じんべえ時悠帖Ⅱ

「獺祭」という酒

 弊社の所在地である獺越の地名の由来は「川上村に古い獺がいて、

子供を化かして当村まで追越してきた」ので獺越と称するように

なったといわれておりますが(出典;地下上申)、この地名から

一字をとって銘柄を「獺祭(ダッサイ)」と命名しております。

 獺祭の言葉の意味は、獺が捕らえた魚を岸に並べてまるで祭りを

するようにみえるところから、詩や文をつくる時多くの参考資料等

を広げちらす事をさします。

                 (旭酒造のホームページから)

 

 獺(カワウソ)が、食べるためではなく自分より大きな魚(フナなど)

を獲って岩の上に並べることを正月の飾りの様だとして「獺祭」は

正月のことをいう(中国)。

 

 何年くらい前だったか「獺祭」という日本酒が急に有名になり、

品薄状態が続いた。品薄になると御存知のように経済の法則で値が

吊り上がる。価格が落ち着いたころ呑んでみた。

 酒米を38%まで(最高は23%という)磨き込んだ純米大吟醸が

マズイ訳がない。「酔うためではなく味わうために作った」と獺祭

の蔵元「旭酒造」の社長、桜井博志氏(72)が語る。     

 昭和の終わりごろ先代の父が死んで旭酒造を引き継いだ。売上は

10年前の1/3まで落ち込んでいた。地元山口では「負け組」だった。

なまじなことでは生き残れない。

1.純米大吟醸に特化(当時浦霞など美味い純米酒が出て来た)

2.経験と勘の杜氏を廃し、数値化して社員だけで一年中作る

3.地元では「負け組」と買い叩かれるので東京で売る

 34年前、引き継いだ時に2億円だった売り上げは昨年165億円

になった。少子化高齢化の日本には限界がある。現在4割の海外

売り上げを9割にする。世界を相手にするにはまずニューヨーク、

と最近アメリカに移住した。

 そして「獺祭」の経営者は日本の現状をこう見る。

 皆さんが漠とした居心地の悪さや不安を感じているなら、それは

目を背けている現実があるから。経営者的には、「前年比95%」の

落ち込みをするのが一番楽。倒産することもないし、新規投資する

必要もない。責任を問われることもない。だから衰退していく。

  (桜井博志氏については朝日土曜版「フロントランナー」から)

 やはりそうか、今のままでは日本に将来はない。

 

朝顔三色


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コメント一覧

jinbei1947
ワイコマ様
40%くらいまで磨いてしまうと、どの純米吟醸も似たような味わいになります。
昔の二級酒のような雑味の中にこそ個性がありますね。
ykoma1949
獺祭 も安倍総理がプーチンと飲んだ酒??として、高~い時に
買って飲んでみましたが、正直 我が町の「高波」と変わらず
コスパが悪いので、以後は地元の日本酒を頂いてます。
安倍晋三元総理がオバマに送ったり・・林財務大臣がG20蔵相会
議で使ったりして、国営コマーシャルでその地位を確保・・
なので、私は確かにまずい酒ではないが、それと同等の日本酒は
この日本にたくさん存在すると信じています。
お酒も、その日の体調、ストレスの状況、気分とその雰囲気で
大きく変わります。人間が飲むのですから当然です。
国営コマーシャルで安倍さんの追悼酒ならばいいが・・私には
コスパで・・信州の酒が一番です。
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