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みなさんこんにちは、平野です。今回の訪問では、3つの小学校におけるSBPN(School Based Prevention Network=学校ベースの人身売買防止ネットワーク)のフォローアップのほかに、村でも調査を行いました。つまりSBPNの活動だけでなく、前のプロジェクトで結成されたCBPN(Community Based Prevention Network=コミュニティーベースの人身売買防止ネットワークの活動の成果という意味も含めて、村に子どもの人権や人身売買防止のための知識がどれくらい広まっているかを知るため、またドメスティック・バイオレンスの状況について調べるため、村の女性たちを中心に聞き取りをおこなったわけです。内容は以前ご紹介したテストに基づいています。
今日はその中で、赤ちゃんを抱いた若いお母さんへの聞き取り調査で、興味深かった部分をお伝えしたいと思います。
☆子どもの権利について知っていますか?
いいえ 家が奥まっているので(情報に接する機会が少ないそうです)
☆HIV/AIDSの感染にはどんなパターンがありますか?
性交渉
☆子どもを学校に行かせないことは違法ですか?
はい
☆知らない人から仕事があると誘われたらどうしますか?
騙されるのが怖いので行きません。
☆親が子どもを学校に行かせなかったら違法ですか?なぜ?
違法です。自分の子どもなんですから。
☆性産業で働くことや重労働をすることを人に強制したら違法ですか?なぜ?
違法です。
☆親が子どもを売ったら違法ですか?なぜ?
違法です。自分の子ども売るなんて。
☆夫が妻を売ったら違法ですか?なぜ?
違法です。せっかく両親がセッティングしてくれた結婚なんですから。
☆ドメスティック・バイオレンスは違法ですか?なぜ?
違法です。せっかくお金もかけて結婚したのにそんなことをするなんて。話し合えばいいのに。
☆レイプされそうな女の子を見たら助けますか?どうやって?
誰かに報告することで助けます。
本人が子どもの権利について知らない、と言っている通り、「権利」とか「法律」という言葉が出てくることはありませんでした。そして論理的というよりも情緒的な回答が大半を占めています。しかし間違っているというわけでもなく・・・。今後CBPNやSBPNがその活動を通じて子どもの権利や女性の権利について広めていってくれることを期待していることはもちろんですが、それと同時に、彼女の言う「自分の子どもを売るなんて」という素朴な言葉もまた胸に響きました。人身売買の恐ろしさ、酷さが伝えられていく中で、アジアにおける封建社会や家父長制度の弊害、人権意識の低さ、女性の地位の低さ・・・等々が喧伝されます。「親が子を売るなんて信じられない」と顔をしかめる方もいるでしょう。しかし一口に「親が子を」と言っても、その背景や事情は千差万別です。豊かな国の人間には計り知れないものもあるでしょう。親が子を想う気持ちは、洋の東西を問いません。さまざまな悲惨なケース、残酷な実例は事実としても、カンボジアを含めた人身売買の行われている国々の人々も、家族を愛する気持ちは変わらないことをお伝えしたいと思います。
これで8月9日~12日のプレイベン州コムチャイミア郡「子どもの人身売買防止プロジェクト現地出張報告」を終わります。つたない文章ですが、現地の雰囲気が伝わりましたでしょうか。今後ともご愛読宜しくお願いいたします。
今日はその中で、赤ちゃんを抱いた若いお母さんへの聞き取り調査で、興味深かった部分をお伝えしたいと思います。
☆子どもの権利について知っていますか?
いいえ 家が奥まっているので(情報に接する機会が少ないそうです)
☆HIV/AIDSの感染にはどんなパターンがありますか?
性交渉
☆子どもを学校に行かせないことは違法ですか?
はい
☆知らない人から仕事があると誘われたらどうしますか?
騙されるのが怖いので行きません。
☆親が子どもを学校に行かせなかったら違法ですか?なぜ?
違法です。自分の子どもなんですから。
☆性産業で働くことや重労働をすることを人に強制したら違法ですか?なぜ?
違法です。
☆親が子どもを売ったら違法ですか?なぜ?
違法です。自分の子ども売るなんて。
☆夫が妻を売ったら違法ですか?なぜ?
違法です。せっかく両親がセッティングしてくれた結婚なんですから。
☆ドメスティック・バイオレンスは違法ですか?なぜ?
違法です。せっかくお金もかけて結婚したのにそんなことをするなんて。話し合えばいいのに。
☆レイプされそうな女の子を見たら助けますか?どうやって?
誰かに報告することで助けます。
本人が子どもの権利について知らない、と言っている通り、「権利」とか「法律」という言葉が出てくることはありませんでした。そして論理的というよりも情緒的な回答が大半を占めています。しかし間違っているというわけでもなく・・・。今後CBPNやSBPNがその活動を通じて子どもの権利や女性の権利について広めていってくれることを期待していることはもちろんですが、それと同時に、彼女の言う「自分の子どもを売るなんて」という素朴な言葉もまた胸に響きました。人身売買の恐ろしさ、酷さが伝えられていく中で、アジアにおける封建社会や家父長制度の弊害、人権意識の低さ、女性の地位の低さ・・・等々が喧伝されます。「親が子を売るなんて信じられない」と顔をしかめる方もいるでしょう。しかし一口に「親が子を」と言っても、その背景や事情は千差万別です。豊かな国の人間には計り知れないものもあるでしょう。親が子を想う気持ちは、洋の東西を問いません。さまざまな悲惨なケース、残酷な実例は事実としても、カンボジアを含めた人身売買の行われている国々の人々も、家族を愛する気持ちは変わらないことをお伝えしたいと思います。
これで8月9日~12日のプレイベン州コムチャイミア郡「子どもの人身売買防止プロジェクト現地出張報告」を終わります。つたない文章ですが、現地の雰囲気が伝わりましたでしょうか。今後ともご愛読宜しくお願いいたします。