はやぶさ2号のカプセル投下が3日後に近づいている。
前回の1号はイオンエンジンの故障のため帰還時に行方
不明になったが、2年後に奇跡の生還を果たし日本だけで
なく世界中に感動を与えた。
1号は故障で余力がなく機体も突入させ燃え尽きたが、
今回は無傷なので、サンプル容器の切り離しが成功すれば
再び地球を離れて次の旅に出るという。
これも何故か寂しい気がする。さらば、はやぶさ2号!
今回の(ほゞ、多分)成功の要因は何と言ってもイオン
エンジンの安定性であろう。
1号機のイオンエンジン開発者で、奇跡のリカバリー策
を思い付いたJAXAの技術者の講演を聞く機会があった。
我が子のように愛着のあるイオンエンジンの回路図を
眺め続けた。万一のための予備の回路も故障していた。
ふと、それぞれの回路の使える部分を組み合わせると
どうなるかと必死に考えたという。
3回目の月面着陸を目指したアメリカのアポロ13号。
たった1本のネジが原因で酸素タンクが爆発し月面への
着陸どころか生還が危ぶまれた。
狭い艦内に増え続ける二酸化炭素をいかに減らすか、
艦内にある限られた品々(トイレットペーパーなどの
類である)と同じもの同じ量を地上に用意して、どんな
仕組みを作ることが出来るか必死に模索した。
時間との勝負であったが何とか装置を作ることが出来、
奇跡の生還を果たした。
いずれも宇宙の彼方で使える物は限られる、時間も
限られる状況下、諦めない必死の発想は共通である。
師走に入り寒い日が続く。公園の樹々の葉も落ちて
寂しくなった。