ウクライナ東部紛争、年内の完全停戦で合意
2019年12月10日 / 10:07 REUTERS
[パリ 9日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領は9日、
ウクライナ東部紛争を巡り、年内の完全かつ包括的な停戦実施で合意した。
独仏を交えてパリで開かれた首脳会談では、互いの拘束者全員の年内釈放を目指すことでも一致した。
共同声明では「あらゆる停戦支援措置の実行を支えに、年内の完全かつ包括的な停戦実施を約束する」
と表明した。
プーチン大統領、ウクライナ大統領との初会談に満足の意
9日、仏パリのエリゼ宮でロシアのウラジーミル・プーチン大統領と
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が初の首脳会談を行った。
プーチン大統領は会談の結果に満足の意を示した。
ロシア・ウクライナ首脳会談は仏独首脳を含めた「ノルマンディー4者協議」が終了した後に行われた。
2国間会談は約1時間20分に及んだ。
プーチン氏は会談後、記者団に「はい、満足している」と語った。
さらに、「ノルマンディー4者協議」が終了した後、ウクライナ報道官のユーリヤ・メンデル氏は
交渉が大成功だったと述べた。
ノルマンディー4者協議
仏独首脳は共同コミュニケを発表し、ミンスク合意に書かれた紛争停止体制を今年末までに
確保することで合意した。
また、仏独首脳は全捕虜解放、信頼回復などの一連の問題に関して議論を発展させることが
できたと強調した。
「ノルマンディー4者協議」で仏独首脳は「シュタインマイヤー・フォーマット」を堅持するとの
認識で一致した。
「シュタインマイヤー・フォーマット」とは何か
「シュタインマイヤー・フォーマット」とは独元外相で現在、独連邦大統領の
フランク=ヴァルター・シュタインマイアー氏がミンスク合意の実現順序について行った提案で、
特にドンバスの特別地位の導入および恩赦、キエフ当局の支配の及ばぬ領域における選挙の実施を
どうするかが記されている。提案自体は2015年10月、「ノルマンディー4者」の代表らの
集まる席で行われていた。
「シュタインマイヤー・フォーマット」が提唱するのは、ウクライナ東部ドネツク州、ルガンスク州で
キエフ政権の管轄が及ばぬ地域での選挙実施の当日は、これらの領域の特別地位に関する法律を
一時的に発効させるというもの。ただし欧州安全保障協力機構(OSCE)と国際監視団が選挙の
成立を認めた後は、この法律は恒常的に機能する。その後、今まで両州を実効支配してきた当局は、
ロシアとウクライナとの国境コントロール権をキエフ当局へと引き渡す。