今年の読書傾向は「偏向」している。北方謙三の「チンギス紀」
の第十五巻と完結の第十六巻以外は、麻生幾のいわゆる警察・公安・
自衛隊ものを読み漁っている。
NHKの連続ドラマにもなった「外事警察」を読んで嵌った。最近
読み終わったのが「エスピオナージ」。スパイ、あるいはスパイ活動
を意味する言葉である。
エスピオナージ(ESPIONAGE)の語源は古代フランス語の ESPIRE。
外を見る、隠れたものを発見するという意味だそうだ。
さて、麻生幾の「エスピオナージ」は500ページを超える全編の
ほとんどがある女の行動調査である。
女の何気ない日常生活を十数人の公安警察官が見張り、追跡する。
目的は諜報活動担当と思われるロシア大使館職員との接触を確認する
こと、次は担当班を代えて、接触現場を押さえて両方を逮捕すること
だが、やがて全く姿を見せない夫が・・・。
麻生作品をすでに10作近く読み終わり残りはわずかだが、年が明け
ても読んでいるかも知れない。
明るい江戸川風景