花

母が兄に頼んでいたこと。

近所の仲良くしていた奥様が旦那様を亡くされたので

お花を届けてほしいこと。

昨年、偶然に道で会って二月に亡くなっておられた事を伺ったので

一周忌にあたる。

兄はすっかり忘れていたけど、母はしっかり覚えていた。

代わりにアレンジを作ってもらって自分が届けた。

白い花の中にクリーム色のバラと淡い紫のスイトピー。

大きなお家の中では奥様が一人で暮らしておられる。

花を見た途端に涙目になっておられたので

母の気持ちですとお伝えして早々に退散した。