このタイトルが目に留まって読み始めました。
ボクが一番心配している社会問題「人口減少」「少子高齢」をテーマにした小説です。
内閣府の統括官をはじめ内閣府職員,外部有識者らが人口の減少を解決するための政策を検討して,法案として国会に上程するまでが綴られています。
しかしその結果は・・・・。
小説でありながら資料やデータは公表されているものですからリアル感はあります。
著者も厚労省時代に「人口減少問題」を担当していたそうだから,現在も同様のことを役人が取り組んでいるのでしょう。
ボクもこの問題について7~8年ほど前からこのブログで書いているので,興味を持って読み進めていきました。
しかし,読み進むうちにいろいろと疑問が出てきました。
一番気になったのは,「こども保険」ありきで戦略を進めていること。
お金をばらまいて出生率を増やすという単純な発想です。
そんな簡単なことで少子化問題が解決するわけがありません。
専業主婦にも給付金を配るとか細かなことまで記載されていたけど,もっと根本的なことを考えるべきでしょう。
スウェーデンやフランスの取り組みを真似しているだけではだめです。
日本の文化や民族の特性を検討して初めて問題が見えてくるのではないかでしょうか。
例えば,なぜ沖縄の合計特殊出生率が1.8を超えているのか,日本の理想とする将来人口が何人なのか,そうしたことの記載がありません。
さらに移民については表面的にしか触れていません。
さらに沖縄,島根はこのままでいいけど,東京など合計特殊出生率が極端に低い都市を重点的に取り組むとも言ってます。
そんな単純なことでいいはずがありません。
ひとつだけ共感を得たのは地方の大学を充実させるという政策です。
地方から東京に出てくる若者は進学と就職のためが大多数だからです。
しかしその程度では足りません。
東京の国公立大学は東大を除いてすべて地方に分散させる。
就職についてはさらに大胆な発想が必要でしょう。
ボクの持論だけど,国会を福島へ移転するくらいの発想を持ってほしい。
そして,東京から本社を移転した企業は固定資産税を大幅に減額します。
このことは何度も書いているので,そちらをご覧ください。
結論としては,この本に記載された程度のことは少し知識のある人なら気付いていることだし,国のこれまでの無策をさらけ出しているに過ぎないということ。
国会議員には長きにわたる無策に対して責任を取ってもらいたい。
さらにこの本には書かれていない事実があります。
国民が意外と気付いていないのだけど,このまま少子化が続くと早ければ300年,遅くても500年後には日本の人口がゼロになります。
単純な算数です。
2100年には6000万人を下回ることは確実なのですから。
そうならないための具体的なシナリオを岸田さんが所信表明で述べていただきたい。
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