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<米国黒人暴行死暴動>暴動と平和的抗議デモは別物::米各地で抗議激化、黒人男性殺害と「もはや関係なくなっている」と州知事  / 非暴力の「片膝立ち」広がる 共感の警官も。略奪批判、静かに抗議

2020-06-04 06:41:20 | 戦争・内戦・紛争・クーデター・軍事介入・衝突・暴動・デモ

米各地で抗議激化、黒人男性殺害と「もはや関係なくなっている」と州知事

2020年05月31日  BBC

https://www.bbc.com/japanese/52865421

「息ができない」「私たちを殺すのをやめろ」とホワイトハウスの前で繰り返す人たち(29日、ワシントン)

 

黒人男性が白人警官に殺害された事件を受けて、ホワイトハウス前でも抗議する

人たちがシークレットサービスともみ合うなど、抗議と騒乱が全米各地で相次いでいる。

そうした中で事件の起きたミネソタ州の州知事は30日、州内の騒乱がもはや男性殺害と

「何も関係ないものになっている」と述べ、州兵全員を動員するという異例の措置を

とると発表した。

 

ミネソタ州ミネアポリスで25日、武器を持たない黒人男性ジョージ・フロイドさん(46)

を取り押さえたデレック・チョーヴィン警官(44、29日に殺人罪で起訴)が膝で

フロイドさんの首を9分近く押さえつけ、死亡させた。フロイドさんが「息ができない!」

などと悲鳴を上げる様子を近くにいた人が撮影し、ソーシャルメディアで拡散した。

チョーヴィン警官と、現場にいた他の警官3人は免職された。

 

この事件を受けて、ミネアポリスで始まった抗議は連日続き、全米各地に広がり、

激化している。

 

ミネソタ州のティム・ウォルツ州知事は30日の記者会見で、「ミネアポリスとセント

ポールの素晴らしい都市が攻撃されている」、「ミネアポリスでの状況はいまや、

市民社会を攻撃し、恐怖を駆り立て、この素晴らしい街を揺るがすためのものになって

いる」と述べた。

 

ウォルツ知事は、警察署や店舗などが焼かれた29日夜の暴力沙汰は、「これがジョージ・

フロイドの死に関係するとか、有色人種コミュニティーへの不公平や歴史的トラウマに

関係するとか、そういう振りをすることさえ、馬鹿にするものだった」と批判した。

 

ウォルツ知事をはじめ複数の政府当局者は、市内で暴力行為を繰り広げている多くは、

騒ぎを大きくするために州外からやってきて暴れているのだと示唆しているが、詳細は

明らかにしていない。

 

州当局によると、29日夜には数万人がミネアポリスでの抗議に参加した。ウォルツ知事は

すでに州兵の一部を事態鎮圧に投入しているが、初めて全州兵1万3000人を動員する方針を

示した。

 

米国防総省は、ミネソタ州が要請するなら陸軍の軍警察を配備する用意があるとしている。

 

29日夜から30日未明にかけて、ミネアポリスのほか、ニューヨーク、ロサンゼルス、

アトランタ、ポートランドなどで抗議する人たちが警察と衝突した。首都ワシントンでは

ホワイトハウスの前にデモ隊が集まり、シークレットサービスと押し合いになった。

シークレットサービスはホワイトハウスをしばらく封鎖して出入りを禁止した。

 

各地で夜間外出禁止令や緊急事態宣言が出されたが、複数の街で建物や警察車両に

放火されたほか、店舗からの略奪も相次いだ。

 

カリフォルニア州ロサンゼルスでは少なくとも2台のパトカーが燃やされ、機動隊が抗議者と衝突した(30日、ロサンゼルス)

コロラド州デンヴァーでは州議会前に数千人が集まり、フロイドさんがさせられたように手を後ろに回して地面にうつぶせになる「ダイイン」抗議に参加した(30日、デンヴァー)

ホワイトハウスの正面にあるラフィエット広場公園の周りを封鎖する機動隊と、抗議する女性(30日、ワシントン)

 

フロイドさんが育ったテキサス州ヒューストンでは、抗議に参加した19歳の男性が

米AP通信に対して、「僕が聞きたいのは、あと何人こうなるんだ?です。あと何人? 

