じんべえ時悠帖Ⅱ

福沢諭吉の「危うさ」

 一週間ほど前に「一万円札物語」と題して、戦前の紙幣の顔の中で

唯一GHQに承認されたのが「和を以て貴しとなす」の聖徳太子だった

ことを書いた。

 一万円札でその聖徳太子を引き継いだ福沢諭吉について、昨日の朝日

「日曜に想う」(有田哲文記者)から。

 福沢の「学問の勧め」にある「天は人の上に人を造らず、人の下に人を

造らず」はその下に「言えり」が続いていた。「そうは言われているが現実

はそうではない」というのが福沢の論旨。

 平等な社会を築くために学ぶのではなく、人の上に立つために学ぶ。

そのための学問の勧めだった。西洋に伍して国を強くするためにも、

学ぶに適する人が学ぶべきだと考えた。

 英国で生まれた優生学に影響された福沢の思想に危うさがあると指摘

するのは「福沢諭吉 幻の国・日本の創生」を最近著した池田浩士・京大

名誉教授。

 「時事小言」では、数百年に渡って士族(武士)社会で培われた高い

学習能力の「血統」を保護せよといい、「脱亜論」では中国・朝鮮とは

向き合わないと宣言する「危うさ」も然りと言う。

 一方「西洋事情」や「文明論之概略」では、西洋文明を咀嚼し日本を

その方向に導いたという功績も大きい。そして西洋にとことん嵌り込んだ

が故に「偏見」も身に宿してしまった。(引用以上)

 一方、新しい一万円札でその福沢諭吉を引き継いだ渋沢栄一は500もの

企業を起こし日本の資本主義の「父」と言われるが、600もの福祉施設の

設立や運営に携わったことはあまり知られない。

 さて、自民党総裁選候補9人の「派閥」は福沢派、それとも渋沢派?

 

日の出散歩の帰り道、早稲田公園編

 

 

 

 


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