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決死の亡命を果たした北朝鮮公使、韓国で約束される仕事と警護

2016-08-27 17:14:36 | 韓国

決死の亡命を果たした北朝鮮公使、韓国で約束される仕事と警護

2016年8月23日(火)13時20分 Newsweek
 
 
韓国に亡命した北朝鮮高官の中で最高位となる在英北朝鮮大使館のテ・ヨンホ公使には、24時間の警護体制と、韓国諜報機関傘下のシンクタンクでの快適な生活が与えられそうだ。過去に同じような道をたどった高位級の脱北者が明らかにした。

 韓国政府は17日夜、テ氏が家族とともに亡命し、ソウルに到着したと発表した。テ氏の亡命は、最高指導者の金正恩氏率いる、急速に孤立感を深めている北朝鮮指導部にばつの悪い一撃を与えることになる。

 貧しく抑圧的な北朝鮮から、豊かで民主的な韓国に渡った約2万7000人の脱北者の多くは、韓国社会への同化で苦しみ、経済的にも貧しい状況に置 かれている。しかし、北朝鮮の支配層と太いパイプを持つテ氏のような脱北者は、秘密主義の隣国を明らかにする価値ある情報源として重宝されている。

 金光鎮(キム・グァンジン)氏は、他の多くの高位級の脱北者同様、韓国の情報機関、国家情報院(NIS)傘下の国家安保戦略研究所(INSS)に勤めている。

「韓国で生活するためには、もちろん、誰でも仕事を必要とする。韓国政府は仕事を与えてくれる。私はINSSで働く機会を与えられた」と金氏は語る。金氏 は2003年、保険金詐欺への関与で醜名を流した在シンガポールの北朝鮮系保険会社で働いているときに、家族とともに亡命した。

 チェ・ジュファル氏は北朝鮮の朝鮮人民軍の上佐だった1995年、中国への出張中に香港経由で韓国に亡命。軍人の脱北者としては当時、最高位の人物となった。

 チェ氏は脱北者団体の長になるまでの1997年から2012年まで、INSSの研究員として働いていた。

「(韓国政府は)何の見返りもなしにテ氏に給与は払わない。彼はその研究所で仕事を与えられる可能性が最も高い」。67歳になるチェ氏は、INSSに言及しながら、こう語った。

 韓国情報機関のNISは、テ氏に関してのコメントを拒否した。
 

正体を隠す

 脱北者の中には、自分と北朝鮮に残してきた家族の安全のため、そして、北朝鮮出身者であることを分かりにくくするために、改名する者もいる。

 多くの脱北者は公の場で目立たないようにしているが、金氏のような一部の人々は、北朝鮮専門家としてメディアに登場し、有名になっている。

 テ氏はロンドンの在英北朝鮮大使館の公使として比較的目立つ立場にいたが、韓国では知られないように生活しようとするだろう、とチェ氏は予想する。

「彼は、ここに一緒に連れてきた家族の安全を考えないといけないので、公人としての生活は送ろうとはしないだろう。静かに暮らせば、周囲の人々を傷つけにくい。彼が公的な活動をするとは思えない」とチェ氏は話す。

 チェ氏は、安全上の懸念から、過去2年間にわたって、武装警察官4人に24時間体制で警護を受けていたと話した。同氏は現在も、以前ほど厳重ではないが警察の保護を受けている。

 金氏も、かつては武装したボディーガード1人に24時間体制で警護されていたと話した。

長くてつらい脱北の旅

 一般的な脱北者の大半は、陸路で中国国境を越境して第3国に渡る長期間の、そして、つらいことの多い旅を経て、最終的に韓国に空路で到着する。

 彼らは到着すると、居心地の良い部屋に1人っきりで最大180日間滞在することになる。そして、スパイや偽者でないことを確認するための審査を受ける。

 その後、彼らは再定住施設に移され、12週間にわたって韓国での生活に慣れるための支援を受ける。その間、施設外に出ることは許されない。

 韓国の議会予算事務局のデータによると、彼らの多くが最終的には飲食店をはじめとする低賃金の職業に就く。彼らの収入は、韓国国民の平均賃金の67%程度だという。

 脱北者は再定住プログラムを終えると、家と仕事を見つけるための支援金として1人当たり2000万ウォン(約180万円)を受け取る。彼らの中には、この支援金の一部を、脱北を手助けしたブローカーへの支払いに使う者もいる。

「一般の脱北者にとって、韓国で仕事を見つけたり、教育を受けたり、家族をつくったりすることは困難だ」と、2001年に亡命し、今は一般の脱北者を支援するため、チェ氏の団体で働くSeo Jae-pyoung氏は語る。

「人々が言うほど、それは簡単なことではない」

地位の高い脱北者に対しては、この過程が違ってくる。

 元保険会社員の金氏は、シンガポールの韓国大使館に亡命してから24時間以内に韓国に到着し、尋問を受けた。北朝鮮の朝鮮人民軍出身のチェ氏は、諜報機関の隠れ家で1人で尋問を受けた。テ氏も同じ扱いを受けることになるだろう。

 全体としては、2011年末に父親である金正日氏が死去したのを受けて金正恩氏が権力を掌握して以来、韓国への脱北者の数は減っている。

 しかし、2016年1─7月の脱北者数は、前年同期比約15%増の814人に上った。この中には、中国浙江省寧波市にある北朝鮮レストランで働いていた13人も含まれている。

 専門家は、北朝鮮支配層出身の脱北者の割合が高まっていると話す。それは、金正恩氏が実力者で叔父の張成沢(チャン・ソンテク)氏を2013年に処刑し、平壌のエリート層を動揺させてから始まったと、元保険会社員の金氏は指摘する。

「過去には、このようなエリート層出身の人々がここにやって来るとは想像できなかっただろう」と、金氏は語った。

韓国人にとっても生活するのが厳しい現在の韓国では、脱北者にとって更に大変なんですね。

それに脱北者に対する差別が酷く、地縁、血縁を重視する韓国社会で、これは解決の仕様がない問題です。

暖かくとまでとはいかなくても、普通に接しられないのでしょうかね。

脱北者の25%近くが韓国から出て第3国に行きたいと思っているそうです。(東亜日報調査)

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