東証の取引システムがダウンして終日取引停止した。
バックアップシステムも動かなかったという。
重要な機器には必ず予備を持つ。これを信頼性工学
では「冗長系」という。いい意味の「冗長」である。
ある機器のある時点での信頼性(故障しにくさ)が
99%だとすると、逆に言えば故障する確率が1%とすると、
同じ信頼性を持つ予備機と併せた信頼性は、
1-(0.01×0.01)=0.9999
則ち99.99%となり、システムの信頼性が格段とあがる。
二つとも同時に故障する確率が0.01%と言ってもよい。
しかし、いざという時に予備機が確実に動くかどうか、
これを「スタンバイ信頼性」といい、常時動いていない
ことによる信頼性低下が影響してくる。
今回の東証のスタンバイ機が動かなかった原因は今の
ところわかっていないが、理想的なスタンバイとしては、
常時交互に動かすやり方もある。
信頼性ついでに言えば、宇宙へ飛び立つロケットの
一段目、二段目などの切り離しは「自爆ボルト」による。
各段を繋いでいる、例えば、10本のボルトが同時に確実に
爆発しないとロケットの姿勢が崩れてしまう。
よってこの自爆ボルトの信頼性は限りなく高くなくては
いけない。どう信頼性を保証するのだろうか。
簡単に言えば、一万本作って9990本が確実に爆発したら
残りの10本をロケットに使うというような方法である。
しかし、私が信頼性工学をかじったのはかれこれ40年も
前のこと。今では違うかもしれない。
今、東証の取引が無事再開、一昨日より高値スタート。
昨夜の中秋の名月と今朝の日の出