「日帝残滓」を排除せよ! あの李舜臣ゆかりの池で“日本隠し”
「ウリジナル」を和訳するとしたら、「良いもの何でも韓国起源論」となろう。ここで言う「良いもの」を渉猟する(=広く探す)対象地域は、
中国(=例え ば、漢字や孔子)はもちろん、ヨーロッパ(=同、ピザやサッカー)にまで存在するが、主たる渉猟の地が、日本であること
は間違いない。
そして、対日ウリジナル渉猟活動と裏腹の存在であるのが、「日帝残滓・倭色の剔抉(てっけつ=暴き出す)一掃」の運動だ。
戦後70年もたつのに、いまだに「日帝残滓」が次々と剔抉されることの不可解さ。剔抉されても、一掃がいっこうに進まない事例が
多々あることは、より不可解だ。
住居表示のように、「この方式は日帝残滓だ」と剔抉し、米国流の「街(ストリート)表示方式」に改めたものの、いまだに混乱。「昔の
方が便利だった」との批判が尽きない例もある。つい「日帝って、優れていたのですね」と言いたくなる。
このところ問題として尾を引いているのは、軍隊内部での命令系統の用語の多くが、日帝が残した漢字語の韓国読みになっているこ
とだ。例えば、「気合(キハップ)を入れてやる」といった言い方だ。
まあ、言葉の問題は、ここではスルーしておこう。日本人がつくった和製熟語の「韓国読み語」を追放したら、現代韓国語は崩壊して
しまうのだから。仮に「和 製熟語を使うな」と大統領が命令を出したところで…いや、「大統領」という熟語そのものが和製だった。日帝
は、国の格により「中統領」「小統領」と区別す るような意地悪ではなかったのだ。
最近、聯合ニュース(2016年5月19日)が報じたのは、忠清南道(チュンチョンナムド)牙山(アサン)市の顕忠祠(ヒョンチュンサ)池の
「倭色」問題 だ。そこは豊臣軍と戦った英雄・李舜臣(イ・スンシン)の霊廟がある公園の中にある。その池が、京都・二条城の二の丸
庭園の池を模して造られたという批判 が、1990年代初頭からたびたび提起されてきた。
そこで、ついに8億ウォン(約7400万円)の予算で、自然石を積み上げる改修工事 をして、日本式庭園というイメージをなくすことに
したというのだ。よりによって、李舜臣のゆかりで造成した池が、日本のパクリだったとは驚きだ。工事によ り、池の広さは3割ほど減
るという。
韓国の自治体の中で「反日色」が濃いことで知られる仁川(インチョン)市は最近、東区、中区、南区、西区の名称を変えることにし
た。合併による市の領域拡大、市庁舎の移転により、名称と地域が結びつかなくなったことが直接の理由だ。
しかし、左翼系メディア「オーマイニュース」(15年12月18日)は、これに関連して「方位概念による行政区域名称は日本式」との説を
展開している。
もう、「毎度ご苦労様」としか言いようもない。
荒唐無稽な「韓国料理はダシが最高」
韓流ブームだったころ、韓流おばさんたちが、ほとんど同じセリフで“韓国自慢”をして聞かせてくれることに疑問を持った。どこかに韓
流おばさん向けのテキストでもあるのではないかと。何しろ韓国は情報戦争に長けた国だから。
韓国はいま「韓流ブームよ、もう一度」とばかり、対日宣伝工作を進めている。そんななか、東京の居酒屋で若い女性が「韓国料理
はダシ(出汁)が最高よ」と 言うのを小耳にはさんだ。数日後、寿司屋で中年の女性が「韓国料理はダシがいいのよ」と言っていた。私
はまた疑ってしまう。
対日情報心理戦を担当する部局が「今度はダシで行こう。おしゃべりな日本人女性の口コミを利用しろ」とでも指令を出したのではな
いかと。
それにしても「韓国料理はダシが最高」とは、荒唐無稽な話だ。何しろ、本来の韓国料理にはダシがないのだから。
手元にある『アシスト日韓辞典』(韓国・時事英語社発行、1994年)で「ダシ」「だし」をひいてみた。
《煮出し汁(筆者注=この部分のみ日本語)の省略語、煮汁。昆布、カタクチイワシ、かつお節などを煮て出した汁》とあり、訳語が
載っていない。
韓国のネーバー辞書にもアクセスしてみた。同じ説明書きで、やはり訳語はなかった。韓国語に対応する単語が存在しないから、説
明しなくてはならないのだ。
在日韓国人が経営する韓国料理店なら、ダシを使うかもしれないが、韓国料理にはないのだ。
肉や骨を煮出した肉水(ユクス)があるという人もいようが、これは冷麺の汁にするなど特定の料理の一部であり、ダシではない。
ダシがない食文化だったから、化学調味料大国になったのだ。くだんの肉水も、大体の店では大量の化学調味料を加えている。韓国
産キムチはもちろんだ。
韓国伝統の調理法では、アクを掬(すく)い取ることもない。伝統の「キムチチゲ」は、アクがだいだい色に泡立ったところが食べ頃
だ。アクも一緒に半分ほど 食べたところで、インスタントラーメンをぶち込み、ラーメンのスープ用の粉末もキムチチゲに振りかけて食
べるのが韓国流だ。
ダシも使わ ず、化学調味料も使わずでも、本当にうまい韓国料理もあった。「内臓湯」(ネジャンタン)だ。内臓湯というと、普通は豚や
牛のホルモンのコチュジャン煮込 みだが、うまいのは中央日報社の裏にあった日式料理店の内臓湯だ。頑固なオヤジが化学調味料
を使わず、真鱈の内臓だけをコチュジャンで煮込んでいた。青森 の郷土料理「じゃっぱ汁」(=真鱈などの内臓と野菜などを煮込み、
塩や味噌で味付けしたもの)のコチュジャン味と思えばいい。
しかし、世界有数の化学調味料大国だ。あの店は「まずい店」として、とっくに潰れていることだろう。