政府は来年、日本で初めて開催されるG20サミット=主要20か国の首脳会議について、各国首脳らが宿泊するホテルの
収容人数などの実地調査を行った結果、大阪で開くことを決定しました。
日本やアメリカ、それに中国、ロシアなど、主要20か国の首脳らが世界経済などについて意見を交わすG20サミット=主要20か国
の首脳会議は、平成20年(2008年)に第1回の会合がアメリカ・ワシントンで開かれて以降、毎年、各国で開かれていて、
来年は日本で初めて開催されることになっています。
政府は、大阪府と大阪市、愛知県、それに、福岡市が誘致に名乗りをあげる中で、各国の首脳や政府高官らが宿泊するホテルの
収容人数や警備上の課題などの実地調査を行い、検討を進めてきました。
その結果、政府は、G20サミットを大阪で開くことを決定し、時期については来年6月末から7月初旬とする方向です。
また、福岡市ではG20の財務相・中央銀行総裁会議を開く方向で検討を進めています。
来年はG20サミットのほか、天皇陛下の退位と皇太子さまの即位に伴う一連の儀式やラグビーワールドカップ日本大会、
さらに統一地方選挙や参議院選挙が行われます。
こうした中、政府内にはG20サミットのために日本を訪れる各国の首脳が天皇陛下と会見することも予想されるとして、東京での
開催を推す意見もありましたが、東京都はラグビーワールドカップへの影響を考慮して誘致に前向きではありませんでした。
一方、大阪は、平成7年に、APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議が開催された実績があるほか、ホテルなどの施設も
充実していることなどから開催地に決定したものと見られます。
政府は今後、G20サミットに合わせて開かれる閣僚会合の開催地の調整も本格化させる方針です。
来年 重要行事めじろ押し
G20サミットが開催される来年は重要な行事がめじろ押しです。
来年の3月末から4月にかけては統一地方選挙があり、その後、4月30日に天皇陛下の退位、翌5月1日に皇太子さまの即位に
来年の3月末から4月にかけては統一地方選挙があり、その後、4月30日に天皇陛下の退位、翌5月1日に皇太子さまの即位に
伴う一連の儀式が執り行われます。
また、例年、6月中旬から下旬ごろに通常国会の会期末を迎えます。そして、G20サミットが6月下旬から7月はじめにかけて
大阪で行われる見通しです。
さらに、来年の夏には参議院選挙が予定されているほか、9月20日からはラグビーワールドカップ日本大会が始まり、東京など
全国各地で試合が行われます。
「大阪を世界に知らしめる絶好の機会」
来年のG20サミットの大阪での開催が決まったことについて、大阪府の松井知事は「各国首脳が集まるG20サミット首脳会議の
開催都市として大阪を選んでいただいたことは、日本には、東京だけでなく、大阪という都市があることを世界に知らしめる絶好の
機会を与えていただいたものと認識している。今後、国と連携しながら、府・市・経済界のオール大阪で開催の成功に向けた準備に
全力で取り組みたい」というコメントを出しました。
大阪市の吉村市長は「G20サミット首脳会議の開催都市として大阪を選んでいただいたことをうれしく思う。この最高レベルの
国際会議は日本では初めての開催ということで、責任の重大さに身の引き締まる思いだ。施設やホテル、交通アクセスなどの都市
インフラの充実のほか、2025年の万博誘致に向けて世界への貢献を目指す大阪が開催するにふさわしい都市として評価いただいた
ものと理解している。地元として会議の成功に向けて、国と連携しながらオール大阪で一丸となって取り組んでいく」という
コメントを出しました。