もう45年以上も昔話であるが、米国仕様のCB機(米国では合法)が、FCCの法改正によりチャンネルが、23CH⇒40CHに増設になった。米国内でCB無線がブームになり、既存のチャンネル数では足りなくなったためである。米国の長距離トラックを中心に、無資格で手軽に使える無線として普及していった。CH9は緊急チャンネルに指定されており、主要街道沿いのボランティアやハイウェイパトロール(だったかな)などもCH9を聞いており、携帯電話が無い時代には、便利なツールとなっていました。米国のCB無線は、出力4Wで外部アンテナも使用可能なので、そこそこ飛びます。(SSBもOK)
現在のCB機では、ボタン1つでCH9を選択できる機能が付いたものもあります。また、安いものでは100ドル以下でも購入できるようです。しかし携帯電話の普及とともに、その役割は減少しているものとは思われますが、趣味の無線としては根強いものがあります。
かつて、グアムやサイパン・パラオ・ヤップなどでは、タクシー無線にCB機が使われていました。日本からでもコンディションがいいときは、そういうタクシー無線の業務通信が聞こえる時がありましたが、現在はVHF/UHF帯に移行しているようです。
パラオに行った時、タクシー無線機がCB機だったのでスケルチを開けてもらったら、日本の違法局が沢山聞こえていました。タクシーの運転手は「うるさいから」と言って、スケルチを深くかけていました。タクシー無線の基地局からの電波は強力なので、多少日本からの混信があっても問題なく使っているようでした。
FCCのCB無線機に対するCH増設が施行され、日本のCB無線機メーカーは40CH機を輸出し始めましたが、従来の23CH機が売れなくなりました。その在庫を日本国内に放出したため、大量の輸出用CB機が国内に溢れることになります。従来からトラックを中心に違法CBを運用する人はいましたが、一気に爆発した感じです。
製品になる前の基板も放出され、秋葉原等でジャンク基板として売っていました。一応、周辺部品付き・配線図付きですが、ケースはありません。(ケースがあると、メーカーが判明してしまう)
そういう格安基板を買ってきて、組み立ててみたところ動作しました。各部の調整は必要ですが、測定器は持っていないので受信音を聞きながらコアを調整すると、驚くほど感度がいい無線機でした。ケースは適当なものを秋葉原で購入し、金属加工を行い無線機らしくしました。
しかし、FCC仕様のCB機は国内では使用不可のためファイナル(2SC1306)は動作しないようにしています。万一PTTを押しても電波は発射されません。
最初に45年以上前と書きましたが、現在も受信部は動作します。部品の選別、回路設計がいいのでしょう。(どこのメーカーかは分かりませんが)しかし、さすがにVR(ボリューム)のガリが酷くなって、うまく音量調整ができません。夏場のHFハイバンド帯のコンディション把握に使っています。
VRの交換が望ましいのですが、SW付きVRで1個購入するにしても送料がかかります。今回は、接点復活王で対処することにします。VRには隙間があるので、そこから接点復活剤を注入し、VRつまみをグリグリ回して馴染ませます。数十回グリグリすると、ほとんどガリはなくなりました。
メーターは、ハメているだけなのでずれてしまっています。(奥に引っ込んでいた)
メーターは、ホットボンドで内側から固定しました。
これで、以前の調子を取り戻しました。昔の日本のCB機メーカーすごいな。
この基板を購入後、数年してFM変調のヨーロッパ向けCB機のジャンク基板を買ってきて、29MHzのFM用に改造しようと試みたのですが、見事に失敗しました。最終的に動作しなかったので、廃棄処分となりました。(そうは上手くいかないもんだな)