日中首脳会談 習近平氏、来春の国賓招請を受諾
2019.6.27 20:53 産経新聞
安倍晋三首相は27日夜、大阪市内のホテルで、20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)
出席のため来日した中国の習近平国家主席と会談した。
安倍首相は「習主席と手を携えて日中新時代を切り開いていきたい」と述べ、来春に国賓として
再来日するよう求めた。
習氏は「温かいご招待に感謝する」と応じる考えを示した。習氏は、今月、北朝鮮の金(キム)正恩
(ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談した際、金氏に日本人拉致問題に関する安倍首相の考えを
伝えたことを明らかにした。
習氏の来日は国家副主席当時の2009年12月以来で、13年の国家主席就任後は初めて。
中国国家主席の来日は10年11月の胡錦濤氏以来約9年ぶり。
両首脳は日中関係が「完全に正常な軌道に戻った」ことを再確認し、さらなる関係の発展を
図ることで一致した。
安倍首相は会談で、昨年10月の訪中で確認した「国際スタンダードの上に競争から協調へ」
などの3原則に言及し「3原則の上に日中関係が新たな発展を得つつあることを歓迎する」と述べた。
安倍首相、香港問題と人権問題に言及=日中首脳会談
2019年06月28日 14時20分 THE EPOCH TIMES
安倍晋三首相は27日、中国の習近平国家主席との会談で、「一国二制度」の下で自由で開かれた
香港の繁栄が重要だとの考えを伝えた。
中国本土へ容疑者を引き渡しすることを可能にする「逃亡犯条例」改正案をめぐって香港で大規模な
反対運動が起きている。また、人権の尊重や法の支配など普遍的価値の重要性も指摘した。新疆ウイグル
自治区での人権問題が念頭にあるものとみられる。
習主席の訪日は2013年の就任以来初めて。主席としては胡錦濤氏が10年に訪日して以来。
また、来春、国賓として訪日するようにという安倍首相の要請も受け入れた。
西村官房副長官は、日中会談後に記者団に概要を説明した。それによると、習主席は北朝鮮を訪問した際、
拉致問題を含めた日本の立場や安倍首相の考えを金正恩委員長に伝えたと紹介した。
その上で、拉致問題を含め、日朝関係改善への強い支持を表明したという。
日中政府の発表内容、日本「永遠の隣国」表記…中国側なし
2019/6/28 読売新聞
安倍首相と習近平(シージンピン)国家主席の27日の日中首脳会談を巡り、日中両国政府の
発表内容に違いがあった。
日本の外務省によると、首相は会談で、香港問題や南シナ海問題に言及した。
しかし、中国外務省の発表内容には含まれていない。香港から中国本土への犯罪容疑者の引き渡しを
可能にする逃亡犯条例改正案や、南シナ海で中国が進める軍事拠点化を巡り、「習氏が批判されたとの
印象を自国民に与えたくないため」(日中関係筋)との見方がある。
日本の外務省は、会談の合意事項に関する発表の中で、両国関係を「永遠の隣国」であると表記した。
中国側の発表にはない言葉だ。
諏訪一幸・静岡県立大教授(現代中国政治)は「中国側は当然の事実と判断し、表記しなかったのでは
ないか」とみる。
日中首脳会談 習近平氏、来春の国賓招請を受諾