イギリスEU離脱①スコットランドは独立へ 円急騰
日本株記録ずくめの急落、日経平均下げ幅16年ぶり-英EU離脱派勝利
016年6月24日 15:40 bloomberg
24日の東京株式相場は急落し、日経平均株価の下げ幅はおよそ16年ぶりの大きさを記録した。
英国の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱支持派が勝利、今後の欧州や世界経済、グローバル企業への悪影響が懸念され、リスク回避の動きが加
速した。
TOPIXの終値は前日比94.23ポイント(7.3%)安の1204.48、日経平均株価は1286円33銭(7.9%)安の1万4952円2銭。2014年10月以来の
安値を付けた日経平均の下げ幅は、ITバブル期の2000年4月17日(1426円)以来の大きさ、下落率は東日本大震災直後の11年3月15日(11%)以
来となった。
三菱UFJ国際投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジストは、「金融の世界に身を置く立場からすると、英国のEU離脱はまさに想定外。
直近の調査などで残留期待が高まっていたため、余計にマーケットが荒れた」と言う。
当面の日本株は、主要中央銀行による流動性供給や主要国(G7)の協調で一時的に戻す場面があっても、「市場心理の冷え込みによって慎重なポジ
ション運営が続き、上値は相当重い」との見方を示した。
世論調査を受けた英EU残留派優勢の観測で前日の欧米株が上昇、為替市場でポンド高、円安となった流れから、きょうの日本株は続伸して開始。
日経平均は朝方に150円高まで買われたが、その後の開票で離脱派優勢の地区が増え始めると午前半ばに急落、
いったん下げ渋った後、午後は先物主導で一段安の展開となった。
午前11時すぎにITVニュースがEU離脱派勝利と伝え、昼休み時間帯ドル・円相場は一時1ドル=99円2銭と13年11月以来の100円割れまで円高
が加速。
これを受け、大阪取引所の日経平均先物は下げ幅が1000円を超え、午後早々にサーキットブレーカーが発動、10分間取引が一時停止された。
国営放送のBBCも午後0時40分すぎ、離脱派勝利を予想と報じた。
世界の金融市場が混乱に陥り、日本時間早朝は対ドルで上昇していた英ポンドも1985年以来の安値へ急落、米S&P500種株価指数先物や英
FTSE100指数先物も時間外取引で大幅安となった。三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、「数日でEU残留シナリオが盛り
返した反動もあるが、これほど大きく下げるとは思わなかった」と話す。
金融市場全てがリスク回避の方向にシフトし、日本株も「直近の楽観見通しで買った向きの投げとファンド勢などの売り仕掛けが殺到した」とみていた。
東証1部33業種は全て下げ、下落率上位は保険、証券・商品先物取引、鉱業、その他金融、輸送用機器、ガラス・土石製品、電機、ゴム製品、鉄鋼、銀
行。
値上がり銘柄数はわずか6にとどまり、値下がりは1954と過去最高に達した。
東証1部の売買高は36億2328万株と2月12日以来の多さ、売買代 金は3兆3383億円と約2カ月ぶりに3兆円を上回った。
売買代金上位ではトヨタ自動車やソフトバンクグループ、三菱UFJフィナン シャル・グループ、ファーストリテイリング、ソニー、日立製作所、富士重工
業、村田製作所など時価総額上位銘柄が軒並み8ー10%の下落率となり、欧州売 上高比率の高いマツダや日本板硝子、DMG森精機の下げもきつい。
麻生財務相:必要な時にはしっかりと対応する-英国EU離脱で円急伸
2016年6月24日 14:06 bloomberg
麻生太郎財務相は24日、英国の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱派が優勢との見方から為替市場で急激な円高が進んだことを受けて緊急記者会
見を開き、「足元の為替市場で極めて神経質な動きが見られている」とした上で、「為替市場の動向を緊張感を持ってこれまで以上に注視し、必要な時に
はしっかりと対応する」と語った。
財務相は「世界経済、為替市場などに与えるリスクについて極めて憂慮する」と発言。
主要7カ国(G7)各国との協調介入の可能性については「今、申し上げる段階にはない」と述べた。
また外貨の流動性の確保に向けては日本銀行が各国の中央銀行と結んでいる通貨スワップ網の活用などによって必要に応じて対応が可能だと語った。
離脱派の勝利が確定した場合、日本経済に与える影響については「いろいろなことが考えられるが、急にどうなるという話ではない」と述べた。
また、円高がさらに進んだ場合、海外市場で円売りの委託介入を実施するのかとの質問には「コメントしない」とした。
スイス出張中の黒田東彦日銀総裁はコメントを発表、「内外の関係機関との連携を密にしつつ国民投票の結果が国際金融市場に与える影響を注視し
ていく」と述べるとともに、「6中央銀行間のスワップ取り決めも活用しつつ、流動性の供給に万全を期すことを通じて、金融市場の安定確保に努めていく」
と述べた。日銀は米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)などと同取り決めを結んでいる。
JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは21日、ブルームバーグの取材に対し、「英国のEU離脱はポンドの問題であり、これを理由に円高が進
んだとしても日本単独での為替介入は難しい」との見方を示した上で、「仮に介入が必要となった時はG7で協調して実施する可能性が高い」と話した。ま
た、離脱による為替の変動は一過性で、次第に戻すと分析した。
24日の東京外国為替市場でドル・円相場は一時2013年11月以来となる1ドル=100円を割り込むと、一時99円02銭まで急落。その後やや値を戻し、午後0時
14分現在は101円90銭前後となっている。
イタリア・スペイン債下落、独10年債利回り最低-英国がEU離脱へ
2016年6月24日 15:55 Bloomberg
24日朝の欧州債市場でイタリアとスペイン国債が下落。英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を選んだことを受けて、低格付け債や株式が売られる一
方で、質への逃避が起こりドイツ債は上昇した。
イタリアとドイツの10年債利回り格差は約1年ぶり水準に拡大した。BBC放送が離脱派の勝利確実との見通しを報じ、ドイツ10年債利回りは過去最
低を更新した。
ロンドン時間午前7時10分現在、イタリア10年債利回りは32ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.72%。ドイツ債とのスプレッ ドは1.86
ポイントと昨年6月以来の最大。スペイン10年債利回りは29bp上昇し1.76%。ドイツ債とのスプレッドは1.94ポイント。
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