地縁、血縁など自分では選べない縁に対し、自分で何とか
できるのが「選択縁」。社会学者、上野千鶴子氏を指名した
「お悩み相談」から。
最近、分譲住宅を購入して引っ越して来た育休中の奥様。
先住民の同世代の奥様たちと馴染めない、井戸端会議にも
入りにくい。入っても浮いている感じの相談である。
上野千鶴子氏は「地域の他で探せば交流の場所はいくら
でもあるはず、気の合わないお隣とは無理に仲良うせんかて
よろしい」とあっさり回答する。
長屋の住民が一つだけの井戸をシェアしていた頃にできた
言葉が「井戸端会議」。今はいくらでも逃げられる。
ご近所から「あのお宅は別」と思われてもいい。所詮は
どのお宅とも「別」なのであると結論する。
我が家の御近所、最近3軒がモダンな住宅に建替えられ、
三、四十代の家族が新住民となった。幼児から小学生まで
の子供たちも共通だが、井戸端会議はないようである。
我々がここに住み始めた若いころ、ご近所十軒あまりが
同じような三、四十代。子供たちが走り回り井戸端会議が
花盛りだった。しかし今は奥様方も皆年老いて井戸端会議
もすっかり減った。
最近の早朝の江戸川の土手、ご近所3人の旦那衆が鉢合
わせして井戸端ならぬ川端会議になることが多い。
しかし、今朝は若い娘さんたちが座り込んでの川端会議。
いや、少なからずアルコールの匂いがするから、日の出と
二十四夜の月を愛でる風流な宴会である。