イタリア、コンテ首相が辞任 連立政権崩壊
【ローマ】イタリアのジュゼッペ・コンテ首相は20日、辞任を表明した。
コンテ氏は議会上院での演説で、反移民を掲げる極右政党「同盟」を率いるマッテオ・サルビーニ
内相を、政治的危機を招いたとして非難した。同盟は反エスタブリッシュメント(既得権層)政党
「五つ星運動」と連立政権を構成する。
同盟と五つ星運動との連立崩壊により、五つ星運動が中道左派政党の民主党と新政権を巡る合意に
達しない限り、前倒しで総選挙が行われる可能性が高い。
サルビーニ氏は、イタリアが必要とするインフラ投資などの政策を五つ星運動が妨害していると主張。
8日には政府への支持を撤回し、総選挙を求めた。これに対し五つ星運動の幹部は、過去に激しく
対立した民主党との連立を模索し始めた。
イタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領は、議会で過半数を確保できる新政権の樹立が可能か
どうか近日中に政党党首と話し合う見通し。政権誕生に至らなければ、10月下旬か11月初旬にも
総選挙が行われるとみられる。