もう購入してから20年は経つであろう中華ラジオの「DE1101」だが、故障もせずに動作している。通称「愛好者1号」というのは多少違和感があるのだが、まあしかたない。それと、操作ボタンの説明は中国語なので「なんのこっちゃ?」と思う部分はあるが、漢字表記なのでなんとなく意味は分かります。
ラジオのスペックです。
MW(いわゆる中波AM放送):522~1620KHz
FML(FMローバンド):70.0~95.5MHz(拡張FMを含む日本のFMバンドをカバー)
FMH(FMハイバンド):87.0~108.0MHz(多くの国のFMバンド)
SW1(短波1):3.00~9.99MHz
SW2(短波2):10.00~26.0MHz
中国のFMバンドはFMH(87.0~108.0MHz)です。日本を含むFMLバンドに対応しているのは、輸出を意識しているものと思われます。世界中のFMバンド帯をカバーしているし、短波も26MHzまで対応というのはポイントが高いので、かつては海外旅行のお供にも連れていきました。地元のFMが聞けるし、短波だとラジオジャパンなどが聞けて楽しかった。
さて、久しぶりに電源を入れてみたら、ボリューム(VR)がガリってうまく聞けないのであります。VRをグリグリしてみましたが、改善されません。
仕方がないので、バラします。裏蓋のプラスネジと、電池ボックス内の小さなプラスネジを外すと、裏蓋が外れます。特に爪はないので、固くて取れない場合はネジが残っています。写真右上の黒い円形の部品がVRです。
今回は接点復活王を使ってみました。2方向からシュッと一吹きかけて、VRをグリグリします。(ダイヤルと基板の間に噴射)
組み立てて終了です。ガリは綺麗に取れました。まだまだ現役で使えそうです。電池を外して作業するので、メモリーはすべて消えます。必要な情報は、事前に控えておきましょう。
便利な操作方法
・電源SWは、正方形のボタン「曳源みたいな文字」
・周波数のダイレクト入力は、右の長方形のボタン「輸入みたいな文字」
・メモリー入力は、楕円形のボタン「存猪みたいな文字」を押して、メモリしたい番号ボタンを押す
・バンド切り替えは、楕円形のボタン「波段みたいな文字」
大昔のラジカセやBCLラジオ全盛期を彷彿させますが、選局がデジタルシンセなのはちょっと残念…
個人的にはボディ右側面に大型の選局ツマミが付いていて、連動して針が動くレトロタイプが好きなんです。
昔のこの手のラジオは秋葉原でも入手が難しい4連ポリバリコンを使っていましたね。
FM用とAM/SW兼務のものが2連づつ同軸になっていて…
写真を拝見するとデジタルシンセのくせにチップ部品はほぼないですね。裏側にあるのかな?
それにリード部品もざっと見た感じインサーター(リード部品を高速で自動挿入し、反対側のリードを自動で切って残った足も自動で折り曲げるマシン)を使わず作業員の手挿入にも見えます。
中国だとこの手の製品は高価な機械設備よりも人を掛けたほうが安いのかも?
でも20年くらい前に中国に無線機の生産委託をしている会社を訪問した時は生産量から言えば日本では500人規模のはずが、そこでは3000人いました。
しかし最新のチップマウンター(しかもチップ部品を1個0.3秒で装着するサンヨーやパナの超高速最新鋭機)や、HP社の数千万円級の高周波計測器が並んでいて【カネにモノを言わせる】と感じました。
ちなみに生産ラインの9割は15〜17歳の田舎から出稼ぎの女の子でした。
部品は昔ながらのものを使っているので、メンテも比較的しやすくなっています。だいぶ古い機種なので、中華ラジオと言っても、今ではチップ化されているかもしれません。
中国の場合は、人海戦術を使った方がお安く製造できるのかもしれませんね。
4連ポリバリコンとは凄いですね、自分は見たことがありません。保守用の部品もだんだんなくなってくるので、寂しいかぎりです。