中国海警局船3隻が日本領海に侵入 政府が官邸対策室
1月15日 13時35分 NHKニュース
15日午前、沖縄県の尖閣諸島の沖合で中国海警局の船3隻がおよそ1時間半にわたって日本の領海に侵入し、海上保安本部が
再び領海に入らないよう警告と監視を続けています。
第11管区海上保安本部によりますと、15日午前10時すぎ、尖閣諸島の魚釣島の沖合で中国海警局の船3隻が相次いで日本の
領海に侵入しました。
3隻はおよそ1時間半にわたって日本の領海内を航行したあと、いずれも正午までに領海を出たということです。
正午現在、魚釣島の西南西およそ22キロから26キロの領海のすぐ外側にある接続水域を航行しているということで、
海上保安本部が再び領海に入らないよう警告と監視を続けています。
尖閣諸島の沖合で中国海警局の船が領海に侵入したのは今月7日以来で、ことしに入って2回目となります。
政府が官邸対策室
政府は、沖縄県の尖閣諸島の沖合で、中国海警局の船3隻が日本の領海に侵入したとして、きょう午前10時13分、総理大臣官邸の
危機管理センターに設置している「情報連絡室」を「官邸対策室」に切り替えて、情報収集と警戒監視にあたっています。
外務省「領海侵入は主権侵害」と抗議
外務省の金杉アジア大洋州局長は15日午前、東京にある中国大使館の公使に対し「尖閣諸島は日本固有の領土で、領海への侵入は
日本の主権の侵害に当たり全く受け入れられない」として電話で抗議し、直ちに退去するよう求めました。
また、外務省は中国にある日本大使館を通じても抗議したということです。
こうした抗議に対し、中国側は尖閣諸島は中国固有の領土だとして日本の抗議は受け入れられないとする従来の主張を繰り返したと
いうことです。
尖閣諸島をめぐっては、先週、中国海軍の艦船と潜水艦が接続水域を航行し、政府が抗議しています。
官房長官「侵入多発は遺憾 速やかに退去を」
菅官房長官は午前の記者会見で、「尖閣諸島は法的にも歴史的にもわが国固有の領土であり、中国公船による領海への侵入事案が
多発することは極めて遺憾だ。政府としては改めて中国側に対して厳重に抗議し、速やかにわが国の領海から退去することを強く
求めているところだ」と述べました。
そのうえで菅官房長官は、中国との間で協議が続いている、偶発的な衝突を避けるための「連絡メカニズム」について、
「双方で、できるかぎり速やかに対応するということで合意しており、そこは予定どおり行っていきたい」と述べました。