中国が豪政治の「乗っ取り」企図、保安機関元トップが警告
2019年11月22日 14:47 発信地:シドニー/オーストラリア AFP
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【11月22日 AFP】中国が水面下で狡猾(こうかつ)に組織的なスパイ活動と利益誘導を駆使して
オーストラリア政治体制の「乗っ取り」を企てていると、オーストラリア保安情報機構(ASIO)の
元トップが豪紙とのインタビューで警告した。
このインタビューは、今年9月までの5年間ASIOの長官を務めていたダンカン・ルイス
(Duncan Lewis)氏のもので、22日付の豪紙シドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney
Morning Herald)に掲載された。ルイス氏がASIO長官退任後にメディアのインタビューに
応じるのは初めてだ。
ルイス氏はシドニー・モーニング・ヘラルド紙外信部長とのインタビューで、豪政治関係者は
誰もが中国諜報(ちょうほう)活動の標的となる可能性があり、何年間も気付かれないままに
その影響が及び続ける恐れがあると警鐘を鳴らした。
「(中国の)スパイ活動や内政干渉は水面下で狡猾に行われている。その影響が表面化するのは
何十年後かもしれないが、その時は既に手遅れになっているだろう。ある日、目を覚ましたら、
我が国の政府が我が国にとって有益でない決断を下していたということになりかねない」
さらにルイス氏は、中国による乗っ取りは政界にとどまらず、地域社会や財界にも及んでいると指摘。
基本的に活動の指令はオーストラリア国外から出ているという。
中国による大規模な利益誘導作戦の例としてルイス氏は、豪政党に多額の献金をしている
中国人工作員の存在を挙げ、メディアや大学も標的となっていると警告。「疑心暗鬼を引き起こす
つもりはないが、賢明に認識しておく必要がある」と訴えた。
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