翡翠色 オパール色 風の声

おひとりさまの人生 感じて 考えて 味わって(?)
草花とメダカに癒され生きています

一人身の不自由

2008-08-21 | 1人で生きていく事
             大きな木に抱かれて生きていられたら、どれほど幸せか・・・



「gooひとこと」で、臓器提供の意思カードについての問いかけがあったので、
思わず書き込みをした。

私自身は、ちまちま生きて、さしたる社会貢献もできないので、
せめて死んで、この身体が役に立つなら、なんでも使って下さいな、と考えている。

それで、未来への夢を持った子供や若者が助かるかもしれないし、
小さな子供のお父さんやお母さんの命が救われるなら、本望である。


しかし、その考えを、友人達の集まりで話したら、
「絶対止めなよ、殺されちゃうよ」と、強い口調で言われた。
彼女の弟は、バンク登録の骨髄移植で、白血病から生還したにもかかわらずだ。

今、日本の臓器移植は、まだまだ提供者が少なく、政府は躍起になって、
症例を増やそうとしているので、助かる可能性があっても、
臓器が使えそうだと見切られる、と、いうのだ。

うーん。。。。うーん。。。。。


それはそうと、臓器移植の意思表示カードのホームページを見た。

はぁ・・・・

結局、臓器提供の意思はあっても「家族の同意」がなければ、それは遂行できない。
私には、もう悲しんだり責任を感じたりする家族もいないのだから、
私が「いい」って言ったら、いいじゃないかと思うのに・・・


                


母が亡くなって、一番初めに打ちのめされたのは、
家族がいないと、生命保険の受取人の設定には現実離れした制限があったり、
もしも脳卒中等で寝たきりになった時に、代わりに保険請求してくれる人を
自分の思う人に設定できないという事だ。
特に代理請求人は、2親等以内の同居の家族といわれた。
私には、2親等以内の血縁者は誰もいない。
しみじみ、自分は一人なんだと思い、悲しいような、くやしいような涙が出た。


3親等は、兄の子供達(未成年の為、実質は新興宗教盲信の兄嫁となる)と、
父と母の姉妹達である。
何もしなければ、第一位の法定相続人である兄の子供達が、その権利を持つ。
しかし間違っても、私に消えて欲しいと思っているであろう兄嫁になど、私の命を預けたくない。

解約をチラつかせたり、散々、保険会社と交渉をして、やっとの事で伯母を代理請求人に設定した。
それだって、遠くに暮らす70半ば過ぎの伯母である。
遠からぬ将来、また別の誰かに切り替えなければならないのは間違いない。
誰がいるというのだろう・・・

 ちょっと、ひと呼吸


本当は、もう長いつきあいのパートナーTちゃんを代理人に設定したかった。
一番私の意思を解っているのは彼だし、もし私の意思と違う事を彼が行ったとしても、
それは彼の判断であればかまわないとも思っている。
そのくらい彼の人間性を信用している。

しかし、別々に暮らし、夫婦でもない私たちは、まったく話にならず、
保険会社が出して来た唯一の条件は、私を受取人にした同額の保険にTちゃんが入る事だった。
結局、保険金殺人予防の倫理観よりは、顧客が一人増えればいいという、
その考えにあきれて、肩を落とすしかなかった。


保険金殺人の可能性から、身内以外に、保険金の受取人や請求代理人に指定する事は、
現在の日本では、まず認められない。
辛うじて、籍が入っていなくても認められるのは、同居実績のあるの内縁の夫や妻くらいだ。
内縁と言っても、もちろん不倫でない事は必須。

成年後見人制度もあるが、それだって、請求代理人が精一杯だ。
後見人を法律のプロに頼むと、そこにみんな巻き上げられる可能性が高いとも、
その業界の方からも聞いた。

しかし、結婚した当時に配偶者を受取人にしてかけた保険は、
離婚してもそのまま受取人として成立する。
おかしいと思いません?


