EMERALD WEB≪拝啓 福澤諭吉さま≫

政治・経済・生活・商品情報などさまざまな話題で情報を発信してます。

大統領のスキャンダルに立ちすくむ韓国

2016-11-30 11:53:23 | 韓国

大統領のスキャンダルに立ちすくむ韓国

2016 年 11 月 28 日 08:26 JST   THE WALL STREET JOURNAL

 

 【ソウル】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は軍事独裁者の娘として大統領府でかごの中の鳥のような幼少期を過ごした。その後、朴氏の暗殺された母親と話ができるという新興宗教の指導者が相談相手となり、朴氏は親しい友人をほとんど持たずに育った。

 そして今、ある友人との関係が朴大統領を追い詰めている。

 朴氏の相談相手だった新興宗教指導者の娘で、朴氏の友人となった崔順実(チェ・スンシル)容疑者(60)は人脈を使って大統領府を操り、私腹を肥やしたとして強要の罪で検察に起訴された。崔氏は大統領の機密文書の閲覧も許されていたという。

 米国のオバマ政権は、国家安全保障政策の中でも北朝鮮と強硬さを増すその核政策がドナルド・トランプ氏率いる次期政権の最優先課題になるとみている。しかし米国の友好国である韓国では、大統領をめぐる政治ドラマのせいで政府は身動きが取れないでいる。

 

韓国の朴槿恵大統領の友人、崔順実容疑者は人脈を使って大統領府を操り、私腹を肥やしたとして強要の罪で検察に起訴された。朴氏と崔容疑者との関係はどういう経緯をたどってきたのか。 Photo: AP
 
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した起訴状によると、崔氏が設立した複数の財団は崔氏と大統領との関係を利用して韓国の複合企業に数百万ドルを寄付させた。検察は大手企業グループのほとんどを家宅捜索した。寄付金の一部が崔氏のぜいたくな生活や崔氏の娘の乗馬訓練に充てられたと検察はみている。

 朴大統領も崔氏も容疑を否定している。大統領は涙を見せた今月の記者会見で、大統領府で祈祷の儀式が行われていたとの臆測を含め、メディアのさまざまな報道を否定。朴氏の弁護士はこうした疑いについて「幻想」だと述べた。

 容疑を否定しても大統領の辞任を求める声は収まらなかった。朴氏の辞任を求める大規模デモはこのところ毎週のように行われており、26日にもソウルでデモが行われた。主催者によると、参加者は100万人を超えた。世論調査では朴氏の支持率は4%にまで低下した。ある調査によると、国民の8割が朴大統領の弾劾を支持している。

 野党は大統領が辞任しない場合は、来月初めまでの弾劾投票の実施を求める意向だ。朴大統領は辞任の意思を示しておらず、野党が推す新首相と権限を分け合うことを提案している。

崔太敏氏(写真右)と一緒に歩く朴槿恵氏(1975年) Photo: Yonhap

朴大統領がこの騒動を乗り切ったとしても、朴氏の政治的権威は低下している。これは米国にとってリスクである。トランプ次期大統領にとっては早くも外交上の課題が浮上したことになる。好戦的な北朝鮮がもたらす危険に対処するのに米国が頼りにしているのが、韓国政府との緊密な関係だ。韓国に駐留する米兵は約2万8500人に上る。

 朴大統領は来年、北朝鮮が進める核兵器開発に備えて米国の最新鋭ミサイルシステムを配備したい考えだ。これに対し、野党の指導部は、フィリピンやマレーシアなどの他のアジア諸国が中国政府寄りの姿勢を示しつつある中で、韓国のミサイル配備に反対する中国との関係強化を重視している。朴氏に反対する国内勢力は北朝鮮への制裁を縮小して米国政府と決別しようともしている。

 2013年に朴氏が大統領に就任して以降、国民が長年抱えていた不満が表面化した。大統領と崔氏に対する疑惑はこの不満に乗じたものだ。

 朴大統領の父親の朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領は軍事政権の指導者として長期にわたって韓国を統治。他の新興市場国からうらやましがられるほどの急速な経済開発に道を開いた。一方、現在の韓国は経済成長が鈍化し、雇用情勢も悪化している。スキャンダルで名前が挙がったサムスン電子や現代自動車など、巨大企業に支配される韓国経済のあり方への不満が高まっていた。

 韓国国民は政治を傷つける汚職や利益誘導の疑惑にうんざりしている。こうした疑惑に巨大企業や権力を持つ一族が関わることも珍しくない。未婚の朴大統領は、家族がいないため歴代大統領を苦しめた家族がらみのスキャンダルとは無縁であることを強みの1つとして大統領選に出馬した。

