『国会クラスター』警戒せよ! 自民若手「閣僚はマスク着用せず。正直危ない」 識者も警鐘「国会内で感染なら国際的信用が失墜」
2020.3.12 夕刊フジ
新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、安倍晋三首相は、大規模イベントの
自粛要請について、「今後おおむね10日間程度の延長を求める」と表明した。
ところが、国会では現在でも、与野党議員が本会議場や委員会室に集まり、口角泡を
飛ばしている。マスクの着用率も低い。国会で感染者集団「クラスター」が発生する
危険性はないのか。
「国会は危機意識が薄い。閣僚はまずマスクを着用していない。本会議場は議員同士の
席が近く、正直危ないと感じる。本音を言えば、ここは『政治休戦』して、本会議や
委員会を休んだ方がいいのではないか」
自民党の若手衆院議員は11日、夕刊フジの取材にこう語った。
衆院内閣委員会で同日、新型コロナウイルス感染のさらなる拡大に備え、
「緊急事態宣言」を可能にする新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案が採決され、
賛成多数で可決した。
先の若手議員によると、採決時に40人の委員のうち、マスクを着用していたのは
10人程度だったという。
政府の専門家会議は、これまで感染が確認された場所の共通点として、
(1)換気の悪い密閉空間(2)多くの人が密集(3)近距離での会話や発声
-という3条件を挙げている。
国会と重なる部分も多いため、感染抑止策は一応検討されている。
参院では、本会議場の使用していない議席を使って議員と議員の間隔を広げたり、
採決で「押しボタン」を使わずに起立採決にすることなどが浮上している。
ただ、基本的には議員や秘書が「自己責任」で感染防止に努めているのが現状だ。
ある与党幹部は「国会を開かないと、予算も法律も通らない。国民生活にも悪い影響が
出てくる。本会議や委員会の時間短縮も一案だが、やはり手洗いなどを徹底し、
乗り切るほかないだろう」と語る。
医学のプロはどう見るか。
山野美容芸術短大客員教授で医学博士の中原英臣氏は「万が一、国会内で感染が
起きたら、日本の国際的信用が失墜しかねない。政治休戦できないなら、議員会館も
含めて、国会全体を毎日消毒すべきだ。国民以上に感染防止にあたり、国の機能停止を
回避すべきだ。『国会クラスター』は冗談では済まされない」と警鐘を鳴らしている。