今、私に家族がいないのは、私自身の招いた結果であるので、仕方ないのかもしれない。
しかし、私のように、兄弟も夫も子供もいない人は、これからどんどん増えると思うのだが、
そういう人は、安心する為に入る保険に不安を覚え、
社会貢献の為に臓器提供をする志も、手折られてしまうのだろうか。
こんな事で打ちのめされるとは、思ってもいなかった・・・


20数年かけた生命保険を、もう解約しようかとも思っている。
保険料は、年間で40万円位。65歳迄貯金すれば、かなりの額になる。
病気になったって、高額医療費の払い戻し制度がある現在、
ある程度の預金があれば、なんとかなるのではないだろうか。
保険以外の財産は、遺言書を作成すれば、好きなように行き先を設定できる。
(遺言の件は、また別途記事にしますネ)


少子化が進んで、私のような境遇の人間が増えたら、保険会社はもっと緩和するのだろうか。
保険金殺人予防の為の線引きの方法は、もっと考えた方がいいと思う。
こんな自社保身みたいな事ばかりやっていたら、保険会社そのものが危ういような気もする。
あと何十年先もおたくの会社は大丈夫ですか、N生命さん!


運命というものを別にすれば、私の命は、私が決めたい!

一人は自由、でも一人の不自由もある。

なんだかなぁ・・と、呑気に言ってられない。
でも、この為に、入籍っていうのも、なんか違う気がするでしょ!?
ましてや、そんな事、私から言える訳がない。



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7 コメント

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早く対策を (やく)
2008-08-21 20:01:14
老後の生活だって他人と共同生活したいと考えてる人も増えているし・・・
家族とか血縁という単位はもう難しいのかもしれませんね。

一人でもこの国に生き貢献もしているのだからきちんとした保障がされてほしいです。

今日の記事は手に取るようにとってもリアル。
じっくり読みこんでしまいました。
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そうですよね (Happydog)
2008-08-22 06:39:31
まさにその通りで、思わずじっくり読んでしまいました。
またきます。
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現実 (みくあ)
2008-08-22 10:02:38
なんじゃい!それ~!!と、めちゃくちゃ保険制度に腹が立つけど、今はそれが現実なんですよね。・・・となるとその中で翠さんが何をどうやって選択していくかなのだろうけど、『運命というものを別にすれば、私の命は、私が決めたい! 』の一文には私も思わず涙が出るわ。

社会全体が「利害関係」の中で動いていて吐き気がするほど嫌だけど、それが現実で・・・翠さん、悔しいね。
20年前の「男社会」の中での、女性の立場の低さを、痛い痛い思いをして感じた私ですが、時が流れても弱いと思える立場の人が相も変わらず困る世の中の状況。

ここでいくらぼやいても仕方ないんだけど、翠さんが不安に感じる気持ち、疑問に思う気持ちは当然だし、誰だっておひとり様の生活に、多かれ早かれなる訳だし(歳もとるしね)・・・
今日も色々考えさせられました。ありがとう。

入籍のきっかけは何でもいいのでは?
日本の制度や保険の制度が、籍を入れることで翠さんにとって良くなり、翠さんがそれで安心できるならいい事だと思える私です。
もっとロマンチックな気持ちじゃないとだめ~??

人事ではない翠さんのお話し、とても参考になっています。

返信する
そうですね・・・ (早紀)
2008-08-22 13:38:00
 私は保険の外交員をしていたことがあり、保険の重要性も勉強しましたが、なんせ、払込総額と満期返戻金の差額に納得がいかず、満期の時に解約しました。先日、勝間さんの本「お金は銀行に預けるな」でも(保険会社は保険詐欺のリスクまで乗せて保険料率を計算しているから保険料が高い)と書いてあり納得。
うちは子供がないので、パートナー氏が万一となっても、死亡保障がそんなに要らないしね。葬式代だけ、あれば良いと思っています。
通常の生保は死亡保障は充実していますが、疾病などなら、損保が良いと思います

