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カナダの娯楽大麻合法化でチョコレート工場が大麻工場に

2018-06-19 20:25:50 | カナダ・メキシコ・中央アメリカ

カナダの娯楽大麻合法化でチョコレート工場が大麻工場に

2018年6月18日(月)18時40分  Newsweek
 

かつてチョコレート工場だった建物を大麻工場に改装

トルドー首相の公約、秋には施行か

カナダの上院議会でこのほど、娯楽目的での大麻(マリファナ)の使用を合法化する法案が可決された。

トルドー首相が公約として挙げていたもので、目標だった今年7月の解禁には間に合わないが、秋には大麻が合法と

なる見込みだ。


法案は上院の修正案とともに下院に戻され、合法化に向けて今後さらなる調整が行われる。カナダの

大手新聞バンクーバー・サンは、法律として施行されるまでには8〜12週間かかるとしている。


全国レベルでの嗜好用大麻の合法化は、ウルグアイに続いてカナダが2カ国目となる。

G7(先進7カ国)では初めてとなるため、世界の視線がカナダに注がれている。


なかでも特に注目を集めているのが、カナダ最大の大麻製造業者キャノピー・グロースだ。

カナダのオンタリオ州オタワ近くにあるスミス・フォールズで、かつてチョコレート工場だった建物を

大麻工場に改装して事業を行なっている。


英紙ガーディアンによると、カナダの嗜好用大麻解禁に先立ち、この工場には世界中から見学希望者が殺到している。

ジャマイカ、ドイツ、デンマーク、オランダ、ギリシャ、オーストラリアからは政治家や警察関係者。

ニュージーランド、ブラジル、チリからは医者など。さらには投資家も工場見学にやってくる。

そのため、キャノピー側はすべてのドアに窓を作り、壁にも窓を新たに作って見学しやすいようにして

対応しているという。


マリファナで活気づくカナダの小さな町

キャノピー・グロースは2014年にツイード・マリファナという社名で医療用大麻の製造を開始し、2016年に

トロント証券取引所に上場した。今年5月24日には、米ニューヨーク証券取引所でも大麻製造業者として

初めて上場を果たしている。英紙ガーディアンによると、今回のカナダでの嗜好用大麻の合法化の動きを受け、

大麻関連株で利益を上げた投資家は多かったという。しかし今後は、バブルが崩壊するのか、それとも価格は

上がり続けるのか、まったく分からないとしている。


ブルームバーグは2017年12月、キャノピー・グロースが大麻の製造を開始して以来、オンタリオ州の

小さな町スミス・フォールズはチョコレート工場閉鎖以来の活気を取り戻していると伝えていた。

同社はスミス・フォールズの民間セクターとしては最大となる360人を雇用しており、工場周辺の経済を

活性化しているという。


CNNマネーは、大麻の娯楽使用がカナダで合法化された場合、市場規模は最大で70億ドル(約7750億円)と

伝えている。また、ビールや蒸留酒、ワイン、たばこなどからマリファナに切り替える人がいるだろうと

予測されており、アルコール類の売り上げは減少するとみられている。


コロラドでは犯罪増加、さてカナダでは?

大麻の娯楽使用合法化には、懸念もある。2014年に娯楽用大麻を合法化した米コロラド州では、同年から

組織犯罪が増加した。CNNによると、大麻の合法化と犯罪率の増加に関連があるか否かはまだ分からないが、

米国では全国的に犯罪率が減少傾向にあるため、これと反する動きに大麻が関係している可能性は否めない。

そのためコロラド州のヒッケンルーパー知事は今後、大麻を再び違法にする可能性は否定できない、

とCNNに述べている。


コロラド州の公衆衛生関連の高官であるラリー・ウォルク博士もカナダに注目している1人だが、

その理由は、州より大きな規模で、闇市場やオピイド問題に対する大麻の影響を見ることができるため、

とガーディアンに話した。


イスラエルのラフェエル・メコーラム博士は、大麻に中毒する人の割は10%で、アルコール類やたばこよりも

低いと予測している。ただし統合失調症の傾向がある人は、大麻使用で発症が早まる可能性があるという。

さらに、若年層が大麻を乱用した場合、中枢神経系にどう影響するかも気になるため、カナダの今後に

注視するつもりだとメコーラム博士はガーディアンに語った。