じんべえ時悠帖Ⅱ

例幣使街道、群馬県から栃木県へ

 街道沿いのガストで昼食を済ませ午後の部を出発する。太田駅入口、

東本町の次の信号が「SUBARU正門前」。左手一帯の町名も「スバル町」。

以前は東本町であった。

 2017年に富士重工から社名変更した「株式会社スバル」の主力工場、

群馬製作所本工場である。太田市にはあと2工場ある。

 すぐ先に追分地蔵と道標がある。「右たたはやしこか道 左日光道

やき(八木)さの」。例幣使街道の旧道はここからスバル工場の中を

通って北東に向かった。迂回して少し先の東武伊勢崎線沿いを進む。

 線路沿いに駐車してある車はもちろんオール・スバル。あの六連星の

マークである。六連星(むつらぼし)は古事記や日本書紀にも出て来る

古語である。因みにスバルの普通車は全て3ナンバー。

 左手のスバルの工場が切れるあたりで踏切を渡って行くが、旧街道は

寸断され新興住宅街をクランクして進む。

 スバルの工場越しに見える低い山は金山城址。横瀬氏から改姓した

由良氏の居城で、謙信や信玄の攻撃にも堪えた山城だった。この先で

例幣使街道が復活する。

 広い国道122号を横切ってすぐの賀茂神社は「鳥居のない神社」と

自称する。その謂れは、

 ここで例幣使が休憩すると犬が激しく吠えた。供侍が犬を切り捨てる

と犬の首が宙を飛び鳥居の上の大蛇に噛みついた。例幣使を狙った大蛇

だった。犬を供養するとともに大蛇が上がった鳥居を取り外した、とな。

 1キロほどで県道128号となるが左折して県道256号をちょっと北上

した後右折して再び細い旧街道となる。小さな工場団地の先の郵便局手前

の100mほど道は、左が今まで歩いて来た群馬県太田市、右側が栃木県

足利市である。

 すぐ先の足利市に入ったところの八坂神社の社標の台座が道標に

なっているというので真面目にチェック。このあたりは足利市新宿

(アラシュク)だが宿場ではない。

 次回は3日目の終盤のラスト3キロ、八木宿に入る。

 

 

 

 

 


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