物差しや秤で計ることは誰でもできるけども、目分量や
手加減でちょうどその量を当てることは、誰にでもできる
ことではない。(田中美知太郎)
哲学者の言葉を、「折々のことば」の編者、鷲田清一は
「高度な技術による製品を使いこなせても、そもそも体で
計る力がなければ、世界に深く分けいれない」と解説する。
今朝の上のコラムを読んで、あの伊能忠敬を思う。一歩
三尺という正確な歩測で西洋の技術者をも唸らせる精緻な
日本全図を作った。
再び読み始めた井上ひさしの「四千万歩の男」によれば、
次の一歩が犬の糞を踏むことがわかっても、正確さを維持
するため避けることはしなかったという。
秋の夜長、全五巻三千五百頁の大作に挑戦中である。
さて、上信電鉄の旅、上州一宮貫前神社の参拝を終わり、
上州福島駅に向かう。途中の富岡製糸場は敢えてパスして、
マイナーな甘楽町小幡の城下町をのんびりと散策する。
駅から南へ向かうと長閑な田園風景の奥に浅間山。
今日は西風のようで噴煙が東に靡く。
駅からの坂道を上り、約2キロで甘楽町役場に着く。
トーチ?を持つ女子像の下はタイムカプセルで、2059年
の甘楽町100周年にオープンされるという。
この役場の隅に大きな板碑が立つ。その内容は現代語に
訳された口碑をお読みいただこう。
この先で上信越道を潜ると製粉工場が続く。このあたりは
蒟蒻の一大産地でもある。甘楽町役場の隣りのコンニャク・
パークには帰りによる予定である。
県道の舗装が石畳に代わり道の両側には養蚕農家の佇まい
が多くなって来る。
道の脇、街の西側を流れる雄川から引いた雄川堰が
勢いよく流れる。この街のシンボルである。
しばらく大きな養蚕農家の建物が続く。
次の交差点でこの街のシンボルである堰の元である雄川
に向かう。橋の袂にある「道の駅」は早い午前中のせいか、
駐車場に十台ほどの車が停まるだけで空いている。
裏手の旧家、松井住宅では先客のカップルが互いに写真
を撮り合っているので、遠くからの一枚だけで遠慮する。
雄川沿いの遊歩道に降りると、対岸にも板壁や白壁の家々
が多く情緒ある風景が続く。
まだまだ続く城下町小幡、続きは次回。
参院予算委員会、立憲枝野君の舌鋒鋭い質問には、菅君
も加藤君も梶山君もタジタジ。唯一小泉君だけがノー天気
に答える。