 多くの国民は正統派ではない宗教団体の社会への関わりについても警戒している。韓国では主流派のキリスト教の宗派を信じる人が圧倒的に多いが、救世主を名乗る人物が率いる団体も次々と生まれている。例えば、故文鮮明氏が創立した統一教会は文氏がイエス・キリストの再来だと説く。

 韓国メディアは崔氏が祈祷師で、さまざまな問題をめぐって政府の政策に影響を与えたと報じている。朴大統領は祈祷の影響は一切受けていないと否定しているが、崔氏が政策に関する演説の執筆に関わったことは認めている。

 ある抗議デモでは、夫婦が幼い子供たちに「女王が魔女と一緒に悪いことをしたからお仕置きをしに」来たのだと説明していた。韓国は崔氏が牛耳る「スンシル共和国」だと自嘲気味に話す人もいた。

 朴氏は韓国の大統領として過去最低の支持率を記録した。国民が朴氏の一部の政策に不満を感じていたことに加えて、多数の犠牲者が出た2014年のフェリー転覆事故の後の対応に誤りがあったとの見方も影響した。

 しかし支持率下落の最大の理由は朴氏と崔氏の関係にあった。大統領をめぐるスキャンダルのルーツには、朴氏の家族の歴史が深く関わっていた。

軍人だった父親の朴正煕(パク・チョンヒ)氏が1961年にクーデターを起こして軍事政権を樹立した当時、娘の朴槿恵(パク・クネ)氏はまだ9歳だった。


軍事政権下で経済は20年に及ぶ高度成長を遂げた一方、政治的な圧政が続いた。父親が大統領在任中、朴氏はカトリック系の学校に通い、俗世間から隔離された生活を送っていた。ソウル市内の中心部にある韓国の伝統的な建築様式でできた広大な青瓦台(大統領府)で暮らし、すべての出入り口を数十人規模の警官が警備に当たっていた(青瓦台の名前は屋根に使われている15万枚の青い瓦に由来する)。1968年には北朝鮮の部隊が未遂に終わった大統領暗殺を謀り、青瓦台からわずか数百メートルの近くまで接近したこともある。

朴大統領は自伝の中で、青瓦台について「してはいけないことばかりで、子供には過酷な場所」だったと述懐している。朴氏は世間の厳しい目に絶え間なくさらされ、神経をすり減らしていた。ブラインドデート(お見合いデート)にも出かけられる同じような年頃の若者たちの暮らしと自らの生活を比べて、「息が詰まる」と表現した。朴氏は「『大統領の娘』は王女のように見えるだろうが、本人にとっては監獄になり得る」と記している。

 1974年に大学を卒業した朴氏は勉学のためフランスへ渡航。そこでは友人とのつきあいが週1回と限定された。世離れした暮らしの中で、朴氏は「女性の最たる理想像」として母親を何よりも尊敬していた。

 同年8月、北朝鮮に傾倒していた一人の男がソウルで演説中だった大統領の狙撃を試みたが失敗。だが大統領夫人が被弾し死去した。当時22歳だった朴氏は直ちに帰国し、ファーストレディーとしての立場を引き継いだ。母親の死を知らされたときは感電死するかのような衝撃を受けたという。

 

ほどなくして崔太敏(チェ・テミン)氏が朴氏の母親と話ができるといって近づいてきた。結婚回数6回の崔氏は、キリスト教まがいの新興宗教指導者に転じた元仏教僧だ。崔氏と近い関係にあり、大韓イエス教長老会の総会長を務めるチョン・ギヨン氏によると、崔氏はすぐに朴氏の信頼を勝ち取った。

 1979年にジミー・カーター米大統領(当時)が韓国を訪問した際には夫人のロザリン氏をもてなすなど、朴氏は公務をこなす父親の傍らに立っていた。チョン氏によると、その一方で朴氏は個人的に崔氏との距離を縮めていった。

 同年10月のある夜、青瓦台で夕食をとっていた父親の正煕氏は情報当局のトップを務めていた側近に射殺された。暗殺の動機は不明なままだが、事件後この側近は捜査当局に、朴氏に対する崔氏の影響力の拡大に不満を持っていたと話した。

 朴氏は公の場から姿を消し、北京語を学習するなどしていたが、崔氏との親しい関係は崔氏が死亡する1994年まで続いたと関係者は口をそろえる。朴氏が再び姿を見せたのは1998年に韓国南部の故郷、大邱で行われた国会議員補欠選挙だった。これで朴氏は政界入りを果たした。

 2004年にはハンナラ党(セヌリ党の前身)の党首になった。朴氏が率いる同党は一連の選挙で勝利を収めたものの、打ち解けない朴氏の態度には世間の厳しい目が向けられ、自身を最も不可解な政治家の一人にさせた。


