安倍総理大臣のオバマ米国大統領主催難民サミット出席
平成28年9月20日 外務省
本20日17時40分から、国連総会出席中の安倍晋三内閣総理大臣は、国連内会議場においてオバマ米大統領主催難民サミットに出席したところ、概要は以下のとおりです。
- 本会合は、オバマ米大統領が呼びかけ、我が国を含む約50カ国の代表が出席しました。G7からは、トルドー加首相、メイ英首相、レンツィ伊首相、オランド仏大統領、トゥスク欧州理事会議長、シュタインマイヤー独外相が参加しました。
- 会議では、世界的な難民危機への対応を強化するため、オバマ米大統領が、人道支援資金の増額、難民受入れ数の増加及び難民の自立支援を参加国に 呼びかけました。各国からは、国連の要請に応じた人道支援資金の増額、第三国定住やその他の手段による難民の受入れの拡充、難民の子どもへの教育支援や難 民の若者への就労支援の拡大等のコミットメントを紹介しました。
- 安倍総理からは、G7伊勢志摩サミットでG7の首脳が難民問題について議論したことに触れつつ、「難民サミット」を開催したオバマ米大統領のイ ニシアティブに敬意を伝えるとともに、日本は、「人間の安全保障」の実現のため、難民等への人道支援、自立支援及び受入れ国・コミュニティ支援として、 2016年から3年間で総額28億ドル規模の支援を実施するとともに、新たに立ち上げられた世界銀行のグローバル危機対応プラットフォームへの総額1億ド ル規模の協力を表明し、紛争の影響を受けた約100万人に対して教育支援・職業訓練等の人材育成を実施し、「シリア難民及びホストコミュニティ支援チー ム」として青年海外協力隊員が、シリア難民の子ども達の支援を行うことを表明しました。
オバマ米大統領主催難民サミット」における安倍総理大臣スピーチ
議長、御列席の皆様
に心から敬意を表します。
の確保に努力します。具体的には難民等への人道支援自立支援及び受入れ国・コミュニティ支援として2016年から3年間で
総額28億ドル規模の支援を実施します。
総額1億ドル規模の協力を行うことを表明します。
1 日米関係
冒頭,安倍総理から,今般のNY等のテロに対し,心からお見舞い申し上げる旨発言しつつ,我々は断固としてテロに屈しないという決意の
下,より具 体的協力を強化していく必要がある,日米で更に連携を強めたい旨述べた。続いて,安倍総理から,度重なる北朝鮮の核実験・ミサ
イル発射や,東シナ海・南シ ナ海における一方的な現状変更の試みなど,現行の国際秩序は様々な挑戦に直面しており,地域と国際社会の
安定と繁栄のため,日米同盟が果たす役割はかつて なく重要となっている,バイデン副大統領とも議論を深めていきたい旨発言した。
これに対しバイデン副大統領から,テロ事件に対する総理の言葉への謝意が表明されるとともに,日米同盟はアジア太平洋地域のみならず
国際社会の平和と安定にとって重要であり,引き続き同盟関係を強化していきたい旨発言があった。
また,安倍総理から,日米同盟の更なる強化が不可欠である旨述べつつ,普天間飛行場の辺野古移設が唯一の解決策との立場は不変であ
り,司法プロセスも進展している旨述べ,双方は沖縄の負担軽減にも引き続き共に取り組んでいくことを確認した。
2 北朝鮮
安倍総理から,北朝鮮の脅威は従来とは次元の異なるレベルであり,新たな制裁措置を含む安保理決議を速やかに採択すること等を通じて
北朝鮮への圧力を強化すべきであり,独自の制裁についても日米で緊密に協力していきたい旨述べた。
これに対し,バイデン副大統領から,総理の発言に同意する旨の発言があり,双方は,安保理での新しい決議採択に向けて中国とも連携し
つつ,作業の進捗を図るべく,日米で緊密に連携・協力していくことで一致した。
また,安倍総理から,人権問題の分野でも北朝鮮に圧力をかけることが不可欠であり,拉致問題を含む人権問題についても連携して対応し
