米国防総省、INF全廃条約で禁止の巡航ミサイルを実験 動画公開
米国防総省は、中距離核戦力(INF)全廃条約で禁止されていた巡航ミサイルの発射実験を行い
、動画を公開した。
発射実験は、米カリフォルニア州サンニコラス島で行われた
国防総省は、ミサイルは500キロ以上を飛行し、目標に命中したと発表した。INF全廃条約は、
射程500~5500キロのミサイル実験を禁止していた。
INF全廃条約は、米国のイニシアチブで8月2日に失効した。ロシアも離脱した。
ロシア外務省は、米国は1999年から条約に違反していると繰り返し強調していた。
米国は1999年、INF全廃条約で禁止されている地上発射型巡航ミサイルと特性が似ている
軍用無人機の実験を行った。
また米国防総省は、巡航ミサイル「トマホーク」を発射できる発射装置Mk41も2014年から
欧州に展開している。
中ロ、米国のミサイル実験を非難 軍拡競争の恐れ警告
引き起こす恐れがあると警告した。米国は数週間前、冷戦(Cold War)時代にロシアと締結した中距離核戦力
(INF)廃棄条約を破棄したばかり。
米国とロシアは今月、核・通常中距離兵器の使用を制限する1987年のINF廃棄条約を破棄した。両国は互いが
同条約に違反していると非難。米政府はまた、中国など他の大国との取り決めを交わす上で、同条約が足かせとなって
いたと主張していた。
米国防総省は19日、INF廃棄条約で禁じられていたタイプの地上発射型ミサイルの発射実験実施を発表した。
ロシアのセルゲイ・リャプコフ(Sergei Ryabkov)外務次官は国営タス通信(TASS)に対し「米国は明らかに、
軍事的緊張を高める進路を取った。われわれは挑発には応じない」「犠牲の大きい軍拡競争には引き込まれない」と表明。
今回の実験は、米国が条約を破棄する以前から長年にわたり同類のミサイル開発に取り組んでいたことを示したと述べた。
中国外務省の耿爽(Geng Shuang)副報道局長は「米国によるこの措置は新たな軍拡競争を引き起こし、
軍事対立を深めることになる」と指摘。米国は「冷戦思考を捨て」、「国際社会と地域の平和と平穏に資することを
もっと行う」べきだと述べた。