みんな仲良く暮らす未来に、自分たちが抑圧されない未来に住みたいだけです」と話した。

 

ミネアポリスでは黒人住民と警察が長年の緊張関係にある。2016年7月には、自動車の

後部ライトが壊れていたため警察に呼び止められた黒人男性フィランド・カスティールさん

(32)が、警官に撃たれて死亡している。

 

また、この前日には南部ルイジアナ州で黒人男性が警察に射殺されていた。また1ヵ月後の

8月半ばには、中西部ウィスコンシン州で黒人男性が警察に射殺され、続く同年9月下旬

には南部ノースカロライナ州でも黒人男性が警察に射殺された、激しい抗議が市内で

起きた。

 

アメリカでは多くのアフリカ系市民が、今も社会に根強く残る人種隔離により社会経済的

に不利な状態に追い込まれており、白人よりも失業率が高い。

ミネアポリスでは30日、放火されたり略奪にあったりした建物の片付けに大勢が参加した

 

トランプ氏は何と

ドナルド・トランプ米大統領は30日、フロイドさんの殺害に「多くのアメリカ人が

恐れと怒りと悲しみでいっぱいになった」と述べた。

 

スペースX社の宇宙船を乗せたロケット打ち上げの後、フロリダ州からテレビ演説した

トランプ氏は、「平和を求める全てのアメリカ人の友人として、仲間として、私は今

ここにいます」と言い、「略奪者と無政府主義者」を批判した。

 

トランプ氏は、今必要なのは「憎しみではなく癒し、混乱ではなく正義だ」と述べ、

「暴れる暴徒が事態を支配するなど許さない。そうはさせない」と強調した。

 

これに先立ちトランプ氏は、集まったデモ隊からホワイトハウスを守ったシークレット

サービスをたたえ、もしデモ隊がホワイトハウスの警備ラインを突破していたなら

「見たことのないほど獰猛(どうもう)な犬と不吉な武器に迎えられていたはずだ」と

ツイートしていた。トランプ氏はさらに、抗議は「組織化された団体」によるもので

「ジョージ・フロイドとは何の関係もない」とツイートした。

 

放火され打ち壊しにあった郵便局(30日、ミネアポリス)

29日夜に焼かれた車両(30日、ミネアポリス)

平和的抗議に参加する人たちのために寄付された食料や飲み物を教会前で整理する人たち(30日、ミネアポリス)

 

「自分の家を燃やすな」と人気ラッパー

ジョージア州アトランタでは、CNN本社ビルの正面を含め、複数の建物が被害にあった。

 

ケイシャ・ランス・ボトムズ市長は記者会見で、「これは抗議ではない。これはキング

牧師の精神にのっとるものではない。あなたたちはこの街をおとしめている。

あなたたちは、ジョージ・フロイドの人生をおとしめている」と厳しく非難し、

「自分を守るため、家にいてください」と呼びかけた。

 

同じ記者会見にはラッパーの「キラー・マイク」ことマイケル・サンティアゴ・レンダー

さんも参加し、自分の親類にはアトランタ市警の警官が大勢いると前置きし、

「自分はここにいたくない。でもこうするのが自分の義務だと思う」として、

「自分も激怒してる。でも抗議したいなら、自分の家を燃やすな。自分の家を守って、

投票して抗議しろ」と呼びかけた。

 

ニューヨーク市ブルックリンでも、抗議者が警察にものを投げつけ、パトカーに放火

するなどして衝突した。複数の警官が負傷し、多数の人が逮捕された。

 

