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携帯電話保有にも顔スキャン、中国で身元確認強化

2019-12-04 17:13:55 | 中国・中国共産党・経済・民度・香港

携帯電話保有にも顔スキャン、中国で身元確認強化

2019 年 12 月 3 日 03:27   WSJ    By Liza Lin and Shan Li

 

 中国で1日から、新たな携帯電話サービスの登録に際して、顔認証による身元確認を義務づける

法律が施行された。中国政府による市民の監視が一層強まりそうだ。


 中国工業情報省(MIIT)が9月に公表した通知では、携帯電話による詐欺を最小限に抑え、

中古販売や違法な携帯カード売買を防ぐことが新法の目的と説明していた。中国ではこれまで、

新たな携帯電話番号の取得を申請するには、身分証明書を提示する必要があった。


 中国当局は収集した膨大なデータを人工知能(AI)を使って解析し、景気押し上げに利用して

いるほか、市民監視の機能を中央に集約するなどしており、顔認証技術の普及に伴い、監視強化を

危惧する声も強まっている。

センスタイム(商湯科技)が手掛ける歩行者や車両の認識システム「センスビデオ」 

 
 
 中国は顔認証技術で世界でも屈指のスタートアップ企業を擁しているほか、中国市民は顔を

スキャンするだけで、支払いや飛行機への搭乗、建物への入館といったことが可能だ。

だが、とりわけ新疆ウイグル自治区では、イスラム教少数派民族ウイグルへの監視に利用するなど、

その使途を巡っては物議を醸している。


 アナリストによると、国内の通信会社が顔認証による身元確認を実行に移す中、携帯サービスを

求める顧客にとっては他に代替策もないことから、セキュリティーやプライバイシーに関する懸念が

再燃している。


 工業情報省は通信会社に対し、「AIもしくはその他の技術」を活用して、新たな申請者の身元を

確実に顔認証データで確認するよう、11月末までに各店舗での措置導入を指示していた。

同法はユーザーの国籍や仮想移動体通信事業者(MVNO)については言及していない。

既存の携帯サービス顧客についても触れていない。

 

 中国移動(チャイナ・モバイル)、中国電信(チャイナ・テレコム)、中国聯合網絡通信

( チャイナユニコム )の国有通信大手3社は、現時点でコメントの要請に応じていない。

 

 今回の新法により、中国当局は民族やその他の要素に基づき、市民を一段と正確に追跡できる

ようになる。こう指摘するのは、チャイナ・マーケット・リサーチ・グループ(上海)のマネジング

ディレクター、ベン・カベンダー氏だ。同氏は「個人的な観点からすると、プライバシーがほとんど

なくなり、恐ろしいことだ」とし、「常に誰かが自分の行動を把握しているという感覚がつきまとう」

と述べる。

 

 懸念が高まるのに伴い、顔認証などプライバシーの侵害と思われる技術への反発も強まっている。

中国東部の法学教授、ガゥオ・ビング氏は先月、杭州の動物園と野生動物公園が新たな入園システムの

一環として、年間パスに顔認証データの共有を義務づけたのは、消費者の権利を侵害しているとして

訴えた。中国でこうした訴訟が起こされるのは異例。同氏は訴訟の状況についてコメントを控えた。



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