自燈明・法燈明の考察

本山担当の思い出➂

 ちょっと長く「山の怪談」について書いてきましたが、今回は「本山担当の思い出」についての続きを書いてみたいと思います。

 前回は「本山担当の思い出②」として、丑寅勤行の事について書いてみました。今回書くのはその続きからとなります。

 朝のラジオ体操が終わると、必要な備品を準備して「御開扉」に間に合うように移動します。確か記憶では朝一番が10時からだと思いますので、9時前に輸送センターを出発して正本堂へと塔頭の中を歩いて向かいました。昔の「輸送班」時代には、塔頭を走って行ったと聞きましたが、そもそも寝不足でもあり、細かい石の段差のある塔頭を走るのは危険という事から15分ほどですが歩いて行ったのです。
 夏の季節では、朝の涼しい空気の中、まだ静かな塔頭を歩いていくのはとても気持ちが良いものでした。そして正本堂前に付いたら警備している日光警備(だったかな、、記憶は定かではありませんが)に挨拶して、門を開けてもらい正本堂に向かいます。
 正本堂では担当の僧が居て、挨拶してから場内に入ります。一般の登山ではこんな静かな正本堂に入れる事は無いので、これはこれでとても貴重な経験だったと思いました。

 正本堂場内では、真ん中に「黄緑色の絨毯」があり、それを飛び越える事は創価班とは言ってもご法度で、場内を横移動するには大変だった事を憶えています。(まあ先輩の中には、一般会員が入場前なので飛び越える人もいましたけどね。。。)
 この絨毯は、先輩から聞く事によると「広宣流布した際に、国主が大御本尊様の御開扉に歩く場所」という事だと聞いていましたが、それ以外にも大御本尊の遷座などの際の通り道という説もあり、要は「またいではいけない場所」という事で徹底されていました。

 場内に入ると、登山者の誘導の流れ、その際に立つべきポイントごとにメンバーを決めて準備となります。正本堂正面の広場の整理は別の班員が行うのですが、そこから場内に入場し、「思逸堂」という本堂前で誘導を引き継いでから、登山者を座席の列まで1人が誘導し、その座席からは別のメンバーが奥へと誘導するという事で、場内をくまなく埋め尽くす様に着席誘導します。

 創価班が誘導するのは、創価学会の登山者のみ。ほかの寺院の支部から来たのは「法華班」という、法華講青年部が誘導しますが、法華講と創価学会の座席配分はあらかじめ場所で切り分けていたと思います。また寺族などは勝手に入って来ていたと思いますが、そこはあまり記憶がありません。

 この入場に際してですが、法主猊下が入るときには、いったん入場の流れを止めました。これは正本堂担当の僧侶の指示となりますが、要は「人がわらわらと入るのは見苦しいから」という理由でした。でも当時の私なんかは「遠隔地から一生懸命きているのに、それを見苦しいとは、どういった事?」と疑問を持ちましたが、それを僧侶にぶつける事は憚られました。

 この御開扉の導師は法主猊下以外にも「お代理様」と呼んでいましたが、能化なのか役僧なのか、宗門内で高位の僧が行う場合もありましたが、その際には導師席を使わずに、内裏内にそのまま座って導師を行っていたので、良く分かりました。でもこれを知っている人は、少なかったのではないでしょうか。恐らく多くの人が、御開扉は毎回「法主猊下」がやっていると思っていたのではないでしょうか。

 創価班の本山担当でも、交替しながら1人1回は御開扉を受けるのですが、私がいた二部四班は正本堂内が着任場所なので、すべての御開扉を受ける事になります。しかし御祈念などで、皆が目を瞑り下を向くところでも、体調が悪い人が居ないか、変な挙動をしている人はいないかと、常に周囲に目配せをしているので、実際には御開扉という風にはなりませんでした。

 でも「法華班」もそうですが、「本山担当創価班」でも御開扉中に居眠りをしてしまう人は多かったですね。中にはイビキまでして居眠りしていた人もいたりしました。

 あと役得では無いのですが、私も何回かは「第二部長」の隣の最前列の席で御開扉を受けた事がありました。そこからだと大御本尊も良く見えて、あと話題のお厨子前のレリーフ(顕正会が話題にする、池田会長似のもの)もよく見えました。でも最前列で一番気になったのは、大御本尊の最後のお厨子を開けるために、所化だかが階段を上り下りするんですが、「あー、足踏み外さないかな、、大丈夫かな」と言う事でしたね。もし足踏み外して「ごろゴロゴロ」なんて落ちてきたら、あの高さであれば死んでしまう事でしょう。

 とまあ、様々な事をこの本山担当内では経験しましたが、今となっては正本堂も破壊され、私にとっては貴重な思い出となっています。


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コメント一覧

はなの
 当時はありがとうございました。
見えない所で苦労されて
誘導案内していただいていたのだと知りました。
登山会の思い出、懐かしく目に浮かびます。
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