じんべえ時悠帖Ⅱ

驚くべき小松左京の想像力

「車内をちょっと見わたせば、花びらのように白いマスク

が点々と見え、人びとはあらためてこのガラガラにすいた

(いつもは)ラッシュの電車の中で、隙間風の吹くような

うそ寒い感じにおそわれるのだった。・・・誰かが熱っぽい

うるんだ眼をしており、誰かがはげしい咳をすれば、人々

はうす気味わるそうに、横を向き、身をひく。」

 

 カッコ内や句読点など、若干編集させていただいたが、

上の文は昭和三十九年(1964)、東京五輪直前の八月に

発刊された小松左京のSF小説「復活の日」の一部である。

 196X年、世界的な「チベットかぜ」の感染症が日本でも

広がり、三千万人が罹患したという設定である。

 2020年五月、緊急事態宣言下の東京のラッシュ時の電車

の社内風景と言っても誰も疑わないだろう。驚くべきSF

作家、小松左京の予言である。

  (朝日新聞土曜版「歴史のダイヤグラム(原武史)」)

 

 アメリカの新型コロナの感染者が一千三百万人に近づく

ことを考えると「現実」に起こった予言となった。その

五十年前に「スペインかぜ」のパンデッミクがあったとは

言え、まさに驚くべき小松左京の想像力である。

 

 先日まで連載した千葉の旅から紅葉などアラカルトを。

 

 

 


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コメント一覧

えめ
結論として、「ここに掲載された写真は、実に綺麗だな」と感じました。
えめ
早速のお返事有難うございます。メカに弱い独居老人の当方、工学部畑の方が家族に居られるといいなと思います。ビデオテープをDVDに移すには、一本3千円かかります。
jinbei1947
えめらるど様
「活動写真がカセットテープになり」、多分ビデオテープと思いますが、
これを円盤(DVD)に移す装置は存在し、さほど高価ではなかったと思います。
えめ
これらの写真や文章を後世に保存するには、私の知識では編集して印刷技術に頼るしか思い及ばないのですが、技術は色々に変化します。私共には二十年余り前に記念に写した活動写真がカセットテープになって沢山あり、テレビの画面に映して観ることが出来たのですが、今はそのような装置が無くなり、テープを円盤形のものに直す業者も少なく、かなり高額につきます。工学部系の方なら、如何お考えになりますか。
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