じんべえ時悠帖Ⅱ

例幣使街道、伊勢崎市柴宿へ

 例幣使街道初日の終盤、五料宿から利根川を渡るところ。前回、

例幣使街道唯一と言う関所への標識の矢印の意味を後で気が付く。

 こういう意味だったと。

 ともあれ、五料関所は見ずに長さ544mという五料橋で利根川を渡り

伊勢崎市に入る。例幣使街道は下流150mほどのところを舟で渡ったと

いう。上流側の奥にあるはずの赤城連山は霞が増して全く見えず。

 雄大な上下流の風景を見ながらのんびりと渡り切ると柴町の交差点。

そこから数百mで柴宿がはじまったという。

 苦労して探した玉村宿と違い、柴宿は「本陣跡前」というバス停が

あって探す手間が省ける。

 母屋は解体されたが部材は残されたという。いつの日か復元される

かも知れない。敷地は300坪ほど、本陣の建坪はその半分くらいか。

臺(台)所、湯殿、土蔵、長家などの文字が見える。

 通って来た五料宿もこの柴宿も旅籠10軒ほどの小さな宿。利根川の

川留め用の宿だったのだろう。本陣から間もなく街道(県道142号)は

館林に向けて右折する。

 曲がって数百メートルの雷電神社脇に、利根川を舟渡りして来た古い

街道が合流して一緒に左折する。

 真っすぐ1キロほどで着いた堀田町の交差点が初日のゴール。伊勢崎駅

からは数キロ離れているので路線バスに乗る。7キロ先の境宿まで行けば

500mほどで境駅があるが無理はよそう。

 諦めていた前のバスが数分遅れて来て間に合う僥倖。20分ほどで

伊勢崎駅に着く。現役時代、境町の工場にはよく来ていたが伊勢崎駅

は初めて。東武伊勢崎線の終点、JR両毛線の伊勢崎駅は思ったより

大きくて立派。やはり東武と両毛線が乗り入れる栃木駅に似ている。

 1時間に1本の東武伊勢崎線まで10ちょっと。駅ビルの日本海庄屋は

は諦めて、駅前の「ぎょうざの満州」で生ビールだけ呑む。館林、久喜、

南越谷と乗り換えて2時間40分の長い帰途である。


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