柏野3
その後法務局から連絡があり 測量の人が来られた そして測量にわたしも立ち会った そのさい思いついたことだが アトリエをこれからどうしようか・・・さまざま考えを回らせた。
問題はアトリエのことよりも 残された作品の山のことである 生きる出あろうその間の問題であり 過去に描きだし長時間に亘って描き切れていない 多くの作品のことである 結果として夥しい途上の宿題が待っているが いずれしても整理だけはしなければならない。
わたしに与えられた時の狭間で 自らへの問いかけでありまことに悩ましい。
それにくわえてオペを前にして避けることができないのは 入院まで空白のトキがイヤなのだ。
そのことがわたしを苦しめていた 目の前の時間をどうかして消してゆけないかと思っていた。
どうにもならないことは十分承知していながら そのトキを消しゴムで消し去りたい それには旅に出ようと思い出していた。
何処へ向かうのか 穏やかな景色はわたしには似会はない。
北へいこう 知らない町へ厳しい風景を求めていた・・・・わたしは敦賀に行こうと思いだしていた。
京都駅から快速がある 敦賀~京都間は1時間あまりで着く そして準備もせず敦賀への切符を手にしていた。
湖西線はたちまち敦賀に着いた そして駅頭で立ち喰い蕎麦をたべ タクシー気比の松原へと行った タクシーをまたし気比の松原に立つ たしか・・・?この松原は・・・長谷川等伯は「松」を描いた・・のだったかと思いだした等伯の八曲二双の屏風「松図」・・・背景の朦朧とした墨の用い方は砂原の・・・そして湾内の海辺が・・実景は対岸のブルーグレーの淡い色・・・思索の旅となった。
タクシーはそして気比神社へと 二礼二拍手し参拝を終えた ここへは松尾芭蕉も参拝して芭蕉の月を詠んだ句が銅版。 境内の参拝者は幾組かの老人がいたが 気比神社の絵馬堂は誰も訪れる人は誰もいないが 絵馬堂にある絵馬の扁額があり江戸時代武将の図 日露戦争の戦勝を語るもの さまざまがあり その立派な幅広い板が用いられている そしてこびり付いた胡粉の執念のような 僅かに残る顔料には感銘を深くした。
国宝になっている鳥居。 街を彷徨った 街はことごとくシャッター街となっていた たまたま街中の立ち寄った喫茶店に近隣の人たちが集まっていた。
店主は彫刻を楽しむ人であった 孤客は未知の街の人々と語りあった。
気比神社絵馬堂の絵馬
その後法務局から連絡があり 測量の人が来られた そして測量にわたしも立ち会った そのさい思いついたことだが アトリエをこれからどうしようか・・・さまざま考えを回らせた。
問題はアトリエのことよりも 残された作品の山のことである 生きる出あろうその間の問題であり 過去に描きだし長時間に亘って描き切れていない 多くの作品のことである 結果として夥しい途上の宿題が待っているが いずれしても整理だけはしなければならない。
わたしに与えられた時の狭間で 自らへの問いかけでありまことに悩ましい。
それにくわえてオペを前にして避けることができないのは 入院まで空白のトキがイヤなのだ。
そのことがわたしを苦しめていた 目の前の時間をどうかして消してゆけないかと思っていた。
どうにもならないことは十分承知していながら そのトキを消しゴムで消し去りたい それには旅に出ようと思い出していた。
何処へ向かうのか 穏やかな景色はわたしには似会はない。
北へいこう 知らない町へ厳しい風景を求めていた・・・・わたしは敦賀に行こうと思いだしていた。
京都駅から快速がある 敦賀~京都間は1時間あまりで着く そして準備もせず敦賀への切符を手にしていた。
湖西線はたちまち敦賀に着いた そして駅頭で立ち喰い蕎麦をたべ タクシー気比の松原へと行った タクシーをまたし気比の松原に立つ たしか・・・?この松原は・・・長谷川等伯は「松」を描いた・・のだったかと思いだした等伯の八曲二双の屏風「松図」・・・背景の朦朧とした墨の用い方は砂原の・・・そして湾内の海辺が・・実景は対岸のブルーグレーの淡い色・・・思索の旅となった。
タクシーはそして気比神社へと 二礼二拍手し参拝を終えた ここへは松尾芭蕉も参拝して芭蕉の月を詠んだ句が銅版。 境内の参拝者は幾組かの老人がいたが 気比神社の絵馬堂は誰も訪れる人は誰もいないが 絵馬堂にある絵馬の扁額があり江戸時代武将の図 日露戦争の戦勝を語るもの さまざまがあり その立派な幅広い板が用いられている そしてこびり付いた胡粉の執念のような 僅かに残る顔料には感銘を深くした。
国宝になっている鳥居。 街を彷徨った 街はことごとくシャッター街となっていた たまたま街中の立ち寄った喫茶店に近隣の人たちが集まっていた。
店主は彫刻を楽しむ人であった 孤客は未知の街の人々と語りあった。
気比神社絵馬堂の絵馬
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