を行ったが、規模など全ての仕様は変っていない。
病院には見学者用に一部屋が、オリジナルの状態で保存されている。
フィンランドには現在6つの世界遺産(全て文化遺産)がある。
ラウマの旧市街(1991年登録)
スオメンリンナの要塞群(1991年登録)
ペタヤヴェシの古い教会(1994年登録)
ヴェルラ製材工場(1996年登録)
サンマルラハデンマキの青銅器時代遺跡(1999年)
シュトルヴェの測地弧(2005年登録)
昨年、フィンランド政府は初めての自然遺産候補として「メレンクルクの群島」を申請した。
申請は環境省が行った。メレンクルンの群島は2006年の夏には世界自然遺産に登録される予定である。
パイミオの病院は2007年には登録される予定で、申請はMuseovirasto(ムーセオヴィラスト=The National Board of Antiquities )が既に行っている。
以上ヘルシンギン・サノマットから翻訳抜粋
写真・撮影 平山 達氏(photo Susumu Hirayama)
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多摩美術大学の平山 達氏のブログ「北欧建築ゼミ アアルト」に「パイミオ・サナトリウム」の写真が多数掲載されています。他のアールト作品と共に是非ご覧下さい。
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