過去とのつながり

 朴氏が2007年に大統領候補を決めるハンナラ党の予備選に初めて出馬した際(結果は敗北)、朴氏と崔氏とのつながりが問題視された。告発サイト「ウィキリークス」によって公表された在ソウル米大使館の外交公電によると、そのときの対立候補らは朴氏が「韓国のラスプーチン」の支配下に落ちたと表現していた。外交公電は、「死亡した(崔)牧師は朴氏の人格形成期に朴氏の全身全霊を完全に支配していた」と広くうわさされていると伝えていた。

 崔氏の娘である崔順実(チェ・スンシル)容疑者は朴氏への影響力を引き継いだようだった。崔氏が主催する複数の宗教行事に崔容疑者と朴氏がそろって出席している姿が目撃されている。朴氏は崔容疑者について、妹弟と疎遠になった後の孤独でつらい時期を乗り越えるのを助けてくれた親しい友人だと表現してきた。

 朴氏は先月、「一人暮らしで、個人的な用事を助けてくれる人が誰もいなかった。だから旧知の仲である崔順実に助けてもらった」と話した。

 韓国の検察当局は崔容疑者が朴氏とのつながりを利用して贅沢な暮らしをする一方、朴氏の公的な側面にも深く割り込んでいったとみている。崔容疑者はソウル市内の最も高級な一角で暮らし、韓国メディアによると、事情聴取にはプラダの靴をはいて現れた。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した起訴状によると、昨年7月に崔容疑者は中国の李克強首相が韓国訪問を計画中であるとの情報をいち早く耳にすると、商機を嗅ぎ取った。崔容疑者は朴氏とのつながりを利用し、2つのスポーツ・文化財団を設立するよう大統領府に促したと起訴状にある。狙いは中国側との契約締結だった。

 

検察当局によると、崔容疑者は2つの財団を「ミル財団」と「Kスポーツ財団」と名付けた。数カ月のうちに、これらの財団はサムスンや現代、LGといった複合企業から多額の資金をとりつけた。

 朴氏の側近2人がこうした企業からの資金提供に関わった。企業側は従わなければ規制面もしくは税金面で懲罰が下されることを恐れていた。検察当局によると、2つの財団は崔容疑者が所有するコンサルティング企業と取引していた。

 崔容疑者の弁護士は、崔容疑者が国家の問題に干渉したかどうかについてはコメントしなかったが、私財を肥やすために崔容疑者が朴氏とのつながりを利用したとされる点については否定した。

 同弁護士は、サムスンが崔容疑者のコンサルティング企業とスポーツ事業のコンサルタント契約を300万ドル(約3億4000万円)で結んでいたことを認めた。しかし、崔容疑者は財団を設立したわけでも、財団の資金調達に関わったわけでもなく、1つの財団での職員採用に関して単に推薦しただけだと話した。崔容疑者は来月から裁判所で強要や職権乱用の罪を問われることになっている。

 この件に関与したとされる複合企業からはいずれもコメントが得られなかった。Kスポーツ財団は先月、承認を得ていない活動に資金を使ったとの疑いを否定。ミル財団は電子メールで送付した質問状に回答していない。

 大統領府の報道官は一連の疑惑について「想像と臆測に基づくものだ」と一蹴した。

 朴大統領と崔容疑者のつながりを巡るスキャンダルはここ数週間で勢いを増し、朴氏はテレビ放送を通じて検察当局への協力を誓う一方、政権内で何ら役職に就いていない友人に自身の演説内容を事前に知らせたことを謝罪した。

 朴大統領は崔容疑者との関係を絶つことも約束した。


こんな低俗な話まで出てきています。

15年間、朴槿恵はチェ・テミン(チェ・スンシルの父親)と不倫を犯した。チェ・テミンの死後、チェスンシルの夫であるチョン・ユンフェと16年間不倫関係にあった。朴槿恵は関係の末に妊娠し2回の中絶、朴槿恵は長い間薬を使った。北朝鮮に行って朴槿恵が金正日に500億ウォン(50億円)を与えた。朴槿恵と金正日は関係を持った」

これは2013年ジョウン牧師という人が暴露したのですが、朴槿恵大統領を誹謗、中傷する話として当時はだれも相手にしなかったのです。

ところが今回のこの騒動で、バイアグラを青瓦台が購入していたという事から、この話は正しいのではないかと注目を浴びてしまいました。

チェ・スンシル国政介入事件を責めるのではなく、こういう低俗な話まで出てきてしまうのは、クネさまが「善悪二元論」による「悪」になってしまったので

徹底的に「悪」を叩くという現象の1つなのですね。侮辱的なことはまだまだ出てくるのではないでしょうか。

父親の朴正煕元大統領はクネさまとチェ・テミン氏が親しくなることに警戒感を持ち、かなり心配していました。

いつもお読み頂きましてありがとうございます。