最近観たNHKBSの番組「フロンティアーズ」から。
タイ南部の密林で今も古代の狩猟生活を行こなう、わずか30人ほど
のマニ族。最近の詳細なゲノム分析で日本列島の「縄文人」の祖先で
あることがわかった。
アフリカ発祥のホモ・サピエンスが約6万年前に西アジア(中近東)に
進出し、そこからヨーロッパ大陸、ユーラシア大陸中部、南部と3つの
グループで広がって行った。
そのうちのユーラシア大陸南部グループがインドを経由して南アジア
へと進み独自の狩猟文化を築く(ホアビニアン)。約2万年前、その中で
フロンティア精神の旺盛な一団が海岸沿いを北上し日本列島に着いた。
縄文人はユーラシア大陸中部へ進んだグループ(後のハン民族など)とは
明らかに違うDNA特性を持つことがわかった。そして、最初に日本列島に
上陸した縄文人は約千人の集団だったこともわかった。
やがて縄文人は大陸から渡来した農耕民族に追われ弥生時代へと
入って行く。ゲノムのほゞ全体を解析できるようになった分子人類学、
恐るべしである。