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中国襲う「アフリカ豚コレラ」、アジア拡散防げるか ➡中国で確認のアフリカ豚コレラ「アジアに拡大はほぼ確実」

2018-09-08 01:25:02 | 医療・疾病・疫病・パンデミック・新型コロナウイルス

中国襲う「アフリカ豚コレラ」、アジア拡散防げるか

2018年8月28日 / 11:50   REUTERS

[北京 24日 ロイター] - 中国政府が、急速に広がるアフリカ豚コレラ(ASF)の感染拡大を食い止めようと、

躍起になっている。世界最大の飼育頭数を誇る中国の養豚業界では3週間で4例の集団感染が報告されており、

ASFが東南アジア諸国に飛び火する懸念も出ている。

 

世界の豚肉生産量の半分近くを占め、国民1人あたりの豚肉消費量が世界最大の中国でASFが発生したことは、

すでに欧州やロシアで感染が拡大していたASFの流行が新局面に入ったことを意味する。


「これほど生産規模の大きな環境でASFの流行が発生したのは養豚業界では初めてで、疾病管理の手法もまだ

実証されていない」と、米国の研究機関、豚健康情報センターは警告している。

 

<症状は>

国際獣疫事務局(OIE)によると、ASFは最も深刻な豚の疾患で、発熱のほか皮膚や内臓からの出血が起き、

2-10日で死に至る。

致死率は、最大100%に達する。


ダニや豚同士の直接接触で感染するほか、汚染された食料や動物のエサ、人の移動によって他地域に広がることもある。

ワクチンはない。人体への害はない。


<ロシア発>

ASFが発生した国の中で最大の地上面積を持つロシアは、この10年ほどASFの封じ込めに取り組んできた。

ロシアではこれまで約80万頭の豚がASFにより死亡。ミラトルグやルスアグロなどの食肉農産物企業大手の

養豚場にも感染が広がり、小規模養豚場の生産高を半減させた。


過去1年ほどは中国国境地帯の方向へと次第に感染が広がり、中国側で飼育されている豚もリスクにさらされる

状態だったと、専門家は言う。


国連食糧農業機関(FAO)によると、2017年3月に中国国境から1000キロの地点にあるシベリア地方

イルクーツクで大流行が発生し、それまで流行していた東欧中心部から初めて大きく「飛び火」したことが確認された。


中国で発生したASFの型は、ロシアやジョージア、エストニアで発生したものに似ている。バンコクを拠点とする

FAOの越境性動物疾病緊急センターのプロジェクト地域マネジャー、Wantanee Kalpravidh氏は24日、

こうロイターに明らかにした。


2007年から2017年7月にかけて、欧州大陸では5445件のASFが発生し、うち903件はロシアだった。



 

<中国の課題>

FAOは3月に出した報告書で、ASFがもし中国に広がれば「動物の健康や食品の安全、食物安全保障に

壊滅的な結果を引き起こし、さらに東南アジアへの感染拡大の可能性が高まる」と、警鐘を鳴らしていた。


前出のKalpravidh氏によると、今月3日に中国北東部の遼寧省瀋陽で確認された最初の感染について、専門家は

今なお感染源を特定しようとしている。


中国ではその後短期間に3省で感染が確認されたが、感染地点がそれぞれ遠く離れていることが、中国政府による

疾病管理の課題を物語っている。


その距離感を比較するため、感染が確認された4省の面積を合計すると、スペインの国土にほぼ匹敵する。


最初に大流行が発生した遼寧省から一番最近感染が確認された浙江省温州に達するには、豚の生産地でもある

河北省や山東省、江蘇省を通って南下する2150キロの道のりを走らなければならない。江蘇省でも感染が

確認されている。


近年の北東部での養豚セクターの急激な拡大は、養豚場から中部や南部の市場や解体処理場まで数千キロの距離を

生きた状態で運ばれる豚が増えていることを意味する。


養豚場には小規模な家族経営から巨大ビジネスまでさまざまな規模があることに加え、野生のイノシシが多数生息

していることが、病気の管理や予防を困難にしていると、FAOは指摘している。小規模養豚場は中国の豚肉の

27%を生産している。


ASFに感染しても症状が出ないことがある野生のイノシシの生息数は、推計3350万頭に上ることが、

FAOのデータを基にしたロイターの計算で判明した。豚は、処理されていない、または火が通っていない

廃棄食品物や残飯を摂取することもある。


中国政府は1994年以降、農産物にダメージを与えていることが証明できない限り、農業者が野生のイノシシを

駆除することを禁止している。


<根絶は困難>

ASFは約1世紀前にアフリカで発見され、1960年代には欧州大陸に感染が拡大した。欧州では、根絶に

30年を費やした。


OIEによると、これまでの根絶成功例では、早期診断や、汚染が確認された場所の動物の殺処分と廃棄、

徹底的な洗浄と消毒、ダニなどの害虫駆除、移動の管理や監視が欠かせなかったという。


もっとも最近に欧州で広がった感染例では、まず2007年にジョージア(当時グルジア)で感染が報告され、

アルメニアやロシア、アゼルバイジャンに広がった。2012年にウクライナ、2013年にはベラルーシ、

2017年にはルーマニアに広がっている。

韓国ではアフリカ豚コレラのウイルスの遺伝子が検出されています。

米国では、感染は確認されていない。

 

中国で確認のアフリカ豚コレラ「アジアに拡大はほぼ確実」

中国で相次いで確認されている豚の伝染病、「アフリカ豚コレラ」について、FAO=国連食糧農業機関は、

アジア諸国に感染が拡大するのはほぼ確実だと警告し、各国と連携して感染の拡大を食い止める対策を進めることに

しています。


アフリカ豚コレラは感染した動物との接触やダニが媒介する豚やイノシシの伝染病で、人には感染しないものの、

有効なワクチンや治療法がなく、感染が広がると畜産業に大きな影響が出ると懸念されています。

先月初めて感染が確認された中国ではこの1か月間で18の養豚場や加工場に感染が広がり、感染したおよそ4万頭の

豚を殺処分するなど対策を急いでいます。

こうした状況を受けてFAOは、日本を含むアジア諸国の担当者や専門家などを集めた緊急の会合を開き、

アジア諸国に感染が拡大するのはほぼ確実だと警告しました。

そのうえで、各国と連携して専門の組織をつくって感染の拡大を食い止める対策を進めることを確認しました。

アフリカ豚コレラをめぐっては、日本でも農林水産省が養豚業者に対し飼育場への人の出入りを最低限に

抑えることなどを呼びかけるとともに、中国などアフリカ豚コレラが発生している国への渡航者に対し、

許可なく肉類を持ち帰らないよう呼びかけるなど警戒を強めています。