駐日ロシア大使のアファナシエフ氏 THAADめぐり日本に警告
2017.2.9 22:00 産経新聞
【モスクワ=黒川信雄】ロシアのアファナシエフ駐日大使は、日本に対し米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を配備しないよう警告していることを明らかにした。インタファクス通信が9日、報じた。10日に予定される日米首脳会談を前に、アジア太平洋地域での米軍のプレゼンス強化の動きを改めて牽制(けんせい)した格好だ。
アファナシエフ氏は米軍の韓国へのTHAAD配備計画を非難するとともに、「そのような方策の実現化は、アジア太平洋地域で形成されつつある戦略バランスを崩し、北東アジアの一層の緊張拡大を招くと日本側にも指摘している」と語った。日本の防衛省は、北朝鮮のミサイル能力増強に対応するためTHAADの導入を検討している。
アファナシエフ氏はまた、ロシア軍が昨年11月に北方領土への配備を明かした地対艦ミサイルをめぐり、「日本を含め、特定の国を標的にしたものではない」と主張した。
THAADを視察する稲田防衛相(左から3人目)=1月13日、グアム(米軍マリアナ統合司令部提供・共同)