菅井滋円 作品集

絵を始めて半世紀以上の歳月が流れた 絵に向かう時何時も満たされないモノがある その場がここになりつつある。

2015年06月19日 | 菅井滋円 作品集




同級生のY君から電話があった
「日曜日11時頃に伺(い)ってもよいか?・・・」
その日曜日 彼が来ることをすっかり忘れていた 幸いその時間には家にいたのだが・・・吾輩のボケ様は かなり進行したようだ 斑(まだら)ボケだろう。
以前に彼と会ったのは 詩人の河本澄一氏が元気な頃であり それにしても・・目の前に居るヒトの腰の曲がり方には一驚した。  寂しいが笑顔だけは そのヒトに間違いないと語っていた。
わたしの前で 楽しげに微笑して 歓談しているヒトを 追い返すことは出来なかったために 多少の拘りがある昼食(菜食を中心にしたもの)は 彼が帰ってからとなり 彼が微笑を残して去った後になった だから昼食は3時半になってしまった。
文庫本を一冊貸してくれと云って持って帰ったが・・「文庫本位は自分で買えョ」と言いたいが 情けないと思いながら・・・おそらく ここが本と別れとなるだろう。

最近風邪などひいて 体調がもうひとつだったが 前に描いていたものを取り出し加筆し出した。
厚さ2センチ位の古材に描きだしていた 蝋を用いていた 所謂蝋画――種明かしをすると 熱した蝋にテレピン油を混入してポマード状にし 顔料を用い描き込み バーナーで焼く――古代の技法を工夫したものは 描き詰めて最終段階にあった。
発想の原点は中央アジアの壁画からの牛だが イマではその意図から 随分はなれ 独り歩きをし出したらしい 立派な但馬牛(たじまうし)になっていた この日サインだけを入れて結語とした。

           

牛  合板縦54.3㎝×横95.3㎝  厚さ2.3㎝
麻布貼り 石膏地 密蝋・油彩により補筆

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