南スーダン内戦簡単な経緯
スーダン内の宗教の対立から内戦を経て南スーダンが独立。
独立した南スーダンはキール大統領とマチャル前副大統領の対立から始まり内戦になります。
次第に民族の対立に発展し、キール大統領派はディンカ族=政府軍、マチャル前副大統領派はヌエル族=反体制軍の対立が激しくなりまし
た。
キール大統領派のディンカ族がヌエル族の虐殺を始めた為ディンカ族対ヌエル族プラスその他の少数民族の対立に発展、戦闘が激化。
ディンカ族の他民族虐殺が激しくなり現在収拾が出来ない状態になっています。
武力衝突で済まされる状態ではありません。自衛隊ヤバイです
戦闘があったことが記載されている」自衛隊日報
南スーダン、1か月で5.2万人が国外退避 国連「大量虐殺」を警告
2017年02月08日 09:39 発信地:国連本部/米国 AFP
南スーダンの首都ジュバにある国連の民間人保護施設付近で、物を運ぶ避難民の女性とパトロールに当たる国連南スーダン派遣団(UNMISS)の兵士ら(2016年10月4日撮影、資料写真)
【2月8日 AFP】国連(UN)のアダマ・ディエン(Adama Dieng)事務総長特別顧問(ジェノサイド防止担当)は7日、政府軍と反体制派の戦闘が続く南スーダンから、1月だけで5万2000人余りが隣国のウガンダに逃れたと発表した。戦闘によって「大量虐殺が生み出される恐れがある」と改めて警鐘を鳴らした。
ディエン氏の声明によると、ウガンダに退避したのは主に首都ジュバ(Juba)の南に位置する複数の町の住民。民間人の殺害や家屋の破壊、性的暴行が行われたと証言しているという。
声明では「サルバ・キール(Salva Kiir)大統領は暴力を終わらせ平和をもたらすと約束しているが、現在も衝突が続いており、大量虐殺が行われるリスクが依然として付きまとっている」と警告した。
ディエン氏が特に危機感を示したのが、大規模な暴力の懸念から住民が退避している南部の都市カジョケジ(Kajo-Keji)の状況。同地には5日、状況を調べるため国連の平和維持活動(PKO)のチームが数日遅れで到着している。
南スーダン内戦「壊滅的規模」に、収拾つかない恐れを国連が警告
2017年02月16日 16:46 発信地:国連本部/米国 AFP
【2月16日 AFP】南スーダンの内戦が「民間人にとって壊滅的な規模」に達しており、さまざまな民兵集団の台頭によって事態の収拾がつかなくなる恐れがあると警告する機密報告書を、国連(UN)が安全保障理事会に提出していたことが分かった。戦闘が何年も続くことになると警鐘を鳴らしている。
アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長は、AFPが14日に入手した報告書の中で「記録的な人数」の民間人が自宅のある村や町から逃げていると指摘。集団的な残虐行為の危険が「現実に存在する」と述べている。
厳しい内容の報告書に先立ち、グテレス事務総長は先月、3年に及ぶ内戦の終結を目指して南スーダンのサルバ・キール(Salva Kiir)大統領や地方の指導者らと会談していた。
「(南スーダン)国内では各地で治安状況が悪化の一途をたどっている。長引く紛争と暴力行為がもたらす影響の大きさは、民間人にとって壊滅的な規模に達している」と、グテレス事務総長は述べている。
報告書によれば、内戦に関与する全ての当事者が高圧的な軍事行動を展開しているが、特にキール大統領に忠誠を誓う政府軍は「毎日のように家屋や人々の暮らしを破壊している」という。
その上で報告書は、「スーダン人民解放軍(SPLA、政府軍)や反体制派の緩い指揮命令下で次々と民兵集団が台頭し、組織の分裂や支配地域の移動が広がっている。こうした傾向が続けば「いかなる政府の統制も及ばない状態がこの先何年も続く恐れがある」と警告している
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参考
South Sudan general quits, cites army abuses and ethnic bias
【全訳】南スーダンの陸軍中将が軍による虐待と“民族的偏見”を理由に辞任|
ロイター(2017.02.11)
辞任したトーマス・シリロ・スワカ中将 (South Sudan News Agency記事より)
「キール大統領とディンカの部族指導者たちは組織的かつ戦術的に政府軍を部族の軍に変えた。軍や警察など治安組織の要員をディンカから
採用し、ディンカの兵士を戦略的にディンカ以外の地域に配備し、民間人を殺害し、レイプしている」。つまり、計画的な「民族浄化」が行われて
いる、と。(布施祐仁氏による要約)
南スーダンの陸軍中将が軍による虐待と“民族的偏見”を理由に辞任
South Sudan general quits, cites army abuses and ethnic bias
NAIROBI A South Sudanese general has resigned, citing abuses by the security forces against civilians and what he called increasing ethnic favoritism in the military, according to a letter seen by Reuters on Saturday.