たい旨述べた。バイ デン副大統領から,米国としても北朝鮮の動きには深く懸念しており,国際社会として圧力を強めていく必要がある旨述べ
た。
3 中国
双方は,最近の日中間,米中間の動きや海洋安全保障を含む様々な課題について意見交換を行った。その中で,安倍総理から,G20の際の日中首脳会 談において,習近平主席との間で日中関係改善に努めることに一致する一方,東シナ海における行動に自制を要請した旨説明したところ,バイデン副大統領か ら,東シナ海・南シナ海における中国の動きについて深い懸念が表明され,同盟関係を重視して対応していくとの米国のコミットメントが改めて表明された。
4 TPP
TPPについて,安倍総理から,日米主導でTPP早期発効に向けた機運を高めていきたい旨発言し,双方はTPPの早期発効に向け努力を続けていくことで一致した。
5 ロシア・ウクライナ
ロシア・ウクライナへの対応についてバイデン副大統領から照会があったのに対し,安倍総理から,戦後70年以上未解決の日露間最大の懸案である北 方領土問題を本気で解決したい,この問題はプーチン大統領と話をすることでしか解決できない旨述べつつ,12月に大統領を山口県に招待することとした旨発 言した。また,安倍総理から,対露制裁を継続し,G7の連帯を維持する考えに変わりはない,ウクライナについては,ミンスク合意を全ての当事者が完全履行 することが不可欠と述べた。
これに対し,バイデン副大統領は,安倍総理の賢明な対応を確信している旨述べ,双方は今後も緊密に意思疎通していくことを確認した。
日・トルコ首脳会談
9月21日午前11時40分(現地時間)から約45分間,安倍晋三内閣総理大臣は,第71回国連総会出席のため訪問したニューヨークにおいてレジェップ・ タイップ・エルドアン(H.E. Mr. Recep Tayyip ERDOGAN, President of the Republic of Turkey)トルコ共和国大統領と首脳会談を行った。概要はリンクへ
日・イラン首脳会談
9月21日17時40分から約40分間,安倍総理大臣はローハニ大統領(H.E. Dr. Hassan ROHANI, President, Islamic Republic of Iran)と首脳会談を行った、概要はリンクへ
安倍総理夫妻の和食レセプション出席
21日(水曜日)午後6時00分(NY時間)から約2時間にわたって,カーネギーホールにおいて,国際連合日本政府代表部,在ニューヨーク総領事館及び農林水産省の主催で,各国・機関の関係者等を招待して和食レセプションを開催したところ,概要は次のとおりです。
1 本レセプションは,和食の魅力を世界に発信し,日本文化の理解促進をはかるものであり,日本食普及の親善大使デービッド・ブーレイ氏らにより日本各地の素材がもつ多様な魅力を引き出し,日本の四季を表現した料理を紹介しました。
2 レセプションでは,安倍総理夫妻がメインゲストとして招かれ,岸田外務大臣夫人等も出席しました。冒頭挨拶において安倍総理は,本年が我が国の国連加盟60周年にあたることを紹介した上で,和食を通して交流を深めていきたい旨述べました。
3 レセプションには,中央アフリカ共和国,モンゴル,パナマ共和国の大統領,インドネシア共和国と南スーダン 共和国の副大統領,セントビンセント及びグレナディーン諸島とツバルの首相,ブルガリア共和国の副首相,15か国の外相等の閣僚の他,国際機関関係者,米 国議会議員,大学関係者,日系企業関係者など,230名を越える方々が出席しました。
ここには主なものしかピックアップしてませんが、いやはや凄いスケジュールです。政治家は重労働です。政府はブラック企業じゃないの。
大きな国際会議はいつもこうでしょうが、政治家は健康一番がいかに大事か判ります。
いつもお読み頂きましてありがとうございます。