私がお友達に保険の相談をされた場合は全労災などを勧めていますよ。
掛け金安いし、簡単だし。生協も良いかな。
私も臓器ドナーになろうとしたら、パートナー氏が「絶対ダメ」と反対されました。私の身体なんだから、とその時に思いましたが、残された人が(そうなるとは限りませんが)嫌な思いをするのは悪いと思い諦めました。パートナー氏が先に逝ったら自分のドナーカードを携帯していようと思っています

色々な方法があるはずです。
探しましょう
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お返事 >一人身の不自由 (翠のお返事)
2008-08-22 19:15:52
今回の記事、みなさん真摯に受け止めて、コメントを下さって、本当に嬉しく思います。
ありがとうございます。


やくさん、こんにちは。

「血縁」より「結縁」という言葉を聞いた事があります。
その選択は間違いなく増えますね。
子供の居ない友人同士、リタイヤしたらみんなで住もうかと、よく話に出ています。
年を取る事が、おだやかな余生の楽しみよりも、不安ばかりになるのは、なんとも切ない世の中です。
政治も、どうにかならないものですかね。
たっぷり税金を払っているのに・・・


 Happydogさん、いらっしゃいませ。

足を止めて読んで下さってありがとうございます。
保険会社の営業の人も言っていましたが、客の側から声を上げて行くのが一番だそうです。
非力でも、言い続ければ、少しづつ緩和するかもしれないと、今回の記事を書きました。
普段は、マヌケな記事が多いですが、また遊びにいらして下さいね。


 みくあさん、いつもありがとう。

これまでTちゃんと私が、さしたる障害もないのに結婚をしていないのは、ずっとどちらかが喪中だった事と、うちの相続のすったもんだがあり、そこに彼を巻き込みたくなかったというのが、最大の要因です。
たいした財産もありませんが、私が家や会社を背負っているので、財産狙いで結婚と思われるのが彼自身は嫌だったみたいです。私が狭い部屋に暮らしていて、兄も生きている頃からのつきあいなのにね。
保険はいつ止めてもいいとに思いつつ、出産をあきらめられなかったので二の足を踏んでいたのですが、もうさすがにタイムリミットで、色々な意味で今年は一段落の年。来年になったら、色々な事に整理がつくかもしれません。


 早紀さん、こんにちは。

とても説得力のあるお話です。
おっしゃる通りだと思います、ありがとう。
銀行でも保険でも、形のない数字だけの場所に、自分の虎の子をあずけるのには、不安があります。
勝間さんの本、気になっているのですが、まだ目を通しておりません。
おそらく北欧のように、預金そのものに税金がかかる日が来るというような事を書いてあるのではないでしょうか?
祖父がかつて新円切り替えで、苦労して築いた財産を失った事があるので、そんな心配もしています。

↑上のお返事にも書きましたが、もう子供も持てそうにないので、保険は切り替えようと思います。
年金問題も含め、とにかく自衛をこつこつと始めます。







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勝間さんの本 (早紀)
2008-08-23 17:18:18
 勝間さんは、シングルで子供3人を抱えてどうやって生活するのか!という問題と戦いながら効率の良い仕事や運用などをしてきたようです。それを本にしてるのですね。
銀行に我々がお金を預けるとそのお金を元手に銀行が運用するのだから、そのように銀行に運用させるより自分で考えて運用しましょうということなのです。
日本人は家を買って不動産ローンと保険の支払いで運用資産が生み出せないのが問題とも書いてあります。
確かにそうだな、と思いました。
勝間さんの本面白いですよ
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お返事 >勝間さんの本 (翠のお返事)
2008-08-25 13:11:59
 早紀さん、貴重な情報、ありがとうございます。

勝間さんの説、もっともですね。
この低金利時代、どう手持ちの資金を運用するかは、私も色々と勉強しております。
とりあえずは、仕事の関係で、ここ20年位、毎日為替相場をみておりますので、外貨預金は少しやっております。
でも、サブフライムローンの崩壊以降、どうも相場が難しいです。
FXはロスカットが恐ろしくて手がでませんし、株もある日ただの紙切れになるおそれがあるので手が出ません。
どんなもので運用するにせよ、投資はマメに自分でやる事が不可欠のように思います。




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