(ナイロビ)ロイターが11日に入手した文書によると,治安部隊による民間人の虐待や軍における所謂"民族偏愛主義(ethnic favoritism)"を理由に南スーダン軍の将軍が辞任した。
Lieutenant General Thomas Cirillo Swaka, the deputy head of logistics, is the highest-ranking officer to resign since former Vice President Riek Machar fled after his supporters clashed in Juba in July with soldiers loyal to President Salva Kiir.
南スーダン軍兵站部門の副参謀を務めるトーマス・シリリオ・スワカ中将(Lieutenant General Thomas Cirillo Swaka)の辞任は,リエック・マシャール副大統領(Vice President Riek Machar) が解任されて国外へ退去し,昨年7月にジュバでその支持勢力とサルバ・キール(President Salva Kiir )大統領派の兵士らの両者が衝突を起こして以来,最高位の幹部による辞任となる。
Swaka, widely known as Cirillo, is respected by the international community and Western governments would see his resignation and the charges he has leveled as an indictment of the government, one security expert in Nairobi said.
「シリロ」の愛称で知られるスワカ中将は,国際社会や西側諸国の中で信望が厚く,中将の辞任は南スーダン政府に対する告発の証として受け取られるだろうと,ナイロビのある専門家はいう。
South Sudan has been riven by conflict since 2013, two years after seceding from North Sudan. Fighting broke out a few months after Kiir, from the Dinka tribe, sacked Machar, a Nuer. His reinstatement in 2016 lasted just weeks before violence erupted again.
南スーダンは,北部スーダンから分離独立してから2年後の2013年以後,紛争にまみれてきた。最初の戦闘は,ディンカ族のキール大統領がヌエル族のマシャール副大統領を解任した数か月後に起きた。その後,2016年にマシャール副大統領は再任されたが,戦闘が再開するまで数週間とかからなかった。
The conflict has increasingly followed ethnic lines, forcing three million people to flee their homes, bringing the nation of 11 million close to famine and leading the United Nations to say South Sudan was on the brink of genocide.
紛争は徐々に民族対立の様相を見せ,300万人もの人びとが避難を余儀なくされ,1100万の人口のこの国は飢饉の発生が危ぶまれており,国連が「南スーダンで民族浄化が起こりつつある」と警告を発するまでに至っている。
Swaka’s letter reinforced those warnings.
スワカ中将の文書はこうした警告を裏付ける内容となっている。
[実際の文書は6頁に及ぶ(南スーダン研究者のAllan Boswell氏のツイートより)]
“President Kiir and his Dinka leadership clique have tactically and systematically transformed the SPLA into a partisan and tribal army,” it read, using the acronym for the government Sudan People’s Liberation Army.
「キール大統領とその側近のディンカ族の部族指導者らの一党は,戦術的かつ組織的にSPLAをその一党と部族の私兵へと変貌させた」
SPLAとは,スーダン人民解放軍を意味する略称である。
“Terrorizing their opponents, real or perceived, has become a preoccupation of the government.”
「政府は実際であるかそうみられるかの区別なく,抵抗する者を武力で脅すことに固執している」
Swaka said the military, police and other security branches systematically recruited Dinka from the president and chief of army staff’s home region.
スワカ中将は,軍や警察等の治安維持機構の主要ポストは計画的に大統領や陸軍参謀の地元のディンカ族出身者で埋められたと告発する。
Non-Dinkas and Dinkas who disagreed with the president’s agenda were given remote postings or sidelined, he said. He also said “soldiers from the Dinka ethnic group have been strategically deployed and posted in non-Dinka areas to support the policy of land occupation.”
大統領の方針に逆らうディンカ出身でない者やディンカ出身者は,左遷されるか無視されたという。また文書によると「ディンカ族の兵士らはディンカ族でない者の地域に戦略的に展開・配置され,土地収奪・占領の政策の実施に駆り出された」という。
Swaka said the military raped and killed civilians and allowed tribal militias to commit the same abuses as well as running a network of secret prisons where torture was endemic.
スワカ中将によると,SPLA軍は民間人のレイプや殺戮を行い,部族民兵組織に同様の虐待を許し,拷問等が日常的に行われる秘密の収容所網を運営を任せているという。
The government routinely dismisses charges of ethnic bias and blames rebels for stoking trouble. Officials say any soldier committing abuses will be held to account and the president said on Monday any soldier committing rape should be shot.
南スーダン政府は民族的偏見(ethnic bias)に基づく犯罪が行われているという指摘があるたびに,反政府勢力に問題の責任があるとしてきた。政府・軍関係者等は,違反行為を行う兵士は責任を問われると主張し続け,先週6日にはキール大統領自ら,レイプを行う兵士らは銃殺するべきだとした。
Military spokesman Brigadier General Lul Ruai Koang did not return calls seeking comment about Swaka’s letter. The presidential spokesman also could not immediately be reached.
スワカの告発文書について,SPLA軍スポークスマンのルル・ルアイ・コアング准将( Brigadier General Lul Ruai Koang )にコメントを求めたが返信はなかった。大統領府のスポークスマンからも連絡はない。
U.N. officials and Western governments have accused both sides in the conflict of abuses.
国連や西側諸国政府の高官らは,違反行為は紛争の両当事者により行われていると非難してきた。