ミネアポリスでは機動隊が催涙ガスを使用した(29日、ミネアポリス)

ニューヨークで催涙ガスを浴びてミルクで洗い流す抗議者

 

現場では何が

フロイドさんが死亡した経緯について、フロイドさんが偽造20ドル札を使った疑いが

あると通報を受け、警官たちがパトカーに乗せて職務質問しようとしたところ、

フロイドさんが地面に伏せて自分は閉所恐怖症だと主張したと、ミネアポリス市警は

説明している。

 

市警によると、フロイドさんが抵抗したため、警官が手錠をかけたという。

現場の様子をとらえた動画では、フロイドさんが地面にうつぶせになる前の経緯は

分からないものの、白人警官がフロイドさんの首に膝をのせて押さえつけている様子や、

フロイドさんが「お願いだ、息ができない」「殺さないで」などと発言する様子は

見てとれる。

 

地元ナイトクラブの元オーナーによると、起訴されたチョーヴィン元警官とフロイド

さんは昨年まで同じナイトクラブで、警備係として働いていたという。ただし、面識が

あったかは明らかになっていない。

 

「黒人の命は大事だ」、「息ができない」などと書かれたプラカードを手にした人たちのデモ行進が、各地で続いている

 

フロイドさんの死因は

郡検視官の正式な死体検案書はまだ発表されていないが、検察の起訴状によると

検視の結果、窒息が直接の死因ではなく、心臓疾患のあったフロイドさんが「警察に

取り押さえられたことと基礎疾患の組み合わせ、体内にもし酩酊物質があったなら

それも合わせて」、死因になった可能性があるとしている。

 

検視官によると、チョーヴィン元警官は8分46秒にわたり、フロイドさんの首を膝で

押さえつけていた。フロイドさんが反応しなくなった後も、3分近く、そうして押さえ

続けていた。

 

膝をどかす2分近く前に他の警官がフロイドさんの右手首をとったが、脈拍は確認

できなかったという。救急車でヘネピン郡病院に搬送され、その約1時間後に死亡が

宣告された。

 

ミネソタ州の警官服務規程によると、容疑者の逮捕術として、相手の気道を直接圧迫

しない形で容疑者の首を押す技術の訓練を受けた警官は、膝の使用を認められている。

これは、容疑者制圧のための致命的ではない方法とされている。

 

 

2020ロス暴動の様子 ただの略奪と放火になっている現在 お店の人や近隣の住民が何か悪いことしたか? ロサンゼルス市は外出禁止令出しました。

 

 

黒人男性の暴行死に抗議、大半は平和的 連帯と協調

 

非暴力の「片膝立ち」広がる 米反人種差別デモに共感の警官も 略奪批判、静かに抗議

2020年6月2日 21時10分(最終更新 6月2日 22時05分)  毎日新聞

抗議デモ参加者と共に片膝をつき、連帯を示す警察官=米東部メイン州ルイストンで1日、AP

 

 米中西部ミネソタ州で黒人男性が5月25日に白人警官により拘束死させられた事件から

1週間。全米各地に広がったデモでは、一部の参加者が略奪や放火を起こすなど暴徒化

する一方で、非暴力で静かに抗議の意思を示す人も目立ってきた。その象徴が片膝を

つく姿勢だ。2016年に米プロフットボールNFLの選手が警察による暴力や人種差別への

抗議として始めたポーズに由来し、デモに共感する警官の間でも広がっている。

 

 5月30日に過激化したデモ隊と警官隊が衝突した西部ロサンゼルスでは31日以降、

片膝をついて警官に対峙(たいじ)する参加者が増えた。店舗の破壊や略奪をしようと

する人に対し、手を広げて制止する人もいる。黒人男性死亡事件が起きたミネソタ州

ミネアポリスや東部ニューヨークなどでも同様の姿が見られるようになった。

暴動化するデモへの批判も高まる中、本来の目的をアピールするためだ。

 


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